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国の財政破綻と増税

数年前に英語の授業のカリキュラムが変わって、英語による口頭発表のクラスができました。日常会話も不十分なのに学術的な発表なんて無理ではない のかと危 惧がありましたが、パソコンでスライドを作って、図や表を入れたり、数式や化学式を入れると、喋っている英語がいい加減でも、かなり意味は通じま す。

日本が直面する社会問題について発表しろという課題を出すと、何人かは日本政府の財政問題や増税問題について話しました。そのうちの一人の発表に はかなり 驚きました。彼女の論点を箇条書きにします。

*増税はやむをえない。そうしないと財政赤字の累積で社会保障が破綻する。年金制度も維持できない。
*子供の数によって所得税率を変える。子供が多いと税率を低く、子供が少ないと税率は高くする。
*不妊の人は所得税率が高くなって不公平なので国は不妊治療を負担する。

これには驚きました。国家にそこまで介入を許すのですか?ゲイのカップルが子供を育てると所得税は低くなりますか?日本国憲法は同性婚を認めてい ないので 法の下の平等ではないですね。などなど、色々疑問が出てきます。

ちょっと、驚いたので、私は、フォーブス誌のサイトに行って次の情報を見せました。英語でそのまま引きます。

    Almost half of the world’s wealth is now owned by just one percent of the population.
    The wealth of the one percent richest people in the world amounts to $110 trillion. That's 65 times the total wealth of the bottom half of the world’s population.
    The bottom half of the world's population owns the same as the richest 85 people in the world.
    Seven out of ten people live in countries where economic inequality has increased in the last 30 years.
    The richest one percent increased their share of income in 24 out of 26 countries for which we have data between 1980 and 2012.
    In the US, the wealthiest one percent captured 95 percent of post-financial crisis growth since 2009, while the bottom 90 percent became poorer.

最近、30年そこらで貧富の差が拡大して、史上最大になっています。一般家庭の家計や政府にはカネはないけれど、世界の超金持ちや巨大企業には じゃぶ じゃぶお金があります。世界各国の政府はアメリカだろうと日本だろうと欧州だろうと、世界の超金持ちや巨大企業より弱いので、財政が苦しいから助 けてよと要求す ることすら出来ません。というか、政府は超金持ちと巨大企業の金儲けの手先になって動いているだけです。大抵の経済学者はカネがあるところになび いて動く ので、増税やむなしの論陣を張ります。という訳で、政府は取りやすいところから税金を取ろうとするだけです。

生活保護の不正受給が問題になり、立腹する人がいるようですが、米軍の戦闘機のお下がりを言い値で買うのではなく、値切ったり買わないことにした ら、生活 保護のカネなど簡単に捻出できませんか?就職して社会に出れば、世の中には、カネがあるところにはじゃぶじゃぶカネがあって、税金の無駄遣いは山 ほどある ということに気づくはずですが、税金を払ったことのない学生は実感として理解できないので、空理空論に走るようです。今でもぎりぎり生活している のに、 増税されたら生活が成り立たなくなる人が沢山でてくるはずだ、ということにも想像力が及ばないようです。

85人のうち半分は金持ちであることに満足して世界を支配しようという野望はないでしょう。でもその半分は世界を動かすための権力闘争に参加して いると思 われます。世界史の常識によれば、19世紀に奴隷制度は廃棄されたことになっています。でも奴隷的な状況に置かれた人の数は現在のほうが圧倒的に 多いで しょう。

蛇足ですが、日本人の学生はフォーブス誌のことを知らない人が大多数ですが、中国人の学生は全員知っています。日本人は社会に出るまで銭に無関心 な人が多いようです。それがいいことなのか悪いことなのかわかりません。

(Aug. 2014)



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