中級クラス(3組)実習報告

 

1.学習者

中級クラスは、初級クラスから2名の学習者が加わり、合計5名となった。学習者の国籍は、アメリカ2名〈うち中国系1名〉、イギリス1名、オーストラリア1名、ニュージーランド1名である。

 

◆ レディネス分析

 事前に実施したアンケートでは、5名の学習者の日本語能力についての自己評価及び日本語学習歴は以下のようであった。

学習者

〈レベル*

〈学習歴−機関(期間)〉

b/c

大学(3年間)

メキシコ(2年間)、日本の大学(9ヶ月間)

b/c

大学(3年間)、日本の大学(1年間)

大学(4年間)

大学(6年間)

 

*レベルa-d(自己評価)

 aYou can understand college lectures.   

 bYou can handle daily matters.

 cYou can use fixed expressions.

 dYou can not use Japanese at all.

 

アンケートの結果、上にあげた5名の学習者が中級レベル以上の能力を持つ可能性が高いと判断したが、その後実施したインタビューでは、学習者A〜Cと、D、Eとの間にレベル差があるように感じられた。従って、A〜Cを中級クラス(3組)とし、D、Eはひとまず初級クラス(2組)に加え、様子をみることにした。

しかし、授業1日目に学習者D、Eから中級クラスに変わりたいとの要望があり、学習者本人の希望を尊重し、クラス変更を認めた。

 

 

2.実習生

5名の実習生が交代で担当した。各実習生のコマ数は以下のとおりである。

 

蓮池(9コマ)、小室(2コマ)、中林(1コマ)、山根(1コマ)、奥園(1コマ)

 

また、実習の指導教官である大曽先生に2コマ担当していただいた。

 

 

3.シラバス・デザイン

アンケート及びインタビューで、各学習者の希望を聞いたところ、興味があるもの、学習したいこととして、大きく分けると次の3つがあげられた。

 

・文法(日本語能力試験対策)

・会話

・日本文化

 

そこで、これらの希望に応えるため、次のような授業をとりいれることにした。

 

・文法(問題集などから抜粋)

・会話

・日本文化の紹介を兼ねた読解

 

しかし、学習者によってやりたいことが異なるため、授業開始後も、学習者の意見を聞きながら、授業内容に変更を加えるなど、柔軟に対応していく方針をとった。

 

 

4.カリキュラム・デザイン

 

 

〈授業内容〉

〈教材〉

1日目

8/9 ()

読解「敬語」

『速読用文化エピソード』

2日目

8/10()

読解「日本の子供たち」/発表

『中級から上級への日本語』

3日目

8/11()

@会話「頼む、許可をもらう」

『CMJ中級』

 

 

A会話「誘いと断り」

『CMJ中級』

4日目

8/16()

文法「ば、たら、なら、と」

中級用問題集

5日目

8/17()

文法「可能、受身、使役」

自作教材

6日目

8/18()

@読解「ブックカバー」

『速読用文化エピソード』

 

 

A会話「ことづける」

『CMJ中級』

7日目

8/19()

手紙の書き方/残暑見舞いを書く

自作教材

8日目

8/20()

@文法「他動詞、自動詞」

中級用問題集

 

 

A会話「考えを言う」

『CMJ中級』

 

このほかに、宿題として、日本語能力試験2級過去問題集の一部を使用した。

 

 

5.学習者からのコメント

 コース終了後に行ったアンケートでは、中級クラスに対して、学習者から次のような意見が寄せられた。

 

・2級対策の勉強をしたかった。授業がもう少し長く、もっと宿題が多いとよかった。

・「ば、たら、なら、と」「可能、受身、使役」「他動詞、自動詞」について勉強したかったので、よかった。

 

 また、各授業の内容が「役に立ったか」、「理解できたか」という問いに対しての回答は、以下のとおりであった。

 

 

授業内容

YES 役に立った NO

YES 理解できた→NO

8/9 ()

読解「敬語」

8/10()

読解「日本の子供たち」/発表

8/11()

会話「頼む、許可をもらう」

会話「誘いと断り」

8/16()

文法「ば、たら、なら、と」

8/17()

文法「可能、受身、使役」

8/18()

読解「ブックカバー」

会話「ことづける」

8/19()

手紙の書き方/残暑見舞いを書く

8/20()

文法「他動詞、自動詞」

会話「考えを言う」

1

 

6.実習生の反省

 中級クラスを振り返って、実習生からは、以下のような反省点があげられた。また、よかった点もいくつかあげられた。

 

〈反省点〉

・学習者によってやりたいことが異なったため、全員が満足する授業を行なうのが難しかった。

・学習者からの質問が多く、計画どおりに授業が進められないことが多かった。

・クラスコントロールをするのが難しかった。

・下のクラスから上がって来た学習者が思ったよりレベルが低く、基本的なことまで説明しなければならないこともあった。結局、本人の希望を尊重した形になったが、クラス全体のことを考え、元のクラスに戻ってもらうべきだったのかもしれない。

 

〈よかった点〉

・学習者の希望に合わせ、「ば、たら、なら、と」「可能、受身、使役」などの授業を行なった結果、好評だったので、柔軟に対応していったのはよかったと思う。

・5人の実習生が交替で入ったので、学習者の状況が把握しにくい、責任の所在がはっきりしないなどの問題点があったが、学習者がいろいろな日本語に触れられるという点ではよかった。

・授業で習った表現を実際に使ってみた、などの学習者からの報告があり、励みになった。

 


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