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嘘ばかりの一年

これが今年最後の作文になるかどうかはわかりません。テーマを決めずに行きあたりばったりの作文を始めます。しかし、一年の短さは年を追って加速 しています。これを数十回繰り返したらあの世に行くんだ、としんみりした気分になります。その昔、アメリカのオレゴン州に交換留学していた時、た またま大学に来ていたラルフ・ネーダーの講演に行ったことがあります。彼は人生は3万日ほどしかないんだ、社会の不正と戦って悔いのない人生を送 ろうではないか、と若者をアジっていて、彼の情熱に圧倒されたのをよく憶えています。ネーダーはまだ存命で精力的に活動しています。私はあれから ウン十年と生きて来ましたが、彼の数億分の一も社会の役に立っていません。情けない話です。ネーダーは大統領にはなれませんでしたが、彼の貢献を アメリカ人は忘れるべきではありません。彼がいなかったら車はもっと危険だったし、川の水はもっと汚れていたでしょう。

パリで大きなテロ事件が起こりました。新東京タワーはフランス国旗の三色を彩ってフランスへの団結の気持ちを表したそうです。野蛮なテロリストは 許さないという意志の表明なんでしょうか。「テロ」を糾弾して、フランスのような「文明国」に連なりたいということなんでしょうか。呆れます。

2001年9月のNYテロ事件からもう15年近く経っているのに、今だに騙されていることに気づいていない人が多いのには驚きます。上の上ではプ ロパガンダを流していることに自覚的でしょうが、大多数は気づいていないか、気づいていても恐ろしいので思考から排除しているのでしょう。パリの テロ事件についてはこれから色々研究が出てくるはずです。911事件や2005年7月7日のロンドン地下鉄テロなどのようにネット上に真相究明サ イトが立ち上がっていくと考えられます。私個人としては、パリのテロ事件については確証はありませんが、極めて胡散臭いと考えています。既成メ ディアが報じる説明は全く信用していません。「テロ事件」が起こったから大手を振るって大都市に厳重警戒体制を敷けるし、国境封鎖できるからルペ ンのような反欧州勢力は排除できるし、体制側が仕組んだと深読みされても仕方がないかなとは思います。大体フランスをやっつけたいのならどうして もっと金持ちがいるところを狙わないのでしょうか。世界貿易センターを狙うほどの狂気の深さがなかったからなのかな、と色々考えをめぐらしたくな ります。

大体、フランスはシリアと戦争中なのです。だからパリがあのように攻撃されても想定内でなければならないのに、大げさに「テロ事件」として扱い、 「テロリスト」達を野蛮人扱いするのは論理的に完璧に破綻しています。フランスとシリアのどちらが野蛮かといえば、そんなのフランス側に決まって います。殺戮の規模が全く違います。それに戦争当事者が最初に行うのは自国民をプロパガンダで騙すことであるという事実を21世紀になっても理解 していない人が多いのは問題です。戦争にまつわる情報はすべてプロパガンダであると考えて疑ってかからねばなりません。戦争遂行者は敵を倒すため にはまず味方を騙す必要があると戦略的に考えています。彼らにとっては騙すことの善悪はどうでもよく、敵を倒すという目的のためには何でもあり、 という方針で動いているからです。ただ、軍人の中には立憲民主主義国家である以上政治家(実際はその裏にいる超権力)が多数決で決めた方針には従 わざるを得ないとシリア戦争にしぶしぶ参加している人もいるでしょう。そのような考えを持ったフランス軍の高官が内部告発者としてネットビデオで 発言しているのを聞いたことがあります。

テレビなどを聞いていると、「シリア内戦」と連呼するのにはいいかげんウンザリです。「内戦と言え」と上の方から指令が出ているのでしょう。その ような指令を出す編集長級の連中は一体誰から指令を受け取っているのでしょうか。「イスラム国」とトルコの国境はスカスカで物資とゼニが頻繁に行 き来しています。「イスラム国」の後ろにトルコ、サウジ、アメリカなどがいることは、周知の事実です。「内戦」なんかではありません。日本がもし 徳川末期に大政奉還がうまく行かなくて、「内戦」状態に入って長引いたとしたら、その内実はフランスが支える幕府とイギリスアメリカが支える薩長 連合の代理戦争となっていたでしょう。そしてその戦争の資金は世界を股にして稼ぐ巨大銀行から出たはずです。もしそうなっていたら日本の近代化は 大幅に遅れたに違いありません。大体、高度な製造業を自国に持たない国が戦争をする場合、戦争の主導権を握れるわけがありません。先の日米戦争が 曲がりなりにも古典的な戦争でありえたのは、日本が自国に最先端の製造業の基盤を持っていたからです。「イスラム国」にそんなものはなく、トルコ に石油を売ってその金でアメリカの武器を買うだけです。それをアメリカは攻撃しているふりをする。このような茶番を日本語ではマッチポンプと言い ます。

リビヤの戦争ももちろん「内戦」ではありません。屁理屈をこねてアメリカ率いる「西側」が主権国家を滅ぼしたのです。「アラブの春」において、ア メリカ率いる西側はたいてい独裁者側についていました。自分に都合の良い独裁者は支援し、都合が良くない場合、反対勢力を裏から支援するという図 式が成立しています。911事件以前からアメリカの政権の中では同盟国以外の中東の国々をすべて滅ぼし中央アジアで覇権を取るんだという目標が掲 げられていたとNATOの最高指揮官であったWesley Clark が証言しています。既成メディアはその情報を決して流さないでしょうが、ネット上で本人の肉声が聞けます。

まあ、ここまで来れば、御用学者ですら現在の中東の戦争が西側対ロシアと中国の代理戦争であることくらいは認めると思われます。しかし、その解釈 において、御用学者であるからにはアメリカ側に都合の良い説明をしないわけには行きません。そうしないことには御用学者から外されてしまうからで す。しかし、どう考えても侵略しているのは西側であり、ロシアは始終受け身に立っています。侵略の事実を覆い隠すために、「テロとの戦争」やら 「世界の警察」やら「パックスアメリカーナ」やらの屁理屈が登場します。最近ではそんな屁理屈に騙される人はどんどん少なくなっていますが、既成 メディアはアホの一つ覚えでプロパガンダの花盛りです。

以上戦争をめぐる嘘について書いてきました。次に、2つ目の嘘について書きます。それは現在の経済システムに関します。

私は日々の相場を追いかけていません。でも、身近に相場で老後資金を作ろうとして成功している人がいるので時々覗きに行きます。バフェットなどの 相場の神様の長期投資が教科書のお題目のように聞かされますが、相場で勝っている人達の大半がすぐれたゲーマーであることは間違いありません。最 近の相場で儲けようとすれば長くても数カ月のスパンでタイミングよく売り買いをするしかありません。バフェットは若い頃には長期投資で巨万の富を 得たのでしょう。しかし、今では政権のインサイダーに近づき、ゴールドマン・サックスのように立ちまわっているようです。株式市場を最初に「民主 化」したのはアメリカで、たしか80年代だったと思います。バフェットはその頃までに長期投資で十分儲けています。脱工業化が主流の今日の西側先 進国ではそのような超長期投資は無理でタイミングよく売り買いを続けるしかないと思われます。カジノ資本主義の実体は万人が認めざるを得ないもの です。

そのような視点で、相場に生きる人達のツイートを覗いていると、この人達根本的に勘違いしているのにやたら上から目線だなという感想を持たざるを えません。彼らに共通しているのは、アメリカの市場が日本や中国の市場より透明性が高いので信頼できるという信仰です。日銀総裁が何か発言すると 口先介入だなどと非難轟々なのに、FRB議長は天上人扱いです。まるでアメリカやイギリスのような「金融先進国」では当局による相場の操作が存在 しないかのごとくにです。事実は全くそうではなくウォール街やシティの腐敗とデタラメぶりは、別に英語のネットメディアを追っていなくても、既成 のメディアでも結構出ていますが、日本の相場師達は日経しか読んでいないのでしょうか。アメリカの雇用統計では失業率が5%だということになって いますが、当局が統計をいじって長期失業者を計算に入れないようにして誤魔化しているというのはネットメディアの外でも比較的よく知られていま す。Liborの相場が操作されているというのは大きなニュースになりましたし、金の相場が操作されているというのも周知の事実です。日本の金融 当局が日銀を使って株価を支えていても何の不思議もありません。というか、相場師は自分自身が当局の相場操作に翻弄されていることを自覚して、儲 かったら当局の介入に感謝し、全財産擦ってしまったら潔くビルから飛び降りてよと思います。リーマン・ショックで資本主義をぶっ潰してしまったア メリカの金融市場を崇めるなんてなんという倒錯でしょうか。

名大キャンパスを歩いていたら、経済学部の学生らしき人が、「経済学をちゃんと勉強したらみんなTPP賛成になっちゃうんだよね〜」などと偉そう に喋っているのを聞いて、おいおいと思いました。「そりゃ名大の経済学部の先生の話を聞いていたらそうなるんだろうけど、Paul Craig Roberts とか Michael HudsonとかTPPに猛反対している経済学者もいるでしょ。名大の先生と議論させたら面白んでは?」と喉から出かかりましたが、黙っていました。TPPが貿易協定であ るだけなら、交渉次第で日本にとって有利になる分野もあるだろうし、自民党は今までどおり、補助金バラマキでどうにかソフトランディングに持って いくでしょうが、TPPの本質はそこにはありません。テレビでは牛肉が何%安くなるとかそんな話ばかりしていますが、TPPの本質は、企業による 国家の権力奪取にあります。議会を通じて企業の活動を規制しようとしても、逆に企業から損害賠償請求されるので民主主義の意味がなくなります。企 業による統治、ファシズムの台頭です。このことは多くの識者が指摘しており、私はラルフ・ネーダーの議論に説得力を感じています。

ただ、貿易協定としてもただならぬ危機感を持ってはいます。知人に米作りの専業農家がいて彼など大きな不安を持っています。機械にウン千万の投資 をしなければならないのに米の値段はどんどん下がる一方です。日本で米作り出来ないなら外国に行くしかないとまで言っています。ちなみに彼は農協 に売る米には農薬をばんばん使いますが、自分の家族が食べる米と野菜は農薬の使用を最小限にして有機栽培しています。名大の経済学部の先生はそう いう意見も学生に聞かせればいいのにと思いますが、一体どういう授業をやってるのでしょうか。

取り留めのない作文は一旦このへんでおしまいにします。

(Dec. 2015)

(追記)アメリカ軍の底なしの腐敗については引退した軍の高官による内部告発が出てきています。Abby Martinが元陸軍大佐のLawrence Wilkersonをインタビューしたのが聞けます。"The Empire's Ship is Sinking"という題名が付いています。リンク切れにな る可能性が高いのでリンクは貼りません。日本の御用学者達は彼の問題提起に答える義務があります。
(追記2)リンク切れ覚悟で貼ります。
 The Empire Files: 'This Ship is Sinking' Says Former Bush Official
https://www.youtube.com/watch?v=kgig1QVU2lY



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