takashi's pictureTakashi Wakui's Home           takashi's picture涌井隆の家

What's new

Profile                 

Classes 授業

Recent Publications

Animation
アニメーション

Bicycling 自転車

Stargazing 星見

Links リンク

Essays 文章 作文






















Sheeple

英語に sheeple ということばがあります。sheep と people を組合せた造語です。その意味は、羊飼いの命令に従順に従う羊のように、権威を疑わず従順にひれ伏してしまう人々のことを指します。オンラインのウェブス ター辞典には載っていませんが、オンライン英辞郎には記載があります。頻繁に遭遇する基本語ではありませんが、使う人は使うということばです。

このことばを思い出したのは、武田邦彦さんのブログで次に引く記述に出会いはっとさせられたからです。ちょっと長いですが、引用します。

--------引用始め----------
あれは、そうだったのか! 学者と報道の謎が解ける

あるシンポジウムの後、私は次のような質問を受けた。
「武田先生は、なぜ、リサイクルとか温暖化で、そんなに国と違う意見を言われるのですか? 何が目的ですか?」
質問をした方は学識、人格、人柄、すべて優れた人で、だからこそこのような直接的なご質問をしていただいたのだろう。
私はこの質問をいただいて、瞬時にこれまで長年、疑問に思っていたことが氷解した。それは、私が持ち続けていた逆の質問、
「なぜ、皆さん(主に学者と報道)は環境問題で国の方針に疑問を抱かないのですか?」
というものだった。
長年、不思議に思っていたことがあった。それは私も、そして私の言動を見ている人も、私と意見を異にする人も、ともにお互いに理解できなかったことだった。
-------引用終わり----------

質問をした学識高い先生が誰なのか興味津々です。武田さんはふざけた質問とバカにしておらず、そこが武田さんの人間としての品性の高さを表していると思い ますが、実際ふざけた質問です。学識ある偉い先生なのですから、国と武田さんの意見が真っ向から対立しているのなら、どちらが正しいのか自分の頭でよく考 え、その上で、理解できない点を武田さんに問うべきでしょう。その手続きを踏まずして、武田さんに何か隠れた意図があると勘ぐるというのはちょっといただ けません。この先生の態度は、HIV/AIDSについて書いた別稿でも述べたあのイギリス英語を喋る先生(名前は忘れた)の態度と酷似しています。定説で は、HIVウイルスはRobert Galloが分離培養したことになっていますが、その定説に疑問を抱いた監督のBrett Leung さんは、あなただったら、どのようにして分離培養しますかと問うているのですから、その質問に誠実に答えるべきではないでしょうか。この先生も、武田さん に質問した先生も、定説だからあるいは教科書に書いてあるからということで正しいと信じこんでいます。権威に疑いを抱かない、sheeple だということです。

なるほど、武田さんが学識があると認める偉い先生ということは、私などより百万倍学識が高いはずですから、それでもsheepleだということは、普通の人がsheepleなのは、至極当然であるということに合点が行きました。

英語では911やHIV/AIDSの公式説はおかしいよ、と論じている活字音声映像情報はごまんとあります。私の英語の授業でも使っています。大抵の学生 は、私が指摘するまで、公式説しか聞いたことがありませんから、最初は半信半疑ですが、圧倒的な証拠を見せられると簡単に改宗されていくように見えます。 そうなると、教員である私の方がかえって心配になります。なぜなら、本当に自分の頭で考えて理解しているのか不安にになるからです。反論もほとんど出ませ んから、こちらから本当に疑問はないのと念を押さなければならないほどです。今までは、日本社会という枠の中でsheeple だった学生が、私の授業というある意味での権力構造(私の言うことをハイハイと聞いておればいい成績が取れるカモ、という意味で)の中でsheeple になっているだけなのでは、と考えると真実を伝えるのがいいことなのかどうなのかという疑問も涌いてきます。

名大の学生は、疑問を持っていても授業の中で手を上げて質問するというのが苦手です。教員である私が何度も本当に質問はないのかと念を押し、それでもだめ なら、個別に指名して質問しろ、と言わないと質問しません。しかし、疑問を持っていない訳ではないというのは授業のあとで個別に質問に来る学生が時々いる ということでわかります。ひとり、授業の後で、あっと驚く質問をする学生がいました。

「先生、いくつかのサイトを紹介してくれたけど、それはアメリカでは有名なサイトなんですか?」

こんな質問は想定外だったので腰を抜かしました。内容について説明して細かい議論を授業で吟味した後で、このような質問をするというのは、自分が sheepleであることを全く自覚していないということになります。意見の内容やその論理的整合性より、発信者の権威や知名度の方が重要なのです。この 学生には心底仰天しましたが、武田さんの上のはなしを聞くと、彼が偉いと考える大学の先生でもあの調子なのですから、名大の一年生がそのような質問をして くるのは全く不思議でも何でもないと今納得しています。

今、日本が危機的な状況にある中(福島だけではなく、もんじゅも事故がありその担当者だった課長が最近自殺したということです)、武田さんのブログは頼り になります。福井の原発がこけても名古屋市民の水と食物は放射能から守ると宣言しておられるので、期待しています。(March 2011)



copyrights Takashi Wakui