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児玉龍彦さんの怒り

福島原発事故以来様々なネットビデオクリップを見ていますが、児玉さんほど怒りを爆発した発言を聞いたことはありません。ツイッタでも評判になり、その 後、Ustream 上で津田大介さんとのインタビューが実現しました。

時には感情を爆発させることは重要です。児玉さんは、最初の15分の冒頭陳述で国会議員の怠慢について叱責し、その後、福島県選出の自民党議員に対して、 行政が除染を始めないことにいらだちを爆発させました。福島の母親向けに説明会を何度開いても全然安心してもらえないがどうすればよいだろうか、とい う問いに、児玉さんは、安心してもらうためには、行政が真摯に線量測定と除染に最善を尽くすしかないだろう、とその議員の温情主義に対して怒りを爆発させ ました。その議員にとってはいい薬になったと思います。あたかも福島県の線量がそれほど高くないというような口ぶりでしたから、理屈が通じないアホには、 感情を爆発させて、こちらのいらいらをぶつける以外の選択肢がない場合もあります。感情の露出は時には逆効果になることもありますが、今の日本では明らか にアホな専門家が、冷静に、さも自信ありげに頓珍漢なことを言っていますから、徹底的に強く反論する必要があるのです。

人は論理で動かず、感情で動くものだとつくづく思います。人生の岐路に立って、AかBを選ぶという選択を迫られた場合、感情でどちらかを選ぶかあるい は、決断できず、どちらも選ばないというのがよくある帰結です。ある高名な原子力推進派の学者が、広島・長崎の被爆者の中に原子力推進派が多いことについ て述べ、それはあの出来事を経験して原子力を平和的に利用しなければならないと強い決心をしたからだとかなんとか、語っていましたが、これなど感情以外の 何でもありません。論理的に考えれば、日本の原発は、『原発震災』の石橋さんが言っているように、地震付きの原発なので、英仏米の原発と全く意味が違っ ており、賛成する理由がありません。またテレビに出ていた北大の原子力推進派の先生は、日本はエネルギー資源に恵まれていないので、安全な原子力発電を開 発する義務を世界に対して負っているとまで言いました。これも感情以外の何でもありません。このような感情に基づいた強い信念に対抗するためには、論理に よる説得ではなくて、感情の爆発しかないのかもしれません。

児玉さんが参考人として呼ばれたのは、7月27日の衆議院厚生労働委員会です。 他に、唐木英明、長瀧重信、今中哲二、沢田昭二、明石真言の5人が呼ばれています。私は最初児玉さんの証言だけを聞くつもりだったのですが、面白いので3 時間強全部聞いてしまいました。ICRPの教科書をなぞるだけの人、自分の意見を聞かれているのに、WHOやIAEAの公式見解であると政治家の言い逃れ のような答弁をする人、児玉さんのように感情的にはならないが、淡々と決定的な批判を繰り出す人。誰がアホで誰が信頼に値する人であるのか、これほどはっ きりわかる公聴会はありません。お勧めです。Chris Busby (ECRR) と Jack Valentin (ICRP)の公開討論会(スウェーデンで収録されたもの)がネットにころがっているので、それもお勧めです。衆議院の委員会では沢田昭二さんがECRR の立場を表明しています。ECRRとICRPの対立については、日本人は被爆者として当事者ですから、自分の頭で考えて結論を出すしかありません。 ECRRとICRPの決定的な違いは前者が hot particles (放射性物質を大量に含む塵)を問題にするのに対して後者は話題にしないというところです。アメリカのArnie Gundersenさんは、アメリカの西海岸の住民は東京の住民と比べると半分ほどの数の hot particlesを吸い込んでいると語っていました。なるほど、だから西海岸でも幼児の死亡率が上がったのですね。
(August 2011)

追記:日本の地震付き原発についてですが、チェルノブイリも実は地震だったという説があります。ネットにドキュメンタリが転がっています。それが正しいと すると何故隠されたのでしょうか?当然、日本の原発開発を続けるためです。ことほどさように、原発に関しては情報の隠蔽、議論の回避が尋常化しています。



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