(本講座の特色) |
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玉岡賀津雄 本講座教授 ヒトの言語認知的処理モデルを構築していくことを目的として,言語研究を「直感」ではなく,「実証」的に行うための方法を模索してきました。母語および外国語の言語理解について、心理言語学的な実験的アプローチ,多変量解析による心理測定的アプローチ,コーパスから得られたデータを活用した共起頻度の解析的アプローチを使って,さまざまな研究を展開してきました。研究は,興味の対象となっている領域の先行研究を読み、そこから問題となっている内容に研究の焦点を絞り込むことからはじまります。多くの論文を読んでいくと、中心になっている問題とそれを巡る諸要因が浮かび上がってきます。それらをまとめることで、研究デザインを考えることができます。そこで初めて、実証的なアプローチによる研究計画を立てることができるのです。大学院の授業では、具体的な言語研究の例を示しながら,仮説の設定、データの収集・入力・分析・図表化・報告、論文の執筆、と一連の研究の仕方を教えたいと思っています。 |
杉村 泰 本講座教授(本講座修了生) 現在、大学院で対照表言論演習を担当する一方、学部では1年生に初級中国語を教えています。中国語の授業では、TPRやゲームなど、様々な教授法を試しています。TPRは聞き取りに効果があると、学生たちにも好評です。ときどき、中国語の授業に大学院の中国人・台湾人留学生が遊びにきて、日本人学生と中国語で交流します。そうすると、日本語よりもむしろ母語である中国語を教える方が難しいことに気付きます。発音にしろ、文法にしろ、なぜその中国語が日本人には難しいのか理解できないからです。こんなことをきっかけにして、対照表言論演習の発表テーマを見つけたり、修士論文の執筆に役立てる学生もいます。言語教育と言語研究は常に車の両輪のような関係にあります。 |
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名嶋義直 琉球大学教授(本講座修了生) 国際言語文化研究科では多彩な授業が開講されています。日本語教育学を学ぶ皆さんにとっては自分の専門や興味とは関係のないものが多いと思えるかもしれません。でも本当にそうでしょうか。日本語教師には幅広い知識や経験が求められます。私は院生時代に受けた「自分の専門とは異なる分野の授業」が後になって役に立ったということを何回も経験しました。どうか自分の専門分野に閉じこもらないでほしいと思います。魅力的で恵まれた,そして開かれた環境の中で,先生・先輩・同期・後輩と議論し合い,幅広い知識と深い専門性を身につけ,日本語教師として活躍してほしいと思います。 |
王 淑琴 台湾・政治大学助理教授(本講座修了生) 日言文では、今までの人生の中でもっとも充実し、楽しい時間を過ごすことができました。ここでは、日本語教師になるための専門知識だけでなく、語学研究に必要な方法論や言語理論などの知識も学びました。指導教官をはじめ日言文の先生方からは、指導面ではきめ細やかなご指導をいただき、生活面でもいつも親切に相談に乗っていただきました。それに、日言文では、各国からの留学生が多く、日本人学生及び各国からの留学生とのさまざまな交流は、私にとって一生忘れられない思い出になります。現在、実際に日本語教育の仕事に携わっていますが、日言文で習った専門知識はもちろん、そこで体験したすべては私のかけがえのない財産となっています。日言文を留学先に選んで本当によかったと思います。 |
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日本語教育学講座ホームページの管理人:杉村 泰 |