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東京でオリンピックは可能なのか

世界の嘘をテーマに作文を書いていこうと決め、気が向いた時に書き足してきたらもう3年近く経ちました。一年経った頃、どんどん嘘が増えるだろうと予測し ましたが、的中です。

ノーベル文学賞受賞者である大江健三郎によれば、安倍首相は嘘つきなのだそうです。ネット版の東京新聞で知りました。他の新聞は無視した模様です。日本で は誰か日本人がノーベル賞を取ると大騒ぎをします。朝日も日経も彼がノーベル賞を受賞した時は、大きく取り上げたはずですが、首相を嘘つき呼ばわりしても ニュースにはならないのでしょうか。一体、誰がどのようにニュースの価値を決めているのか。

安倍首相によると福島原発の汚染水は外洋に漏れておらず「アンダーコントロール」なんだそうです。だから、日本は安全であり、7年後に東京でオリンピック を開くのは全く問題ないということです。私は、ブエノスアイレスで行われた、東京誘致のためのプレゼンを見ていません。ネットで概要を活字で読んだのみで す。テレビのニュース速報でちらっと見ましたが、どうしてそこまで必死なのか理解できず再放送の類は見ていません。ロンドンオリンピックでそうだったように多くの 地元住民は東京を留守にするでしょう。「テロ」対策のために厳重体制を敷いた警官ばかりの街に誰が居たいと思うでしょうか。真夏の大都会など留守にするに 限ります。(もしテロが起こったら当局の関与を疑ってください。ボストン・マラソンテロを思い出しましょう。)

911同時多発テロの嘘を知らない日本人も、安倍総理のあからさまな嘘に気づいて、世界はどこも同じなんだ、オバマも安倍も何も変わらんじゃないか、と徐 々に目覚め始めているだろうと思います。メディアでいくら騒いでも、オリンピック誘致決定に心底喜んでいるのは建設業とか不動産業とかに従事する人だけで しょう。もちろんすべての産業にカネは回りますが、経済効果は建築業のように直接的ではないので大抵の人は冷めた目で見ているでしょう。過半数が別に嬉し くないと答えている世論調査もネットで見ました。

海外のメディアは2020年東京オリンピックを風刺した漫画を沢山載せました。放射線防護服とマスクをして走るマラソン選手。巻き寿司の断面を見るとあの 放射性廃棄物質の図柄。阿修羅のように沢山腕がある選手は、放射能の影響で奇形として生まれたのだろう、などなど。このような幾多の風刺画に対して、日本 政府は抗議を行ったそうです。ありえません。中国や韓国に向けて「民度」が低いなどと偉ぶっている日本が、この体たらくとは泣けてきます。放射能が染色体 を傷つけて奇形を生み出すという事実は、どういう訳か日本では、タブーであり、「風評」なのです。海外では、放射能が奇形を生み出すというのは、常識です から、日本がどれだけ狂っているか分かります。

韓国は、日本からの海産物の輸入制限を始めましたが、その処置に日本は抗議し、韓国をWTOに提訴したようです。全く証拠なしに日本の魚が危ないと言って いるわけでないのは明らかですから、日本が負ける可能性は高いでしょう。茨城の漁港で水揚げされた魚に線量計をかざしたら、高く反応したというビデオク リップも公開されているので、厚生省の検査によって検出されるキロあたり数十ベクレル程度の汚染では済まない魚が市場に出ている可能性は大いにあります。 数千ベクレルではなくて数万ベクレルのレベルかもしれません。そんなのが一匹でも混ざっておれば魚は買えません。すり身にしたり、外国に安く売り飛ばした りしているのも沢山あるでしょう。リーマンショックの引き金を引いたサブプライムローンや、BSE牛肉と同じ事ですが、こと放射能に関しては、その害は比 べ物になりません。生命体を原子レベルで破壊する毒だからです。数万ベクレルの魚を食べても直ちに死ぬことはないでしょうが、数カ月後に死ぬことは大いにありえます。

実際問題として2020年の東京オリンピックは可能なんでしょうか?放射線被曝という観点から考えてみます。

東京湾はかなり汚染されています。ですから海に近い選手村や競技場は危険かも知れません。トライアスロンなど本当に東京湾を使うのでしょうか。セラフィー ルドやバルト海など海が汚染されると海岸線に近いほど危険であるというのは研究が出ていて、以前読みました。食物や水に関しては、ドイツの選手なら全部自 前で用意するでしょう。でも、東京で調達するとしても7年後には今よりましになっている可能性が高いとは言えそうです。現時点でも気をつければ東京で住めない わけではありません。ただ、場所によっては子供を育てるのは危険であり、実際名古屋近辺には首都圏から避難してきた人達が沢山います。吸引による被曝に関して は7年後ならそれほど問題ないでしょう。土に降った放射能はもうかなり深くに沈降してしまっているので、風による再飛散も今より減少しているでしょう。東 京はコンクリートに覆われているので、チェルノブイリ周辺のような平坦な農地とは飛散による汚染の状況がかなり違うはずです(詳細は大規模な調査を伴う研 究をするしかありませんが、そんな研究費が国から出るとは考えにくいでしょう。)放射能は海に流されたりコンクリートと結合してしまうので、α線やβ線は それほど気にする必要はなく、γ線は飛行機に乗った時の宇宙線による被曝と同じで、内部被曝ではないのでそれほど怖くはないでしょう。ゴミ焼却場から出る 放射能は心配ですが、オリンピック選手達は東京に長期滞在する訳ではないのでどうにかなるでしょう。チェルノブイリの悲劇が終わらないのは、食物からの内 部被曝が最大の原因ですが、東京の場合、ゴミ焼却場からの排気が無視できないと考えています。浄水場の汚泥もかなり燃やしているようで、首都圏の終わらな い降下物は福島由来(未だに核分裂している疑いがあるのでホウ素を入れている)だけとは言えず、ゴミ処理場からもかなりあるのではないかと考えています。ここがチェルノ ブイリとの一番大きな違いです。

東京の被曝の本質は、12日からのベントによる希ガスの量が大量だったこと、15日のプルームの飛来、20日、21日、22日など雨に当たってしまった人 が沢山いたことに尽きるでしょう。3月には放射性ヨウ素が空気だけでなく水源も汚染したので、被曝を気にせずぼんやり過ごしていた人は取り返しのつかない 被曝をしてしまったと考えられます。その後、食べ物に注意していなかったなら、なおさらです。木下黄太さんが報告してくれている健康被害の実態は、そのよ うに考えないと理解できません。私が総理大臣だったら、外に出るな、隙間を目張りして塞げ、ヨウ素剤を飲め、空気洗浄機を回し続けろ、くらいはNHKの電 波を使って訴えただろうと思います。7年後に東京にやってくるオリンピック選手はもちろんそのような被曝はありません。彼らは、一般日本人より、放射能の 危険について理解している人が多いでしょうから、食料や水を外から用意したり、国の力を使って自衛するでしょう。

放射能による健康被害については、最近、興味深い情報源を見つけました。「大地を守る会」の放射能連続講座です。上田昌文、伊藤俊彦、浅見彰宏、児玉龍 彦、河田昌東、高橋弘、坪倉正治などなど。具体的な情報が聞けるという点で中身が濃いです。まだ、全部聞いていませんが、全体的な印象は、放射能汚染は福 島ですら、技術的に克服できる、というもので、放射能の危険性を強調したい人にとっては生ぬるいと感じられるかも知れません。しかし、政治的な対立は棚上 げにして、様々な立場の人達の意見をじっくり聞くことが重要だと思います。私個人としては、シーベルトという単位を使った実効線量などという概念自体が眉 唾だと考えているので、そのような概念に囚われて議論する人は無視しがちですが、そのような人もよく聞いてみると私が知らないことや、考えたこともないよ うなことについて情報を持っています。少なくとも現場にいて色々考えている人達なので、拝聴に値します。私はたまたま彼らの講演会を、十把一絡げにして否 定するツイートによってその存在を知りました。

いわゆる、「放射線医学」という科学領域には、実効線量などというあやしげな概念を元にして成り立っている分野や、α線やβ線核種を薬にぶち込んでがん細 胞をやっつけようとする医療分野や、バンダジェフスキーのように体の部位を切り取って放射能の蓄積を調べようとする実証研究などなど、様々な分野が乱立し ているので、私のような素人からすると、もう少し、お互い会話して、統合に向けて努力してもらわないと、真面目に聞く気が起こらないというのが正直なとこ ろです。一体、彼らは我々被曝させられる一般人を何だと思っているのでしょうか。直ちに影響はないなんて言っても、初期降下物の量は東京においても半端 じゃなかったことは周知のことですから、外を歩き回っていた人達の中には、放射能が脳や心臓に到達して数カ月後に死んだ人も沢山いたはずで、木下黄太さん が報告している事例などは氷山の一角にすぎないでしょう。(最近、たまたま複数の東京人と電話で話す機会があり、決定的な3月に営業停止し、社員を西に逃 した会社があったことを知りました。一方、別の人は、会社の仕事で15日には営業で外をうろついていたと話してくれました。今のところ健康被害は出てませ んが、3月は営業で働き詰めだったので今になって被曝を心配しています。)

御用学者は論外です。彼らが国に買収され学会を牛耳っているので、バンダジェフスキーのような人は異端扱いされています。彼の研究は、「権威ある」査読付 きの英文学術雑誌に掲載されないので、医学関係の論文データベースで検索しても出てこないそうです。その一方で、素人が読んでも漫画のような御用論文が幅 を利かしているのが「職業としての科学」の実態です。狂ったドグマの廃棄には、ローマ教会と闘う地動説以上の馬力が必要かも知れません。「大地を守る会」 の講演会に出ている人達は、頭の悪い御用学者ではありません。現場でものを考えている真っ当な人達です。彼らを十把一絡げに「エートス」などとレッテルを 張るのはやめて、話を聞くことを勧めます。(ここでは深入りはしませんが、反原発・反被曝で運動している人達の中にも、御用学者並みのアホがいるのに気づ いたのでどっちもどっちです。)重要なのは、政治を排して、真実を知ろうとする態度を維持することです。真実と政治は関係がありません。

(Sept. 2013)

追記:最近、宮崎駿さんがスタジオジブリの社員たちをあの決定的な時期に逃さなかったことを知りました。現場を守れと叱咤したようです。私は、上に社員を 逃した会社のことを書きましたが、その会社は文化的な香りなど全くない普通の会社です。金儲けしたい人が行く業界です。環境問題について多くを語ってきた 宮崎さんと、この会社との対比はとても興味深いと思います。黒澤明がロケ中に原発事故に遭遇したらどうしたでしょうか。興味があります。



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