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様々なテレビ討論番組

国営フランステレビの討論番組について書いたので日本の討論番組についても書いてみたいと思います。様々な討論番組の中から、朝生とNHKの討論番組を取 り上げたいと思います。

個人的には朝生という討論番組を最後まで見た経験がありません。最後まで見ないものの見始めた経験も回数が限られていて全部で5回もないと思います。何故 かというと最初の2回ぐらいでホストのダメさに気づいて見ることをやめたからです。最近は、ネットで知り注目している飯田哲也さんなどが出演するというの で、見始めたことがありますが、ダメダメなホストの進行に嫌気がさして見限りました。あのホストは明らかにでしゃばりすぎです。専門家にじっくり議論させ るという態度がそもそもなくて、貧弱な自分の知識をひけらかしたいようで困ったものです。もっと若くて優秀な人がいるはずなのにあの人がずっと番組のレ ギュラーだというのは不可解です。テレビジャーナリズムの世界で親分になってしまったので誰も降板させられないからなのでしょうか。視聴者の大多数がダメだと 見なせば、即降板ということになるはずなのにそうならないところを見ると視聴者の殆どが彼を支持しているということなのでしょうか。それが事実とすれば、 そう考える視聴者に私は同意することができません。私が討論番組に望むのは専門家の深い議論を上手に進行させていく力量です。別にホストの意見を知りたい とは思っていません。

朝生に比べるとNHKの討論番組の進行はまだましです。でも私の場合、NHKの討論番組も最後まで見るということが殆どありません。その理由は、実質上国 営テレビ局なので、国策に合わせようとして予めシナリオを用意しているというのが見え見えだからです。原発論議など、反原発論者が反論のするどさを増し始 めたなと思ったらぷっつり切られます。そして推進派の学者にか細い反論をさせる。見ている方としては、何故ここまでして、がっぷり四つである印象を与えたいのか、ホスト の意図を勘ぐらざるをえません。

日本の原発は震度6でアウトなので、まともに議論したら推進派が圧倒的に不利になるのが論理的帰結です。推進派と反対派が五分五分でがっぷり四つで組み 合っているという印象を与えたいNHKのホストは、地震がないドイツですら、市民の圧倒的多数が原発反対であるという事実をどう考えるのでしょうか。地震 の心配がないドイツでなら専門家に侃々諤々の議論をさせれば、勝敗つけがたい結末になるかもしれないというのは想像できます。私もドイツに住んでいるのな ら原発問題について中立であるかも知れません。そんなドイツ人ですら現時点で圧倒的に反原発であるという事実は、日本人が無視できるようなものではありま せん。日本の推進派には福島事故が起こったから感情的な反発をしているのだと一笑に付す人もいるのかもしれませんが、ドイツ人を馬鹿にしてはいけません。 日本人とドイツ人の教育水準を比較して日本の方が高いなどと豪語できるような状況ではありません。教育学者に聞けばわかりますが、日本人の教育水準は下降 傾向にあるのではないでしょうか。私を含め多くの人は福島原発が爆発した後、ドイツの気象台が公開していた放射能飛散シミュレーションに毎日お世話になってい ました。Speedi のデータがあっても市民に開示しなかった日本と、外国で起こった事故なのに毎日計算して日本人向けに公開してくれたドイツとどちらが頼りになるかというとドイ ツの方に決まっています。

何度も書いていますが、もうテレビは終わっています。テレビの討論番組を見るくらいなら、時間の制約にそれほど縛られないネットビデオの討論を見るべきで す。原発問題に関しては、Ustream で見られる「みんなのエネルギー環境会議」の討論会が有益です。議論の深まりはテレビ討論番組と比べて段違いです。討論番組はそもそも情報の開陳の場であ るべきで、勝敗を決する場ではありません。ホストが貧弱な意見を披露する場所でもなく、シナリオに沿って議論を誘導する場所でもありません。専門家に自由 に討論させる場所です。具体性が増せば増すほど議論の価値が上がります。抽象的な議論など誰にでも出来ます。
(Dec. 2011)



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