takashi's pictureTakashi Wakui's Home           takashi's picture涌井隆の家

What's new

Profile                 

Classes 授業

Recent Publications

Animation
アニメーション

Bicycling 自転車

Stargazing 星見

Links リンク

Essays 文章 作文




















御嶽山噴火

書きたいことが沢山溜まっているのですが、夏休みモードになっていました。そんな中この事件が起こりました。自分にとっ てかなり大きな出来事な のでちょっと書きます。

実は噴火した当日山の麓で仲間と星を見る予定でした。噴火の時点で仲間の一人は入山規制になる標高を超えており火山灰でぬるぬる滑る道を下山しま した。噴火のニュースを知ったのはテレビの速報と東海アマさんのツイートでほぼ同時でした。東海アマさんは現地にいる人からの情報を直接ツイート していました。その晩星の観望が出来るか気になり、現地に電話をかけたらもうすでに入山規制がなされていると知りました。噴火してから15分ほど し か経っていない時点なので電話はすぐ通じました。もうしばらくしたらメディアからの電話攻めで話し中になっていたでしょう。

結局、星の観望は場所を変えて行いました。そこで実際登山して9合目まで登ったところで噴火に遭遇し、その日の内に下山した人に出会い色々話を聞 き ました。彼女は頂上で星を見るつもりでこの新月期を選んだそうです。私は登山と星の観望は分けているので、新月期には登りません。彼女は噴火の瞬 間に爆音を聞いていますが、雷が落ちたと思ったそうです。徐々に暗くなったので雨が降ってくるのだと勘違いし、体が灰に汚れていることを知って初 めて噴火があったのだと気づいたということです。それでもしばらく下山する気にはならなかったと言っていました。たぶん、上から急いで下山する人 達が増えてきてやっと事の重大さに気づいたのだと思います。この人や上に書いた滑る路面を車で下山した仲間など、御嶽噴火事件に関しては私 はメディアを通じてではなく現地で噴火を経験した人から直接情報を得ました。車で下山した人からは、車にこびりついた火山灰を50グラムほど分け てもらいました。車の底にかなり大量にこびりついていました。この事件に関してはテレビの情報に接したのは月曜になってからです。

御嶽山は名古屋住民にとっては馴染みの深い山です。冬の透明度の高い日には雪を戴いた壮麗な姿が北に見えます。江戸から見る富士山のようです。名 古屋周辺を自転車で走り回ると御嶽山に向かう巡礼道を示す古い道標に出くわします。御嶽山の麓には星の観望のため年に2,3回は訪れます。開田村 の野菜は必ず買うし、日帰り温泉のやまゆり荘には必ず行きます。噴火の2週間前には 登山もしたので、山小屋の人達の顔が浮かんできます。彼らの生活が脅かされているというのは同情の念しかありません。これだけ火山灰が降り積もっ たので早急に入山規制が解かれるとは考えられませんが、できるだけ早く彼らの生活基盤が回復されることを願っています。

私が噴火の2週間前に登った時は、御嶽の周辺に火山性地震が多発しているという情報は知っていました。それを承知で登ったので、登るのが2週間遅 れて いれば噴火に巻き込まれて死んでしまうという事態になった可能性があります。通常は世界で起きている悲惨な出来事を他人ごとであるかのように接し ていますが、今回は他人事ではありません。メディアで知るより先に実際に事件に遭遇した人から直接情報を得るという経験も今回初めてしまし た。

ネットの威力も今回見せつけられました。実際噴火を経験している人が直接ツイートしているのに噴火直後から接していたし、月曜の時点で6百万ヒッ ト以上を記録している有名なyoutubeの動画に私が最初に接したのはまだ300カウントぐらいしか行ってなかったころです。今ではテレビ局が そのま ま流しています。テレビ局はさすがにヘリを飛ばせるので火山灰の積り具合はテレビを見るのが一番よくわかりますが、現地からの情報は圧倒的にネッ トが早いし正確でした。実際のところ、噴火当初は現地に電話した以外は情報はネットと星見仲間からの情報が頼りでした。2週間前に御嶽山に登った 時は、山頂でスマホをいじっている人を見て、こいつらこんなところまで来て何やってんだと思いましたが、あの質の動画を撮って即座にネットに送れ るスマホは大したものだと思います。避難小屋に走りこんだ後送信したのでしょうが、多分ドコモでしょう。山ではドコモが一番つながります。

今回の噴火で火山学者の早川由紀夫さんのツイートを久しぶりに聞きに行きました。福島原発事故の後、最初に汚染マップを公表した人です。幾つか引 きます。

・あ、気象庁が火砕流だと昨日19時に正式に認めるまで火砕流と報道しようとしなかったテレビ新聞。同じ構図だ。
・20世紀の前半、浅間山では毎年のようにこういうことがあった。遺体を山から下ろすのは地元の人たちが借りだされてやった。自衛隊なんてなかっ た。地元の人はこれを「おてんま」と呼んで、いやがった。
・定量的に言うと、 新燃岳2011 火山灰2000万トン、溶岩3000万トン、死者0 御嶽山2014 火山灰50万トン、溶岩0、死者31+

火砕流ということばを使わなかったのは、川内原発再開問題と関係しているという憶測がネットに流れています。再開容認にあたって桜島が大噴火し ても火山活動は予知が可能だからと規制委員会が強弁したことが問題にもなっています。テレビではこういう話題を扱いませんね。テレビに期待するの はヘリからの画像くらいしかありません。テレビタレントをずらっと並べて情報価値ほぼゼロの番組を毎日垂れ流しにしているなんて、金の無駄遣いだ と感じるのは私だけでしょうか。

(Sept. 2014)



copyrights Takashi Wakui