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HIV/AIDSとプーチン

またまたHIV/AIDSを話題にします。作文のネタが溜まっているのでさっさと片付けモードでやらないと先に進めません。

以前紹介したI won't go quietlyという映画はおすすめです。ただ、恐ろしい映画なので覚悟して見てください。こ ういう現実をつきつけられるとマーチン・スコセッシのマフィア映画なんて子供 だましだね、という感想しか出てきません。私の知り合いでフィクション映画の見過ぎで本物のドキュメンタリを見ても現実だと理解できない人がいま す。世界の一流大学を出ている教養人ですが、一体頭はどうなってるんだろう、と思います。

I won't go quietlyというのは、以前紹介したKarri Stokely のことばであることが判明しました。ネットで彼女の証言が聞けますが、映像のいくつかはこの映画のために撮られたものでした。私は別のルートから彼女のこと を知ったので、映画自体を見たのは数カ月前です。ドイツの映画ですが、アメリカ人のKarri Stokely の運動がきっかけになっているようです。彼女の他に、オーストリア人、ノルウェー人、ロシア人が出てきます。ドイツ語ができる人は、原語で、英語の字幕が読 める人は字幕付きを見てください。日本語の字幕付きはありません。

映画の中でドイツの厚生省関係の役人が出てきます。ドグマに懐疑的な質問者に対して、症状があるんだから、それを引き起こす病原体が存在するんだ と言い張っています。そうでしょうか。薬物の乱用による免疫システム崩壊はどうでしょう。放射能も関係しているかもしれませんね。でも放射能を話 題にすることはタブーでしたね。70年代以降90年代までにおける、欧米大都市に見られた男のゲイの一部の人たちのライフスタイルを話題にするこ ともある意味でタブーです。でも、事実はタブー抜きで語らないと、理解できません。保守やリベラル、左や右などのPCに拘っていては事実は理解で きません。頭を空っぽにして、PCを忘れてこの映画を見てください。日本人である一定以上の年齢の人は、日本で大きな話題になった「薬害エイズ事 件」にまつわる情報が先入観として入っているので、正しい理解が余計に困難になります。感染症についての先入観をすべてカッコに入れて映画を見て ください。

この映画にはプーチン自身は出てきませんが、彼がHIV/AIDS問題についてどのような対応をしているかがわかります。西側のジャーナリストが 彼にロシア政府がエイズ研究に資金を投入する予定はあるかと聞いたところ、ロシアにはエイズが蔓延してはいないと言い放ち記者会見の場を去ったと いうことです。これを知って、なるほどプーチンは本当のことを知っているな、と理解できました。しかし、映画を最後まで見れば分かるように、ロシ アの医療現場においてもHIV/AIDSのドグマは生きています。オーストリア、ノルウェー、ドイツ、アメリカ、と同様にです。プーチンのような 「独裁者」でも現場に彼の意志を反映させることができないのです。ロシアは腐敗した西側が押し付けるグローバリズムに抵抗しています。そういう意 味で私はロシアをある意味で応援していますが、グローバリズムが腐敗まみれなら、一人の賢い独裁者がいたところでなんともならないのが恐ろしい世 界の現実です。

西側のロシアバッシングは止むことがありません。ドーピング疑惑なんて新聞の情報を真に受けて居れば、ロシアというかつて暗黒のソ連だった国は 真っ黒で、それに対峙する西側は正義の味方に見えてくるのでしょう。印象操作に気づかない殆どの人は、これから高い確率で起こるだろう西側とロシ アの軍事衝突において何の疑いも抱かずに西側を応援することになるのだろうと思います。愚かな平民は未来永劫にわたって騙され続けるのでしょう か。

私が政治ジャーナリストだったら一番インタビューしたい政治家はプーチンです。次のBBCの記者よりはずっとマシな質問ができるのは間違いありま せん。


(August 2016)



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