媒介語使用に関する一考察
―学習者に与えるインプット・インタラクション修正、フィードバックの観点から―
森 博子
0.はじめに
2003年春・夏の実習には計6名が参加した(以下実習生)。3名は海外及び日本国内において日本語教授経験を有し、1名は高校の現役国語教師であり、その他2名は、これまでの大学院での講義などから得た、なにがしの基礎知識を有するものの公的な場での日本語教育経験は持ち合わせていなかった。
本稿では、2003年度夏に実施された「日本語教育実習」における授業を分析し、インプットやインタラクション修正、フィードバックにおける媒介語使用という観点から、実習授業の文字化資料を分析し、そこから得られた結果をもとに考察していきたい。
1.
インプットに関する研究と本稿とのつながり
<インプットを理解可能にするための手段とは?>
Krashenの主張に頼るまでもなく、理解可能なインプットが第二言語習得に不可欠なことは明らかであり、言語教育においては、インプットをどのように理解させるかが重要だと考えられている。
より理解しやすいインプットを提供する方法として、これまでにインプットやインタラクションの修正(input modification/interactional modification)の有効性が議論されてきた。インプットの修正(input modification)とは、インプットを学習者が聞いたり読んだりする前に言語的に修正すること、特に簡素化(simplify)することを指す。例えば、難しい語彙や文法を使わずに、あらかじめ学生に理解可能であると思われる語彙や簡単な文法を使ったインプットを提供することなどが考えられる。インタラクションの修正(interactional modification)とは、インプット修正のように内容を簡素化してしまうことなく、学習者がインプットを理解できなかったときには、同じ表現を繰り返したり(self-repetition)、新しい情報を付け足したり(redundancy)、別の表現に言い換えたり(paraphrase)することによって理解度を高めようとする方法である。また、音声言語のインプット(listening input)の場合には、学生が理解できているかを確かめること(comprehension check)によって、学習者の理解度に対してより正確な認識ができるという利点もある。
インプットやインタラクション修正がインプットの理解度を高めるかについてはこれまでさまざまな研究が発表されてきた。Yano, Long, and
Ross(1994)では、それらの結果を以下のようなにまとめている。
・
インプットの簡素化は、例外もあるが通常は理解度を高める。
・
インタラクション修正とインプットの簡素化を比べると、簡素化が常に優れているわけではない。
・
音声言語の場合、インタラクション修正は一貫して理解度を高めている。
・
いずれのタイプの修正も、能力の低い学習者にたいしてより有効である。
・
ゆっくり話すこと意外は、1つのタイプの修正のみでは効果が十分ではない。
本稿では、実習授業におけるインプット修正やインタラクション修正の効果を検討する上で、媒介語によるものの有効性を考察する。また、それに伴い、一体授業どの部分で媒介語使用が有益であるかを検討していく。
2.分析対象の概要
過去の実習報告などを参考に(詳細は過去及び2003年実習報告を参照)担任制とローテンション制双方の長所・短所を検討し、2003年度夏実習においてはクラス担当を担任制とローテーション制の2つのタイプを並行して実施することになった。数年の日本語教授経験がある実習生は固定制で、比較的経験が浅い実習生及び全く経験がない実習生はローテンション制で実習を進めた。
ここでは本稿での分析対象となる、初級・ゼロ初級の授業概要と学習者の特徴を紹介しておく。
2.
1 授業概要
|
授業 |
授業�� |
授業�� |
授業�� |
レベル |
初級 |
初級 |
ゼロ初級 |
課 |
L1 |
L2 |
L5 |
内容 |
自己紹介 |
注文する |
時間 |
学習者 |
3名 |
3名 |
4名 |
授業��
・
自己紹介の導入
・
分析部分の目標は、自分でうまく自己紹介ができるようになること
授業��
・
数の数え方導入、注文の会話練習、応用練習
・
教科書と教師が用意した副教材、レアリアを使用
・
分析部分の目標は、「一つ、二つ」で数えられるようになること、モスバーガーの
メニューを見て実際に注文できるようになること
授業��
・
位置表現の導入、時間(午前・午後)表現の導入
・
分析部分の目標は、これまで習った名詞や色などの復習と共に、位置表現を覚えること。また時間の部分は、午前、午後を使えるようになること
初級とゼロ初級クラスにおける共通点、相違点
事前アンケートやインタビュー結果からクラス編成を行ったが、実際に授業を進めていくと、結果初級学習者のレベルはゼロ初級学習者のものとほぼ同等であると判断された。テキストの内容はほぼ一緒だが、初級クラス用のものは会話ダイアログにおいてローマ字表記が記されていない。
2.2 学習者
<初級> 学習者A 13年前大学で2学期間日本語クラスを受講
(ひらがな・かたかな・挨拶表現は覚えている)
興味のある分野においては能動的学習スタイル
学習者B 来日前に少しだけ日本語を学習
受身的学習スタイルではあるが確実に理解している
学習者C 母親が日本人であるため話し言葉は出来るが書き言葉は苦手
能動的学習スタイルだが話し言葉(音)に頼りすぎている面もある
<ゼロ初級>学習者D〜G 全てが初めてであるため、基本的には皆受身的学習スタイルで、質問がある場合は媒介語(英語)を使用
(文化紹介の時間は比較的能動的学習スタイルになる)
2.3 分析データ
分析対象としたデータは、各授業の最初の3分過ぎた録画記録を文字化したものである。
音韻的にも形態的・統語的にも、日本語化されていると思われる発話は日本語表記で、英語の要素が強く残っている発話は英語の言語表記で記した。
記号は以下のとおりである。
T:教師(実習生)
S1〜3,4:学習者の発話
SA:学習者全体の発話
<>:ポーズの秒数
<*><。><、>:重なり発話のスタート部分
〔〕:状況説明
・・・:継続調 。:下降調 ?:上昇調
3.
分析
<授業�機筺�
会話練習導入部分
T :じゃ、ダイアログ。Let’s
practice dialogue.
S1:ん?〔S1どこを見ればいいか分からない。〕
T :ダイアログです。Page threeです。←繰り返し+付け足し 例��
S1:three?
T :はい。
T :じゃ、S1さん、ジョンいいですか。〔読んでくださいと促している〕
S1
:uh・・・what’s the first sentence?〔ひらがなが読めない〕
T :こっちでやりましたね。〔前の時間に学習したページを示す〕←言い換え 例��
S1
:はじめまして。
T :<、はい>そうです。
��
その前の教師の発話で次はダイアログの練習をすると日本語と英語で示しており、他の学習者はどのページを開ければいいか理解しているため、ここで日本語での繰り返しのインタラクション修正は意味のないものである。また付け足しの、比較的簡単な語彙なので、日本語での教室表現を覚えてもらうためにも「page three」と言うのではなく、「3ページ」と言えばよかった。
��
ひらがなが読めないからといって、すぐに教師がモデル読みをするのではなく、学習者に答えを導かせる方法がうまく成り立っている例である。
会話練習部分
S1
:わたしはや・・・きゅがすきです。←音声による確かめ欠如 例��
T :はい。
S2
:わたしは算数が好きです。←付け足し欠如 例��
T
:はい、S2さんここ見てください。〔テキストを示す〕何て書いてありますか。
S2
:す・・・すうが・・く?
T :はい、S2さんは数学がすきです。
T :さんすうとすうがくはsame
meaningです。←不必要な簡素化 例��
��
学習者がうまく言えていないため、ここでは次の学習者が発言する前に、正しい日本語文を言えるようになるまで確かめのチェックをするべきである。
��
S2は少し混乱したようだった。算数と数学が同じように使われることを説明してから、テキストを見るよう指示した方がわかりやすい。
��
本語文のなかに英単語を使用。「同じです」という日本語のみのインプット修正も可能であったはずである。
考察・結果⇒
初級クラス3名の中では能動的学習スタイルであるS1の発話だけが目立ち、文字化資料を通してみると、全体的に学習者からの発話が少ない。原因の一つとして、媒介語を使用している個所が、必要不可欠な個所というよりも、むしろ英語で付け足しや簡素化しなくても日本語で事足りたところで使用されていることがあげられる。
・教室活動の説明部分においては、英語で十分な説明を与えた方が学習者の理解がスムーズに得られるのではないだろうか。逆に例を与える際は、日本語文に英単語を織り交ぜて、わざわざ語の確認をするのではなく、一文最後まで日本語文を提示した後に、適宜英訳を付け足す方が、授業に必要なリズムやテンポに支障をきたさないのではないだろうか。
<授業�供筺�
助数詞導入部分
T :はい、いいですか。では、今countingしています。←簡素化 例��
〔SAは1〜10まで日本語で数える〕
T :when you
count something in general, you can use ひとつ、ふたつ、・・・
〔一つ〜十まで板書しながら紹介する〕
S2:きゅうつ?
T :this is
also different.
T :〔ローマ字を板書しながら〕ここのつ
SA
:あー、ここのつ。
S3:とお。
T :はい。いいですね。
T :ここ見てください。
T :これはjust for referenceです。今日はしません。←簡素化 例��
�ΝА(庫〕儻譴簗世蕕�に難しい語彙(この場合「参考までに」)の場合は、授業�気両豺腓箸楼磴ぁ◆覆△┐独�音を日本語化したり説明を長くしたりするよりも)上記の例のように英語を使用し簡素化したインプット修正を与ることが、授業自体の消化不良の予防につながるのではないだろうか。
会話導入部分
〔モスバーガーでの会話を導入〕
S1 :so they
ask you こちらでおめしあがりですか?
S2 :and you
can say …how do you say I eat it here?
S2
:おもち・・あ・・が・・?
T :you just say はい。
T :so, you can
answerはいorいいえ,もってかえります。〔ひらがな板書しながら〕
S2
:いいえ、もってかえりです!〔ひらがなを読んでない〕
T :いいえ、もってかえります。〔ローマ字を板書しながら〕←付け足し+recast[1]例��
T :いいえ、もってかえります。
�─,劼蕕�なが苦手であるS2は、音だけに頼っている傾向があったため、ローマ字表記を加えるという付け足しのインタラクション修正を与えた。そして板書をすると共に、正しい形に言い直した。学習者に適した修正を与えられた例である。
会話練習部分
T :じゃあ、S1さんは、何をオーダーしましたか。
S3
:<3秒>
T
:S1さんは、チーズバーガー?ハンバーガー?コーラ?ポテトのS?何をオーダーしましたか? ←言い換え 例��
S3
:<2秒>
T :what did she oder? ←言い換え 例��
S3 :oh,
ok,uh・・・
T :これで、オッケーですか?〔レアリアを示し、「これを使ってください」と言いたい〕
↑過剰な簡素化 例��
S3
:チーズバーガー一つと、ポテトのSサイズ一つと、コーラのMサイズ、OK?
T :はい。S1さんあっていますか?
S1 :はーい。
T :S3さん、次です。こちらでお召し上がりですか?
S3
:あー、フレシュバーガーの<*>
T
:<*こちらでお召し上がりですか?>←繰り返し 例��
T
:こちらでお召し上がりですか?〔板書したものを指す〕とにかく繰り返す
S3 :oh、はい。
〔会話練習が続く〕
��
媒介語を比較的文単位で多用し、導入や会話の説明をしていた授業�兇料鞍召蓮�学習者の反応もよく全体的に能動的でクラスの雰囲気もよかったが、後半になって上記のような質問の仕方(インタラクション修正の与え方)をすると、突然今までの雰囲気やテンポが崩れた。
能動的スタイルの学習者の場合、簡素化されたインプット修正を与えることをあまりに控えると沈黙してしまう。
��
基本的に能動的スタイルの学習者には、少しつまっているようなら、この場合媒介語を与えた方がよいのではないだろうか。教師の質問に答えられないことによって、情意フィルターが過剰に働いてしまう恐れがある。
�� 英語ではなく、日本語で理解可能な語彙を使って、指示をしようとし出てきた言葉だが、これでは日本語でも意図が伝わらない。誤ったインプットである。
教師が「OK、オーケー」を多用するため、学習者も「OK」は日本語でも使用可能だと過剰一般化している観が否めない。会議などフォーマルな場や目上の人には、OKやオーケーは使わない方ため、授業などフォーマルな場でも使い過ぎに注意しなければならない。
�� 学習者は教師の意図どおりの反応をしない。ここでの一番簡単な解決方法は、英語で「ここで、食べますか持って帰りますを言うように」という簡素化的な指示を再度与えることであっただろう。そうすることによって授業のリズムも狂わない。
一連のインタラクションの中でS3の理解が乏しいという判断が出来たはずである。しかし、ここでも媒介語の使用を避け繰り返しのインタラクション修正を与えることによって、学習者から表現を出させようとしている。S3の学習スタイルや授業の雰囲気を考慮し媒介語を使用した方が賢明であったと思われる。
授業終結部分
〔授業に関連した内容を用いて学習者とのコミュニケーション〕
T :何が好きですか。
S2:おおきいのハンバーガーが好き。
T :大きいハンバーガーが好きですか?←recast 例��
S2:はい、大きいハンバーガーいつも食べる。
T :それでは、S2さん、最後にorderしてください。← 不必要な簡素化 例��
〔S2のオーダーが終わる〕
T :you
think!←繰り返し 例��
T :じゃ、今日モスバーガーに行きましょう。今日のレッスンは終わりです。
�� 会話の流れを妨げることなく、フィードバック(recast)がうまく作用した例である。
�� 授業�気砲�いて提示した例と同じである。
日本語で外来語として定着しているものを、日本語化した発音では分かりにくいのではないかと考慮し、わざわざ英語の発音に直しているが、日本語文としては不自然である。文法用語や難しすぎる語彙以外、授業という場においては日本語文中に英語を織り交ぜるのではなく、日本語を一文言ってから適宜英語文を言う。
(授業はあくまで、意図が伝わればそれで良しとする通常のコミュニケーションとは違うという意識を持たなければならない。)
���鯵惱�内容が終わって、授業の終結部分はレッスンというよりも学習者とのコミュニケーションを重視している。その際、学習者の母語である英語を意図的に使うことによって、お互いの心理的距離を縮める効果がある。つまり、「いいですね。」と日本語で言い換えてはいるが、最初に英語で”perfect”と言っていることから、これは意図したインプットではない。同様に、最後の学習者の発話を繰り返すような�阿糧�話も、心理学上二者間の心理的距離を縮める効果があると言われている。
考察・結果⇒
授業�気犯羈咾掘⊆�業�兇料鞍症�分は導入や教室活動説明の際に、ある程度媒介語を使用していた。文字化資料を見ても、このレベルにおいてはクラスの雰囲気が和やかになり、学習者の反応が豊かになっていた。後半部分は、日本語を押しと通そうとしたことが裏目に出て、全体的に授業のリズムやテンポなどが悪くなり、それがクラスの雰囲気も悪くしていた。
・
媒介語を使用したインプット修正には使い分けが必要である。無暗に媒介語を使用し簡素化するのではなく、基本的には文法用語、または授業内容とは関係のない難しい語彙だけを簡素化するようにする。
・
学習者の個性や学習ストラテジーは様々である。それぞれの学習者に応じたインプット・インタラクション修正やフィードバックの与え方を教師は把握しなければならない。
・
授業終結部においては、学習者と教師との心理的距離を縮める効果があるため媒介語の使用は非常に効果的であると思われる。また例として提示はしていないが、ウォーミングアップの際に媒介語を比較的多く使用することによって、学習者がリラックスし、学習項目に移っても和やかな雰囲気で授業が進められる。
<授業�掘�
時間表現に関する追加部分
T :午前 means am and 午後 means pm.
S4:go go〔笑い〕
T :go go〔笑い〕、はい、午後ね。←確かめ 例��
�院仝畍紊髪儻譴�goをかけている。これは、学習者自らが考えた連想による記憶のストラテジーのいい例である。教師がそれをリピートすることによって、その発想を誉めているというメタ言語例であり、媒介語と関連させることによって何かしらの記憶につながるということをしめしているのではないだろうか。しかし、学習者が間違って覚えるといけないので、音声的な確かめのチェックをしておく必要はある。
考察・結果⇒
ゼロ初級の授業は、英語発話型に学習項目である(またはあった)日本語が織り交ぜられていたため、一番大切な学習項目や練習の説明などにおいて、学習者は混乱することなくその時々の授業の学習項目を身につけられていた。インプット・インタラクション修正によってi+1のインプットがあったかは不明だが、最低限学習項目は着実に頭に入っていっていたので1週間のゼロ初級の授業においては英語発話型の授業が好ましいのではないと思われる。
つまりゼロ初級の学習者にとっては次のような学習環境がよかったのではないだろうか。
・
英語発話型であるため日本語語彙レベルは限られているが、英語においては自然なスピードで話され、授業のテンポ・リズムがよい。
・
意味確認のための英語による訳が文単位で多用される。
4.
結論
以上のように、実習授業の文字化資料を検討し、理解度を高める上で有効であるとされているインプットやインタラクションの修正、またフィードバックについて、媒介語使用という観点から分析した。今回分析対象となった初級とゼロ初級クラスのように日本語能力がまだ低いクラスにおいては、(学習者の母語が統一している場合)媒介語による複数のタイプの修正が非常に効果的であるという結論に至った。それらを適宜使いこなすことによって、理解を促すだけではなく、学習者の情意フィルターを下げる効果あるとが期待してもよいのではないだろうか。ただ気をつけなければならないのは、あまりにも媒介語での修正を与えすぎると、修正自体が授業での英語使用を助長する原因となってしまい、学習者の(i+1)インプットの機会を奪うことにもなりかねない。したがって、媒介語によるインプット・インタラクション修正やフィードバックをする際には、どの部分でどのように使用するか熟考されなければいけない。
以下は、筆者が考える学習者(ゼロ初級・初級前半学習者)にとって妥当だと思われる媒介語の使用場面、使用法である。
<授業場面別>
・
ウォームアップ/終結部→授業項目とは直接関係のない話題においては媒介語を使用
(ただし、復習においては日本語で)
・ 学習表現導入部分→媒介語を多く使用(始めは理解可能なインプットを与えることが必要であるため)
・
練習の説明部分→説明を明確にするため媒介語を多く使用
・
練習の展開部分→媒介語はできるだけ控える
<どのように>
・
教師の発話は基本的には日本語と英語発話に分かれ、混在がほとんど見られないようにする。
・
日本語発話は、文構造が学習者のレベルに合わせた単純なものとし、はっきりと発音するようにする。
・
英語発話は、導入や教室活動の説明、また学生との心的距離を縮める目的で使用する。
・
学習者の個性や学習ストラテジー、能力に応じて媒介語を与える。
5.おわりに
語学の授業における媒介語の使用が、有効に働く場合とそうでない場合があるということは言うまでもない。そのような既存の言説がある上で、本稿は、インプットやインタラクション修正、フィードバックにおいて、どのように媒介語を使用すれば有効に働くかという筆者の疑問を検討した一考察である。経験不足からそれらを適当に与えられる場面は多くなかったが、客観的に自分の授業を分析し失敗例を検討することは、今後の授業において非常に有意義なものになることは間違いない。今後も媒介語使用や修正の方法を意識しながら、学習者にとってよい授業というものを検討していきたい。
注[1]
学習者の誤りを訂正するため教師の発話“recast”はCorrective
feedbackと呼ばれ、非明示的なフィードバックにより会話の流れを損なうことなく学習者の誤りを訂正することである。
参考文献
渡辺時夫・永森正治・高梨康雄・斉藤英二(1988)『インプット理論の授業』三省堂 成田真紀(1998)『「理解可能なインプット」と情意変動の相互作用調査に関する一考察― 初級入門期の「こそあ」の指導法を通して ―』名古屋大学日本言語文化専攻夏季教育実習
Krashen, S. (1985) . The input hypothesis.