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『Xファイル』 The X-Files

最近やっと液晶テレビを買いました。20年ほど前に買ったオーディオシステムにガタが出てきて、アンプやスピーカーなどを買い換えるなら、ついでにテレビ も買い換えようと考えたのがきっかけです。アンプやスピーカーは安いけど音が良さそうなのを選びました。CDプレーヤーは分解してレーザーピックアップレ ンズをきれいにしたらそれまで読み取れなかったCDも読み取れるようになったので買い換えず、現役続行です。ネットで調べるとCDプレーヤーは10年も使 えばトレイが動かなくなったりする不具合が出てくると報告されていますが、私が所有するヤマハのCDプレーヤーは20年経ってもまだ問題なく作動します。 アンプは片方のチャンネルが音が出にくい状態でもう駄目そうです。古いスピーカーは高音と中音を受け持つ小さなのは大丈夫ですが、サブウーファがやられて いて、エッジがぼろぼろになっていました。なるほど低音が出ないのはこれが原因だったんですね。ネットで調べると、これは修理出来そうです。と言ってもた ぶん一日がかりなので、機会をみつけて挑戦することにします。直したらバックアップとして使うつもりです。赤道儀のオーバーホールもあるし、我が家にはガ タが来た機械が溜まっています。手をつけたいけど先延ばししています。

というような経緯から最新液晶テレビを手に入れた訳ですが、これが偶然いわゆるスマートテレビというやつで、ネットに繋いで膨大な量の映像にアクセスでき ることになりました。テレビというのはアンテナにつないだり、DVDプレーヤーに繋いだりするものだと思っていましたが、ネットにつなぐと全く別物になる のを知ってかなり興奮しています。メーカーはLGです。ここのテレビは安いやつでも全部スマートテレビ対応です。色もいいし、お勧めです。日本のメーカー は全く太刀打ち出来てません。(LGは気に入ってますが、唯一気に入らないのは、Life's good.という文句です。この狂った世の中、品の悪い皮肉としてしか受け取れません。)

この作文で、『Xファイル』について書くことになったのは、huluにつないで、無料で提供している最初の挿話を見たからです。『Xファイル』というのは アメリカのフォックステレビ制作のテレビドラマシリーズで、一応SFドラマということになっています。最初の挿話の放映はもう20年前です。Xファイルと いうのはFBIが迷宮入りにした事件に関するファイルのことです。最初の挿話しか見ていませんが、事件の殆どは、科学では説明できない超常現象が関係して いることになっているようです。

さて、私が見たのは、地球外生物が精神病棟の患者をあやつり連続殺人を犯すという話です。モルダー捜査官がその事件の記録をXファイルで読んでとりつかれ 実際現場に調査に行きます。FBIはその行為を不審に思い、スキャリという女捜査官を同行させ監視し報告書を書かせるというのが全体の骨子です。オレゴン の森に入ってくと時計が止まったり、方位磁石が狂ったり、様々な超常現象が起こります。ドラマの冒頭に「この話は実話に基づいている」というキャプション が入るので、そのような現象もXファイルには現実に起こった事実であると記録されていると考えていいのでしょうか。最後にスキャリ捜査官は現場で拾った物 質を上司に渡すのですが、それは彼女の話では地球上に存在しない物質で構成されているということなので、どこまでSFのお話なのか、どこまでXファイルの 報告の中にあるはずの科学的分析なのかはっきりしません。というか、視聴者は、実際のXファイルを見ることが出来ないので、この作品や、モルダーやスキャ リを通してしか、その機密文書に接することが出来ません。

まあ、出来の悪いSFドラマだと無視すればいいのでしょうが、私はシベル・エドモンズの手記を読んだりしてFBIについてある程度知識があるので、なぜこ のようなSFドラマが作られるのかについて考えてみたいと思います。

結論を書いてしまうと、このテレビドラマは、FBIをよく見せるためのプロパガンダとして製作されています。シベル・エドモンズの手記を読むとFBIはこ れ以上腐敗させようとしてもできないくらい腐りきった組織です。911事件のようなテロ事件が起こると真っ先に駆けつけ、現地の警察に捜査させないように 現場を取り仕切るのがFBIです。911ではペンタゴンの一角が何か説明できない物質によって破壊されましたが、それが何であるかを究明するためには、ペ ンタゴン周辺に常時作動しているビデオ監視カメラの画像を分析すればいいのですが、FBIはまっ先にすべてのカメラを押収し、その画像を隠してしまいまし た。キング牧師の暗殺にFBIが関係していることは、遺族が起こした裁判で明らかになっていますが、日本の高校の英語の授業では彼の演説を扱っても、その 事実については、教えないようです。文部省検定の後ろにFBIがついているのでしょうか。

第一回の話には、精神病院が出てきますが、精神病患者をモルモットにして米軍なりCIAなりが、薬を開発し(あるいは政府の金で民間の製薬会社が薬を開発 し)その影響で殺人事件が起こったという可能性があります。あるいは、生物化学兵器を精神病患者に投与して殺してしまい、その事実を隠すために宇宙人の仕 業だとでっちあげたのかもしれません。いづれにせよ、殺人事件が起こったなら、犯人としてまず疑わうべきは地球人であり、地球外生物ではありません。 FBIほど腐敗した組織は、報告書も嘘ばかりのが多いでしょうから、優秀な捜査官であるはずのモルダーさんやスキャリさんはまず、Xファイルの中に書かれ た情報を疑うことから始めないといけないのにそうしていません。

最後のシーンで、スキャリさんが上司に渡す不思議な物質は、ペンタゴンが管理する貯蔵庫に収納されます。これは一体何を意味するのか?ペンタゴンがすべて でっちあげた事件であり、FBIは蚊帳の外と言いたいのか?大学に代表される科学者の共同体の外でペンタゴンが独自に地球外生物について研究していると言 いたいのか?謎めいた最後ですが、このシリーズ自体がプロパガンダを意図しているのですから深く考えても意味はないでしょう。

『Xファイル』は有名なので、ひょっとしたら、映像研究学科などから研究博士論文が出ているのかも知れません。私が論文指導教官なら、フォックステレビが FBIからどのような協力を得てこのようなプロパガンダを作ったのか調べて論文を書いてもらいます。

(March 2013)



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