takashi's pictureTakashi Wakui's Home           takashi's picture涌井隆の家

What's new

Profile                 

Classes 授業

Recent Publications

Animation
アニメーション

Bicycling 自転車

Stargazing 星見

Links リンク

Essays 文章 作文




















エイズ統計の嘘

House of numbersというすぐれたドキュメンタリ映画について何度か書きました。観ても理解できなかった人がいるかもしれないので手短に追加説明します。

House of numbersという題は英語の慣用句であるhouse of cardsという表現をもじって作られています。house of cardsというのはトランプのカードで作った家、つまり軽く突付くだけで倒れてしまうような脆い構築物を指します。日本語では「砂上の楼閣」という表現がそれに近いで しょう。ですから、house of numbersというタイトルには、HIV/AIDSをめぐる数字、つまり、統計がでたらめであるという意味が込められています。実際、映画の中で、WHOの元職員で HIV/AIDSの統計に関する仕事をしていた人の証言が聞けます。中国系英語人(おそらくアメリカ人)の人です。彼は、HIV/AIDsの統計 は、AIDSの定義が国によってあるいは時代によってころころ変わるので意味がないと言っています。この映画にはレトロウイルスの専門家、ジャー ナリスト、医者、ノーベル賞受賞者などなどドグマ側反ドグマ側を問わずたくさん登場しますが、彼は内部告発者と言っていい人です。何度も書いてき ましたが、内部告発者の声がインターネットで直接聞ける今、既成メディアお抱えの「反骨のジャーナリスト」や「反体制文化人」は必要ありません。 内部告発者の声を直接聞いてください。

統計は行政において大きな意味を持っています。例えば、ゲイの人達が強い政治力を持っているサンフランシスコではHIV検査で陽性が出た人には 様々な優遇措置が取られています。格安アパートの斡旋、障害者パーキングの使用などです。そのための予算措置が取られ利権が生まれます。連邦政府 の補助金もあるかもしれません。アフリカの国々では、感染率や罹患率の数字を高くすれば先進国からの「援助」が増えるので元々いい加減な検査と診 断がさらに出鱈目ぶりを加速させるのは不可避です。内実は、先進国のお金が先進国の製薬会社の懐に入るだけなのですが、先進国の納税者は発展途上 国に「経 済援助」しているから良いことをしているのだと理解している人が大半です。アフリカ側は世界銀行などに借金をして、検査キットやエイズ薬を買って いるのかもしれません。金の出処が借金であってもそれで経済が動き利権の構造が作られます。この辺の事情は先進国でも同じです。例えば、世界中の 国々の国庫を見てみると、潤沢に金があるのは中国やロシアなどだけで、日本やアメリカの国庫には金がなく、国家公務員の給料は借金でまかなってい ます。アフリカと何もかわりません。南アフリカのムベキさんのように賢い人もいたのでアフリカにはHIV/AIDSのドグマが出鱈目であることを 知っている医者も多いと思いますが、病院の経営者なら、ドグマを受け入れれば金が回るので、金を取るか真実を取るかの決断を迫られ、大抵の人は金 を取るのでしょう。

まとめると、科学的には脆弱な基板しか持たないHIV/AIDSドグマは世界経済を巻き込んで強固な利権構造を作ってしまっているので解体するの は容易ではありません。原発産業、ワクチン産業、精神医学産業も似たような構造を持っています。メディアを買収して既成メディアを偽情報で埋め尽 くしているので、嘘に気づいていない人を説得するのも容易ではありません。

根拠が出鱈目でも二桁以上の数字が提示されると何となく信憑性を持ってしまうのが統計の恐ろしいところです。最近では「コーポレートガバナンス」 がう るさくなり、「透明性」を確保するために数字で「エビデンス」を示せという傾向がどんどん強まっています。内部事情を知らず、知りたくもない第三者を説得するためには数字 をこねくり回して印象操作する必要が生じます。超長期的には科学的真実が勝つはずですが、中長期的には悪知恵が跋扈する事態が頻繁に見られるよう になります。哀しいですが、それが我々の生きる世界です。

(June 2015)


copyrights Takashi Wakui