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防塵マスクと自転車乗り

最近、アメリカのN95規格の防塵マスクをつけて自転車に乗るようになりました。理由は、ふたつあります。一つ目は、知り合いのロード乗りが肺炎で病院通 いをしたという話を聞いたからです。名古屋の空気は決してきれいだとはいえません。ロードバイクで車道を走ると、その間車の排気ガスを吸っていることにな ります。短時間なら大したことはありませんが、長年にわたると肺に大きな負担をかけているのは間違いありません。

2つ目の理由は当然のことながら、放射能です。福島の原発は未だに大量に漏れているので空気の中にも放射性物質がついたほこりが漂っているはずです。もち ろん、地表にも多く積もっており、風やタイヤの回転で拭き上げられます。車を運転しているのなら、フィルタでいくらか除去してもらえますが、自転車乗りに はマスクしかありません。

使ってみての感想は悪くありません。普通の花粉症対策マスクでも塵の吸引を防ぐ効果はありますが、防塵マスクはゴムバンドで顔に密着させるので漏れませ ん。それに、普通のマスクだと、唇が密着してべたべたになりますが、防塵マスクだと唇とマスクの間に空間ができるので、ベタベタ感が緩和されます。結構気 に入っています。

実は、自転車乗りの間では車の排気ガスから肺を守るための、自転車乗りに特化したマスクが売られています。街でもごくたまにそれをつけてロードバイクに乗ってい る人を見かけます。色が黒っぽく顔の下半分を隠してしまうので、ヘルメットをかぶって、このマスクをつけると何というか、仮面ライダーのような様相です。 私も、昔からこのようなマスクの存在は知っており、購入を考えたこともあったのですが、値段が高いこともあり踏みきれませんでした。しかし、今回の原発事 故騒動があり、色々ネットで調べたところ、N95とかDS2とかの規格のマスクが十分安くて効能もありそうだということで決めました。『放射能で首都圏消 滅』という避難マニュアル本にも推奨されています。

ちょっ と脱線しますが、この『放射能で首都圏消滅』という本はおすすめです。日本政府の原発政策がダメダメなのがよくわかります。日本は『万葉集』から現 在に至るまで言霊が支配する国のようです。原発は絶対安全ですというマントラを唱えておれば、現実にも甚大な事故が起こらないという、馬鹿げた信仰が21世紀になっても 技術エリート のオツムを支配していたとは。自然エネルギー促進の活動家である飯田哲也さんは、以前原子力ムラで働いていましたが、使用済み核燃料の「貯蔵」という言葉を「柔軟的管 理」と言い換えさせられたことがあったりして、あほらしくなって辞めたそうです(7月2日、毎日新聞朝刊)。使用済み核燃料を全量再処理する「核燃料サイ クル」が日本の「国策」なので、貯蔵と言うと全量再処理と矛盾するように受け取られるから言葉のマジックで誤魔化したわけです。ことばで誤魔化せば現実の 難問 を解決せずに先延ばしに出来るという何という無責任(他にも確か後藤政志さんが言ってましたが、severe accident の誤魔化し翻訳が霞が関で通用していたらしいです)。実は、私はこの国がアメリカとかフランスならここまで原発が怖いと思わないだろうと思うのです。日本はこのよ うな思考停止エリートが原発を動かしているから怖いのです。キヨシローが歌っているように、卑怯者には守れねえ、守ってほしくもねえ、が本音で す。

防塵マスクに話を戻します。ロードバイク乗りに特化したマスクは排気ガスを遮断するという目的もありますが、肺に負荷をかけることによって、肺機能の能力 を高めるという効果もあります。レースに出る選手がその目的のためにマスクをつけて訓練しているのを山で見かけることもあります。同じ事は防塵マスクにつ いても言えます。という訳で、防塵マスクをつけるといかつい形相になり、始めの頃は少々ためらいがあったのですが、今では肺を鍛えているのだと言い聞かせ ています。(July 2011)


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