◇韓涛(平成25年度博士後期課程修了) 「博士論文を書き終えて」
博士論文を書き終えて、この3月にようやく博士学位を取得することができた。
とにかく感慨深かった。まず真っ先に脳裏に思い浮かんだのは、“ It’s been a long, bumpy road.”という英文だった。
10年余りの留学生活を振り返ってみると、確かに、その道のりは長くて平坦なものではなかったのだ。しかし同時に、
「人生というのは本当にドラマチックなんだな」とも思った。
「もしも、あのとき、日本語を専攻しなかったら…」
「もしも、大学2年の終わり頃、日本への交換留学生に選ばれなかったら…」
「もしも、あの先生に出会えなかったら…」
「もしも、…」
どれも私の人生を左右する重要な分岐点だった。しかもどこかの分岐点で違った選択をしていたら、いまの私はいないであろう。
そう物思いにふけっていたら、今度は別のことを考えた。
「過去を振り返ってばかりいては、前に進むことができない。今日のゴールは、あくまでも明日のスタートラインにすぎない」と。
唐の詩人賈島(779−843)は、かつてこんな絶句を詠んだことがある。
十年磨一剣, [十年一剣を磨くも]
霜刃未曾試。 [霜刃未だ曾て試みず]
今日把似君, [今日把りて君に似さば]
誰為不平事? [誰か不平の事を為さん]
なぜか、いまになって妙に心打たれたのだ。
学位が取れたからと言って、引き続き日本語学習者であることは変わらない。これからも日本語について中国語と比較しながら、
その構造や発想をもっと知りたいというのが私の切実な願いだ。末筆ながら、いままでお世話になった方々に心より御礼申し上げる。
(2014年3月18日)
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