事前準備と実習コースの概要

 

夏期日本語教育実習は、1989年から名古屋市教育委員会の協力により、名古屋市に新しく赴任するAET(Assistant English Teacher)を学習者として、毎年行っているプログラムである。実習生は日本語教授法を受講する修士2年生であり、本年度は5名が実習を行った。

ここでは、実習開始前に行った準備と実習コースの概要を記す。

 

 

1. 事前準備のスケジュール

 

4月

5月    教育委員会への挨拶

6月    前年度の受講生対象のアンケート

7月    クラス分けアンケート&インタビュー      テキスト準備

8月    9日〜 授業

 

夏期日本語教育実習の事前準備は、年度が改まった4月に去年の実習生から引継ぎを受け、始められた。

5月には名古屋市教育委員会のAETの受け入れ担当者と顔合わせを行った。教育委員会との交渉は実習生の中で渉外担当者があたり、学習者の情報収集(人数、国籍、学習歴など)、実習時期の決定などを行った。

また、ニーズ分析のため前年度の実習受講者に対しアンケートを行い、7月末には来日した学習者に対しクラス分けのアンケート及びインタビューを行った。

これらの準備と平行し、実習で使用するテキストの検討と改訂を行った。

 

 

2. 前年度実習受講生に対するアンケート

このアンケートは1年間の日本滞在経験をもつ前年度の実習受講者を対象とし、ニーズ分析を目的として行った。

どのような場面で日本語を必要とするか、どのような場面で日本語の使用に困難を感じるかを質問し、アンケート結果はテキスト作成のための指針とした。

以下、アンケートの質問事項を記す。

 

質問事項

@     国籍

A     滞在歴

B     来日以前の学習歴/来日以降の学習状況

C     クラスに対し期待していたこと

D     クラスの良かった点/悪かった点

E     日本語を頻繁に使用する状況

F     日本語を使用する際問題のある状況(a.買い物 b.電話 c.病院 d.銀行 e.駅 f.その他)

 

 

3. テキスト準備

98年度夏期日本語実習で作成されたオリジナルテキスト『あさがお』に分かち書きの方法の変更、ダイアローグの差し替えを行い、『あさがお』改訂版を作成した。

文の構造を認識しやすいよう述部をハイフンでつなぎ、助詞は分かち書きした。例 Are wa nan-desu ka? , Takai-desu ne.

『あさがお』第8課のダイアローグは分量も多く、また、‘別れのあいさつ’(「お世話になりました」「〜のおかげです」等)に力点が置かれていた。今回、お礼の言葉(「ごちそうさまでした」「おじゃましました」「この間はありがとうございました」)、感想をいう言葉(「おいしかったです」「楽しかったです」等)を中心とした新しいダイアローグに差し替えた。

 

 

4. クラス分けアンケート&インタビュー

学習者の日本語能力を測り、クラス分けを行うためアンケートとインタビューを行った。

アンケート(記入式)は全て英文を用いた。アンケートの後に、1対1のインタビューを日本語で行い、カセットに録音した。

アンケートで質問した日本語能力の自己判断とインタビューのカセットを検討し、学習者を3クラスに分けた。

アンケートで用いた日本語能力の自己判断の項目は以下のようである。

 

      5-7. Which level do you think your Japanese ability is?

(a)  You can understand college lectures.

(b)  You can handle daily matters.

(c)  You can use fixed expressions.

(d)  You can not use Japanese at all.

 

 

5. 実習コースの概要

◆ 日程

99年度夏期日本語実習はお盆をはさみ、以下のような日程で8日間行われた。

日程    1999年8月8日(月)〜11日(水)、16日(月)〜20日(金)

 

◆ 学習者

14名の学習者を迎えた。学習者の国籍は、アメリカ(6)、オーストラリア(3)、カナダ(3)、イギリス(1)、ニュージーランド(1)であった。

 

◆ クラススケジュール

授業は午前10時から開始し、1コマ50分で1日2コマ、間に10分間の休憩をはさんだ。実習生は一人、9コマの授業を担当した。

実習最終日には授業後に終了パーティーを開き、食事と日本文化に親しむためのゲームを行った。

 


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