ドイツ語学習のためのアドバイス
中 嶋 忠 宏(国際言語文化研究科)
第1章 ドイツ語学習の第一歩は辞書選びから
辞書選びは友だち選びのようなもの。外見はどこか気取り屋で、気難しそうでも君たちのほうから積極的にアプローチすれば親友になってくれるはず。ブルドッグやグレートデンだって慣れれば、人間の良きパートナーになれるのと同じ。要は相性がいいということ。ここで紹介するのは、いずれもそれぞれに特長も魅力もあって、難のつけようもない。内容はもとより、サイズや装丁、できれば手触りのよさまで吟味して選べば言うことなし。それだけ選択肢は多い。君たちの良き友との出会いを期待する。
なお、ドイツでは単語の綴り方にかんする表記法の改革(正書法改革という)がおこなわれている。正式施行の2005年を見越して、新刊の初級教科書や我が国の独和辞書も、ほとんどがこうした動きに対応ずみである。
PART I 独和辞典に親しもう
初心者向けの入門用独和を3種あげる。いずれも、さまざまな工夫がこらされていて、使い勝手はすこぶるよろしい。これまでの定型であった〈ドイツ語〜日本語〉対照辞書の域を脱して、コミュニケーションのためのドイツ語やドイツ文化に親しむための入門書にもなっている点でこれらは共通している。ドイツ語初級のビギナーにはうってつけ。ただし、いずれも語数が少ないので、中級以上のドイツ語を目指すなら次のPART IIから選ぶこと。
・『エクセル独和辞典』(郁文堂、2,800円):コンパクトなボディながら用例が豊富なのが最大の特徴。用例が多いということは独作文をするときにも大助かりということである。要所要所に類語や文法説明のカコミが設けられていているのも親切。付録の『人称変化表、格変化表』『文法キーポイント』も予習・復習にぜひとも活用したい。辞書こそは、単語の意味を調べるだけではなく、教科書を総合的に理解するためにも最良の相談相手になってくれるということを、本書で実感してほしいものだ。
・『新アルファ独和辞典』(三修社、3,600円):重要語は特に大きな赤色の活字で印刷してあり、見やすく眼にやさしいレイアウトは他にならぶものがない。イラストや写真を配置してあるのも楽しい。特定の重要単語にかぎって見出しのあとに付けられた人称変化(動詞)や格変化(名詞等)の表を活用すれば、「イッヒ・ビン、ドゥ・ビスト・・・」もばっちり。その分だけ語数の少ないのはやむをえないけれど、例文や用例はいずれも教室での授業にそのまんま役立つようなものばかりで、初級テキストの学習には〈即戦力〉となるだろう。
・『第二版 パスポート独和辞典』(白水社、2,900円):ハイカラな白水社の感覚がよくあらわれた、実にオシャレな装丁の辞書。表紙の渋いワイン・カラーの色合いがいかにもシック。特筆すべきは、白水社のホームページに質問コーナーがもうけられていることである。まさに21世紀の辞書を先取りしている独和といえるだろう。それほど語数は多くはなさそう。でも、faxen(ファックスを送る)なんて最新語も入っていて、初級用には必要にして十分。それどころか、随所に挿入された解説記事とあいまって、中身は見かけ以上に濃い。さあ、パスポートを持ってドイツ語の国へ旅立ちだ!
PART II 独和辞典を使いこなそう
このクラスは歴史的に伝統のあるものから、今日的なドイツ事情に対応できる新鋭まで、実力派がひしめいていて、頼もしいかぎり。いずれを選んでも中級から上級までの講読に対処できる。
・『フロイデ独和辞典』(白水社、4,000円):今春刊行されたばかりのニューフェースの辞書。話法の助動詞sollenをひっぱってみると、用例が充実しているし、おまけに命令文を間接話法に書き換えるときの要領や、müssenとの相違などじつにきめ細かな説明までついていて完璧である。Bildschirmschoner(スクリーンセーバー)やbrowsen(ホームページを見る)といった最新語も多数収められている。随所に文化的な記述も盛り込まれていて、百科事典的にも使えるのは便利。付録も充実、なかでも《聖人暦》や《ドイツ歌曲選》などは独和辞典で初めての試みである。語数も7万5千語と多く、立派に中級辞書の貫禄である。全体として辞書の作りに白水社のお洒落な感覚がよく表れていて、いつまでも〈歓び〉をもって使えるだろう(フロイデとは歓びの意)。
・『新アポロン独和辞典』(同学社、4,000円):学習用独和として定評のあった前身の『新修ドイツ語辞典』をベースにした息の長い歴史をほこる辞書。このシリーズはこれまでこまめに改訂が行われ、最新語を積極的に取り入れてきている。な、なんと、パソコン用語のherunterfahren(シャットダウンする)やtelnetten(テルネットする)までのっている!『新アポロン』は類書を抜いてぶっちぎりで新しいのだ!巻末付録は《福祉用語》まであり、じつにユニーク。《コンピュータ・ネットワーク用語》、《環境用語》、《医療・看護用語》等は理系の原書講読に役立つだろう。他の辞書にはないFourierreihe(フーリエ級数)だってちゃーんと調べられるッツーわけ。《和独の部》、《日常会話・手紙の書き方》は、それぞれ初級の独作文や会話なら不足はしない。《ドイツの言語・社会・文化・歴史》に目を通せばキミはもういっちょまえのドイツ通といえる。
・『アクセス独和辞典』(三修社、4,000円):PARTIであげた『新アルファ独和辞典』をワン・ランク・アップさせた充実の学習用独和辞典。わかりいい説明と豊富な例文には目を見張らされる。古典から現代ドイツ語までをカバーするオールマイティなヤツ。付録の『発信型和独語彙集』や『図解辞典』が光っている。とりわけ、『ドイツ語圏の情報』は秀逸。たとえば、ドイツ人が毎日どんなものを食べているのかを説明した頁などをごらんあれ!・・・気分はもうドイツである。CD-ROM版として『ハイブリッド・アクセス独和辞典』(Win /Mac対応)が用意されている。検索エンジンロボワードが付く。
・『プログレッシブ独和辞典』(小学館、3,600円):コンパクトながら実に良くできた学習独和で、感心させられる。まさに「いい仕事してますねー!」である。派生語や合成語もイッパツで検索可能。いい気分である。言い換え欄・複合語欄・類語欄・関連語欄・語源欄が随所に設けられていて付加価値を高めている。しかし、『プログレッシブ』でおすすめなの『ポケット・プログレッシブ独和・和独』(3,000円)のほうかも。活字が小さいのはガマンするとして、使い勝手がよく重宝する。ポシェットやハンドバッグに楽に入るので、今日からこれでドイツ語の〈モバイル〉をやろう!小学館の独和は、ポケット版から後述の『独和大辞典』まで3種類のサイズのヴァージョンがラインナップされていることになる。〈スリーナンバー車から軽まで〉揃っているのは、独和辞書界ではここだけ!
・『クラウン独和辞典』(三省堂、3,700円/EBXA電子ブック版 8,500円):三省堂の総力を結集して実現した学習用独和。一見初心者用のやさしい顔立ちであるが、なかなか奥行が深い。詩人のCelan(ツェラーン)ものっているのは、なかなかイキである。餃子によく似たドイツ料理のMaultascheまで出ていて、ドイツを旅行したとき、現地のレストランでも役に立つだろう。形容詞のvielも英語のmanyとmuchに対応させて説明しているのは分かりいい。中級の読物を予習していると、よくrichtunggebend とかrichtungweisendといった合成された形容詞・副詞が出てきて、慣れないと雲をつかむように理解しづらい。ドンマイ!両方ともぬかりなく調べられる。付録の《文法小辞典》は希少価値あり。《動詞変化形索引》も頼りになる味方、あしたの分の予習もこれで完璧。
・・・総合的な評価として、この『クラウン』あたりが独和辞書の充実度と学習者への親切さという点で〈金メダル〉といったところか。
電子ブック版も用意されている。重要基本語や動詞活用を音声でたしかめることができるので、「おや、キミはなかなかいい発音してるじゃないか!」と先生からほめられるかも・・・。(^_^)
・『新コンサイス独和辞典』(三省堂、4,000円):昔からの伝統をほこる『旧・コンサイス独和』が全面改定されて装いも新たに登場したニューフェース。内容的には旧版を踏襲しているので、申し分なし。それでいて、こんなにコンパクトになってしまっているのは驚異的。片手にらくらくと納まってしまう。この片手に納まる――というのはとても大事なことで、またアリガタイことである。いくら立派な辞書でも手が疲れるようだと効果は上あがらない。結局、学習用辞書との相性は、内容もさることながら、〈手との相性〉ということにつきる。外国タバコのような表紙のデザインが意外とシャレていて、スマートに辞書を引きこなしたいキミにはイチオシ。
・『マイスター独和辞典』(大修館、3,900円):ワインやビールの種類までわかるといった百科全書的な性格を兼ね備えた総合タイプの独和。ベースになる語義部分の構成や図解の方法も極上の仕上がり。あちらこちらでイラストや図表が立体的に張りめぐらされていて便利。たとえば、【複合語】の説明はまことにユニークである。つまり、Fahrtに前綴りabをつけてAbfahrt=〈出発〉、Ausfahrt=〈発車〉といったように造語関係が一目瞭然。語彙も驚くほど豊富で、中・上級まで使える。文字どおりマイスター・クラスの貫禄あり。ただし、この辞書を使用する場合、性の区別が定冠詞の形で示されている点と、他動詞・自動詞の区別が明示されてない点は類書とは違うので注意を要す。「+4格」が他動詞のしるし、それ以外は自動詞と思えばよい。
なお、本書を手のひらサイズに縮小した『ハンディマイスター独和辞典』(3,600円)も用意されている。文字どおりハンディで、携帯にはすこぶる便利。驚くべきことに、ひとまわりもふたまわりもチッチャなサイズながら新語を15,000語もプラスしているので、この子は親を越えている。ただし、字が小さいので、視力に自信があることと、例外的な場合をのぞいて、発音記号が省略されているので、発音規則をマスターしておく必要があることの二点がクリアできれば、こんなに重宝するものはない。ドイツ、オーストリア、スイスへの旅行には最適。アイヴォリー・ホワイトの表紙がまぶしい!
・『新現代独和辞典』(三修社、3,800円):古典作品から現代文学や新聞・雑誌まで広い範囲をカバーできる実力派の辞書。付録の《修辞法》、《韻律法》は類書に例がない独自のもの。《分綴法》、《句読法》とともに、とりわけ人文系のテキストの深い読みのために活用できる。新語が多く取り入れられているのが、ひと味ちがうところ。上記の『マイスター独和』と同様に Bolzplatzといった最近の俗語を載せているのも新しさへの対応といえよう。もっとも、「むちゃくちゃな試合のサッカー競技場」という訳語はもう一工夫ほしいところ。一方、jn zum Ritter schlagen(刀礼を施して騎士に叙する)なんて古めかしい言い方も載っていて、騎士物語りを読んだりするときに大助かり。ともあれ、内容もさることながら、手に持ったときの感触もなかなかヨロシイ。それに、活字の見やすさは抜群。◆印の〈用例〉や▲印の〈関連語〉といったレイアウトのうまさは目の健康によい。CD-ROM「Bertelsmann新正書法辞典」(WINDOWS版)付も出ている。 (*^_^*)
・『独和辞典・第ニ版』(郁文堂、4,300円):旧版を全面改訂してリリースされた〈決定版〉独和。旧版の利点をすべて踏襲したうえで、印刷の調子も改善されたので、ずいぶんと見やすくなっている。豊富な例文とともに、文法説明も充実していている。見た目には地味で目立たないけれど、随所にしかけられた、さまざまの改良・工夫は専門家からも高く評価されている。〈通〉向きの独和なのだ。ドイツ語独特のニュアンスをもつGemutやWesenも、まず〈心〉や〈本質〉といった具合に基本となる訳語をひとつだけにしぼって、委細は用例によって理解させるやり方は実に明快である。 gehen(英語のgo)のように長々と語義説明のつづくものも、ゴチックの数字で区分されたとおりに見ていけば、意外と楽にサーチできる。控えめな外観ながら中身の濃いこと!能あるタカは爪を隠すのである。それにしても、この辞書は目が疲れる。もうすこーし見やすいレイアウトにならないものか?
・な、な、なんと電子辞書に独和・和独が入ったのだ!:三省堂『クラウン独和辞典』と『コンサイス和独』が『ジーニアス英和・和英』『広辞苑』『漢字源』等といっしょに搭載された電子辞書がCASIOから発売されている。高価ではあるけれど、『JTB一人歩きのドイツ語自由自在』まで入っているのである。(XD-R7100)
PART III その他の辞書たち――ドイツ語辞書の鉄人になろう!
中級から上級に進むキミには、とっておきの独和を薦めたい。
・『独和中辞典』(研究社、4,120円):語数2万の本格的な和独がついた中辞典。独和と和独のドッキングは、独英と英独が合体しているといったふうに欧米の学習用外国語辞典ではあたりまえのスタイルなのである。なんと言っても、用例が多いのが一大特徴。用例が多いということは、読解に役立つばかりか、作文するときにも重宝するということ。和独の部も、特徴を出している。たとえば、「おもう」を引いてみると、glauben, meinen, denkenの違いがじつに分かりやすく例文で説明され、さらに推測をするときに使うannehmen, vermuten・・・と続く。和独の部が、独和の機能も果たしている。つまり、独和が和独を、和独が独和を、それぞれ補っているのだ。これぞまさに、〈ドイツ語活用辞典〉と言ってよい。
・『独和大辞典第2版』(小学館23,000円、コンパクト版7,500円):最大の語彙数をほこる独和辞典界の横綱である。die mobiussche Flache (メビウスの帯)、 Angelologie(天使論)もこの辞書でようやく調べがつく。Wettkampfgymnastik(新体操)が他の独和には出ていなくって、本書のみ収録しているのは意外や意外!でも、この辞書にはでているのだ。Jetzt wird geschlafen!(さあもうねんね)といった例文もあり、表現辞典としての価値も高い。Guten Tag!も「(日中のあいさつとして)こんにちは、いらっしゃいませ、お帰りなさい;ただいま、行ってまいります、行ってらっしゃい)(拒絶の返事として)とんでもない;冗談じゃない;まっぴら[ごめん]だ」との説明があり、見事と言うほかはない。ただただ脱帽するのみ!オオキイことはイイことなのである。要所にイラストもついているし、また説明があまりに長く、詳細になる基本語は見出しの次のカコミに要点が整理してあるなど、分厚い割に使い勝手はよい。
内容はそのままで版型を縮小しただけのコンパクト版も用意されている。活字が見にくくなったのは我慢するとして、なによりも値段の安いのがありがたい。専門文献の解読のみならず、ドイツ語のクロスワード・パズルをやる時にも必携の一冊である。
和独辞典は意外と使い方がむずかしく、最初はなくともかまわないが、ぜひとも一冊欲しいとなれば、
・『和独辞典』(郁文堂、3,400円):見出しがヒラガナになっているのは類書中この一冊だけ、真に日本人のための和独。革装版のほうだといつまでも愛着をもって使えるだろう。
教室の授業で、英語とドイツ語がいろいろの面で親戚みたいに近い関係にある、といった話を聞くことがあるだろう。両方とも印欧語族ゲルマン語に属する。そんな意味からも、英語に強いキミにも、英語に弱いキミにもぜひとも独英辞典を使ってみてほしいものだ。
・『The Pocket Oxford German Dictionary』(0xford Univ. Press):独英・英独が一巻にセットされている。両部とも用例を極力省略し、しかも訳語が厳選されているので、初心者にはかえって使い勝手が良い。詳しい用法は独和で調べればいいのだから。このポケット版で物足りなくなったら、同じオックスフォードの系列でConcise版やStandard版へとグレード・アップできる。
・Langenscheidt社の独英・英独シリーズも手ごろである。ポケット・サイズのものからデスク・サイド版まで種々のエディションがある。購入にあたっては洋書店で実地調査するとよい。黄色の地にブルーのL字が浮かんだ表紙が目印。
・『Cassell's German-English / English German Dictionary』(Macmillan, New York):ショコラ色の表紙で、サム・インデックスの付いた造本がシブイ。米国マ社で出版されているけれど、Zentrumはcentreのみ、Arbeitもlabourのみ、Aufzugはliftが先に出てくる、といった具合で、中味は頑固なまでに英国風。熟語・合成語の表示が見やすく、活字やレイアウトも鮮明で実に使い勝手がいい。
・『0xford-Duden Bildworterbuch - Deutsch und Englisch』(Dudenverlag):すべてイラストで事物を確認できる図解辞典。ただし、収録されているのは名詞だけ。
ドイツ語に取りつかれてしまったキミには、独々辞典の使用をすすめたい。英々辞典を使いこなしているキミなら、独々の効用については言うまでもないことだろう。ビギナー向けのものが諸種でているけれど、手軽に扱えるものとして、
・『Langenscheidts Grosworterbuch Deutsch als Fremdsprache』(Langenscheidt)をあげておく。〈Deutsch als Fremdsprache〉――つまり、ドイツ語を外国語として学ぶという観点から作られているので、使いやすい独々となっている。
ドイツ語の百科辞典入門も兼ねて、
・『Der Brockhaus in einem Band. Neu von A bis Z』(Brockhaus) あたりに親しんでほしい。
最後に一言。せっかくキミが自分で選んだ友なのだ。どうかいついつまでも仲良く大事につきあってやってほしい。辞書を活用できること……それこそが語学上達の王道にほかならない。型くずれしてボロボロになった愛用の辞書は、キミの青春時代の勲章となり、いつまでも価値ある知的武器ともなるはずである。
第2章 参考書を一冊ゲットすれば、気分はフルにドイツ語!
教室で使用している教科書をしっかりと学習していれば、少なくとも基本の理解については何の心配もいらないけれど、教室での授業は、もともと各自がめいめい予習・復習をすることを不可欠の前提としている面もある。ピアノのレッスンやテニスの壁打ちのように、日々の練習こそ進歩の糧なのである。これからドイツ語をはじめるピッカピカの一年生のキミのために、あるいはまた、心ならずもまたもや文法教程の第一課から始めることになった再履修のキミのためにも、そしてまたドイツ語なら誰にもまけない元気じるしのキミのためにも、あまりにも多い参考書のなかから思いつくままを紹介しよう。
PART I 授業と並行しての勉強や、ドイツ語の再出発のために
・大岩信太郎『ドイツ語の最初歩』(三修社)
・関口一郎『マイスタードイツ語コース』(1文法、2表現、3語法、大修館):セキグチ先生のマイスター三部作。まるで教室で授業を受けてるみたいな話をしっかり聞いているうちに、自然にドイツ語が分かるようになる。再履修のキミにもウ・ッ・テ・ツ・ケ!第3巻の『語法』は中級・上級向け。
・小坂光一『マニュアルドイツ語ABC』(郁文堂):〈マニュアル〉と銘打っているけれど、パソコンやワープロの〈取り扱い説明書〉よりはよほど親切で分かりやすい。説明がヴィジュアルになっているので、試験直前の復習と整理にも重宝するはず。
・早川東三『NHKドイツ語入門・第二版』(日本放送出版協会):ドイツ人の生活に即した平易で基本的な文を読みながら、ドイツ語を楽しく、総合的に学べる。
・浜川祥枝『ドイツ文法の初歩』(白水社):接続法の説明も懇切ていねい。親しみやすい充実した文法書。索引も完備。
・山本・古賀『教室と自修のためのドイツ語入門』(同学社):文法の説明はもちろん、単語の知識やドイツ的教養まで懇切丁寧に教えてくれる総合タイプの参考書。ドイツ語ならマカセナサーイ!
PART II 中級・上級向け
以下はいずれも、中級から上級向けの本格的な参考書。必ずしも順をおって最後まで通読すべきというものではない。なにか疑問が涌いたときに、調べてみるといったレファランスとしての使いかたでもかまわない。一冊の参考書と心中する必要はない。こればかりは浮気するのも結構。別の書の別の説明で、誰も教えてくれなかった疑問がいっきに氷解するといったこともあるのだから・・・。
・ミッヒェル他『これからのドイツ語』(郁文堂):斬新な視点から書かれていて、内容も面白く、ついつい読んでしまう。
・濱川祥枝『現代ドイツ語』(白水社):文例が豊富。索引完備。
・在間 進『ドイツ語文法』(大修館):代名詞が半ば過ぎてから出てきたりで、教科書の進度には合わないけれど、文法現象をこうした視点から見なおしてみるのも勉強なのだ。
・関口存男『接続法の詳細』(三修社):接続法の勉強のみならず、ドイツ語のさまざまな現象を解明するための展望を与えてくれる古典的名著。本書を通読できれば、ドイツ語の文法は免許皆伝!
英・独を比較しながらというのは、両者の歴史的な関係を考えただけでも有効な勉強の方法であろう。
・福田幸夫『英語活用・ドイツ語入門』(白水社)
・佐々木傭一『新英語から入るドイツ語』(郁文堂):単に英語との比較だけではなく、nichtとkeinの使いわけや、形容詞の格支配の説明等 、随所にユニークネスが見られる。
・Eggeling『Dictionary of Modern German Prose Usage』(Oxford at the Clarendon Press):例文の多くがドイツ文学作品から引かれているのは魅力。文法の基礎ができていればどんどん読んでいけるだろう。スルメのように噛めば噛むほど味が出てくる、価値ある一冊。
解釈力を養成するためのものとして、
・小栗 浩『独文解釈の演習』(郁文堂)
・信岡資生他『中級ドイツ語の研究』(朝日出版)
・有田 潤『文法復習・やさしい独文解釈』(三修社)
・横山 靖『独文解釈の秘訣 I,II』(郁文堂):大学院入試等の〈傾向と対策〉として定評がある。
特殊なものとして、
・森 五郎他『医科のドイツ語』(郁文堂)
・青木他『理工科のドイツ語』(郁文堂)
上の2冊とも対訳式。取り上げられている文章が古めかしいものばかりで、エイズやニュートリノの話題こそ出てこないけれど、自然科学の論文を読むための基礎訓練になるだろう。
PART III ドイツ語の表現練習のためにも、またその応用として、手紙を書いたり、会話の下地づくりをしたり、種々のドイツ語のスタイルに触れるという意味でも役立つものを列挙しておく
・上田浩二『ふれあいのドイツ語』(白水社):独作文というと気が重いかもしれないが、本書ではそうした心配は無用。かつてNHKテレビ講座で好評を博したウエダ先生から楽しいお話を聞きながら、コミュニケーションの時代にふさわしい、生きたドイツ語表現の基礎力がつく。
・岩崎英二郎『会話風やさしい独作文』(第三書房):独作文のコツを、まるで手品の種明かしをするように教えてくれる好著。
・a) 伊藤/クルマス『ドイツ語表現辞典』(朝日出版)
・b) 関口一郎『ドイツ語表現ハンドブック』(白水社)
・c) イシュトヴァーン『ドイツ基本語活用辞典』(第三書房)
a)〜c)の3冊は、独和辞典のところで取りあげるべきかもしれない。辞典のスタイルではあるけれど、独作文の練習書として使う手もあるだろう。
・宮内敬太郎『ドイツ語の手紙』(白水社)
・岡島孝一『楽しいドイツ文手紙の書き方』(郁文堂)
・村田・インゲボルク『改訂・標準ドイツ会話』(白水社)
・石川・サスキア『ドイツ会話40章』(白水社)
・シェッケル/成田克史 『キーワードで学ぶドイツ語600』 (同学社)
PART IV インターネットによるドイツ語サーフィンのすすめ――キミの目の前にあるディスプレーがドイツなのだ!
インターネットでドイツ語の生きた姿をリアルタイムでとらえることができるのは、素晴らしいこと。いますぐに、ドイツ語圏で発行されている新聞・雑誌、ラジオ・テレビあるいは旅行案内やグルメやスポーツやらのホームページに飛んでもらいたい。手始めとして、本学ドイツ語学科ホームページの〈2.ドイツ語圏に関する情報〉のところからお気に入りのサイトに接続するのがベター。ひとつページを開けば、そこから関連ページへどんどんリンクしていけるので、あとは意のまま……。広大なドイツ語の世界がキミたちを待っている。キミはドイツに遊ぶ?それともオーストリア?スイス?
・ドイツ語学科ホームページはhttp://www.lang.nagoya-u.ac.jp/bunai/dep/doitug/
・WindowsXPに標準装備されているMedia Playerのラジオ・チューナーを利用すればドイツ語圏のラジオが簡単に聴けるので、ぜひともトライして欲しい。Deutsche Welleはおすすめ。24時間ドイツ語の生放送が聴けるのだ!