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JFKと特定秘密保護法

今年ももう終わりです。書きたいことは次々出てきますが、頭の中で作文したらそれで完結してしまい、実際に書くことが億劫になってしまいます。そ れではいけないと年末なのでひとつ書きます。

今年はJFK暗殺の50周年記念の年でした。同時にアメリカ連邦準備銀行法制定の100周年の年でもありました。前者については、テレビ等の既成 メディア が特集を組んだりしたのでしょうが、私は見ていません。_JFK_という映画を撮ったOliver Stoneという映画監督が長編ドキュメンタリを作り、JFKの暗殺を扱ったということも聞きましたが、見ていません。Luke Rudowski (WeAreChange.orgの創始者)が彼をインタビューしたビデオクリップをたまたま見てしまい、その中で彼の受け答えが他人ごとのよう な感じ だったので、なるほど自分の本当にやりたいことが出来なかったのだなと推測出来たからです。彼の代わりにプロデューサーが雄弁に語っていました。 彼のよう に社会的に認知度が高い人が注目度の高い作品を世に出す場合、金を出すプロデューサーの意向を受けて表現・主張に枠を設けてしまうのが普通です。 特に JFKの暗殺のような問題を扱う場合、公式説に縛られて自己検閲をしてしまうのは避けられません。JFK暗殺については、ネットメディアはもっと まともな 扱いをしていました。私の場合、PRN (Progressive Radio Network) が一週間以上にわたってJFK暗殺50周年の特別番組をやっていたのを聞き、貴重な情報を得ました。Oliver Stoneが行きたくても行けないところまで、タブーを作らず情報を伝えていました。JFKの暗殺についてはもうすでに2000冊以上の書物が出 ていると 言われています。1992年からは内部告発も沢山出てきて、もうかなり細かなことまで分かっています。例えば、実行犯の何人かは名前が挙がってい ます。テレビという既成メディアが流すドキュメンタリだけを見ていても本当のことはわかりません。テレビの情報は検閲を経て流されています。何度 も書きま すが、ネットに行って自分で情報を探さないと本当のことはわかりません。

JFK暗殺は軍事クーデタです。2001年の911事件と同じです。そのことをちゃんと理解できない人は、有名大学教授だろうと、国際政治の世界 的権威だ ろうと、テレビによく出てくる解説タレントだろうと、皆もう終わっています。何度も書きますが、真実はそれを発信する人の知名度、学歴、性別、貴 賎、など とは何の関係もありません。50年も経って未だに、オズワルドの単独犯行などと公式説を垂れ流す人は、単なる馬鹿か、確信犯的な嘘つきかのどちら かです。

タイなどのいわゆる「後進国」で軍事クーデタが起こる場合、その事件は正しく報道され正しく理解されます。軍がクーデタを起こし、首相が国外に逃 亡し、国 王が調停に入ります。ところが、アメリカで軍事クーデタが起こると、あの国は、建前としては、「自由と民主主義」の国ですから、嘘を並べて建前を 取り繕う とします。とくにJFKのころは、ソ連と「冷戦」を闘う自由主義圏の雄でしたから、軍事クーデタを起こすような野蛮な国とはどうしても認めるわけ には行き ませんでした。というか、そのようなPR戦術は別段何もなく、オズワルドを犯人に仕立て上げソ連やキューバが背後にいると印象づけるため、茶番劇 を演出し ただけでした。でも、あの頃はインターネットがなかったので、主要メディアを買収すれば国民は簡単に騙せました。

JFK暗殺について未だに公式説を垂れ流している、いわゆる専門家が沢山います。歴史家、政治学者、アメリカ研究者などなど。そういう人達は一次 資料と いうものについてどう考えるのでしょうか。当時の新聞や雑誌記事は一次資料ではありません。JFKの緊急医療処置を病院で目撃した人達、JFKを 乗せた 車列の前方にある草の生えた丘から発砲された銃撃音を聞いた人達、シークレットサービスの内部告発者、などなどが証言を残しており、それらの証言 が一次 資料に値します。911事件の場合、飛行機がタワーにぶつかる前に地下の大爆発に遭遇した人達が沢山います。彼らの証言が一次資料です。クーデタ を引き 起こした巨大権力に買収されたメディアが報じる記事は一次資料ではありません。JFK事件については1992年以降、911事件については、 youtube などのネットビデオの出現以降、そのような一次資料が沢山出て来ています。もう証拠は山ほどネットに転がっていますから、嘘をつき続ける のは見苦しいので退場をお願いします。専門家の皆様。

現時点でJFK暗殺の真実を知りたい場合、次の情報源を勧めます。

James Corbett, "JFK: A Conspiracy Theory" on Youtube
Gary Null, "JFK Special" on PRN (Progressive Radio Network)
James W. Douglas, _JFK and the unspeakable_, Simon and Shuster
Russ Baker, _Family of Secrets_ Bloomsbury

最初の2点はネット上の音声情報です。次の2点は書籍です。Jim Douglas にせよ Russ Baker にせよ、ネットビデオで肉声が聞けますから、最初に彼らの講演を聞いてから著作を読むのがいいでしょう。先に Oliver Stoneを話題にしましたが、彼は_JFK and the unspeakable_についてコメントし、JFK暗殺について書かれた最も優れた書物であると賞賛しています。しかしながら、自身のドキュメ ンタリで Jim Douglas が成し得たところまで踏み込めたかというと多分そうではないでしょう。だから、Luke Rudowski にインタビューされた時、あのような他人ごとのような応対になったのでしょう。

JFK暗殺の黒幕は一体誰なのかという点については、JFKの副大統領だったLBJであるという説があります。Oliver Stone 監督の _JFK_という映画はなんとなくその説をほのめかすような終わり方をします。これは1991年にその映画が公開されたのをアメリカで鑑賞した私 の印象で す。その後見返したことが一度もないので間違っているかも知れません。あの映画を見た当時の私は政治というものに深い関心はなく、公式説が嘘らし いこと、 犯人像については諸説あること、監督自身はLBJが黒幕であることをほのめかしているらしいということなどを理解して終わりになりました。深く物 事を考え る人達の間では、あの映画に触発されJFK暗殺の真相を探る長い研究生活に入った人も沢山いたようです。私は今から考えるとかなりナイーブでし た。私はそ のようなテレビ番組をまともに見たことがないのでわからないのですが、日本においても、JFK暗殺や911事件などの疑惑について、バラエティ番 組風に面 白おかしく、諸説紛々してますね、という結論に持っていくテレビ番組が多くつくられているのだろうと想像します。多くの人は、Oliver Stoneの映画もそのような犯罪スリラーとして半分フィクションのように消費したのだろうと思います。

JFKの暗殺はテキサス州ダラス市で起きました。犯人はダラス警察を味方につけていたのでそれだけの政治力を持っていた人物となるとテキサス選出 の上院議 員だったLBJは容疑者として真っ先に挙がってきます。しかし、JFKはたまたまダラスで殺されたのであって、他の場所、例えばワシントンDCや シカゴで 殺されたかも知れません。その可能性を示唆する証言があるからです。そうなるとLBJの直接の采配がなくてもJFKが殺されていたかも知れず謀略 の規模は もっと大きなものであったと考えざるを得ません。詳しくは Jim Douglas や Russ Bakerの本を読んでもらいたいのですが、CIAが実行部隊を組織したのは明らか、シークレットサービスの参加も明らか、マフィアの参加も明ら か、亡命 キューバ人の参加も明らか、彼らを組織してキューバ侵攻を組織した軍の参加も明らか、FBI(J.E.フーバー)の隠蔽工作も明らかです。JFK は石油業界、鉄鋼業界、ウォール街、軍隊、組織暴力業界な どなど、金が潤う産業界をことごとく敵にまわしました。彼の存在は、Better dead than redという表現に象徴されるような、気が狂った反共思想が浸透した産業エリートにとって目の上のたん瘤であり、LBJが黒幕でなくてもその代わ りを演じ ることになる候補は山ほどいました。誰が本当の黒幕であったかをスパイスリラーばりにしたり顔で語ることに意味はありません。JFKが何故殺され たかを考 察する方が重要です。

そこで特定秘密保護法です。

日本においてはJFK暗殺のようなあからさまな軍事クーデタは戦後起こっていません。しかし、総選挙で圧勝した政党の党首が総理大臣になっても、 よく訳の わからないスキャンダルなどが起こって失脚し、政権がころころ変わっていくはクーデタの一種と考えるべきでしょう。国家権力にはこのような汚い謀 略がつ きものであり、秘密保護法はそのような汚い謀略が明るみに出ないために存在します。今回の日本の特定秘密保護法には、福島原発事故をめぐる政府の 失態を明 るみに出さないためという目的ももちろんあるでしょう。原発産業をめぐる情報は軍事機密ですから、「国家安全保障」という隠れ蓑がいくらでも使え ます。こ のようなことは自明であると思っていましたが、意外に理解できない人が多くいるようです。

英語の授業で政治について会話をやらせていたら、秘密保護法は日本がオリンピックを開くために必要だとお母さんに教えてもらったという学生に遭遇 し、ちょっと度肝を抜かれました。一体どのような理屈でそうなるのでしょう。私には全く初耳の説でした。

大体、国家には秘密がつきものです。失政を認めたくない、認めると責任を取らされるから秘密にしておきたい情報が山ほどあります。まず自衛のため 嘘をつ き、それがばれたら、秘密保護法で守ってもらおうという魂胆です。JFK暗殺がオズワルドの単独犯行だなんてそんな幼稚な嘘では、インターネット 時代に国 民を騙し続けるわけには行きません。だから秘密保護法のようなものがいるのです。とりわけ国家安全保障上必要だという議論はとても強力で皆ころっ と騙され てしまいます。国家には敵に漏れると危ない秘密があり、それを漏らした国民には牢屋に入ってもらうしかない、という議論はかなり説得力を持ちま す。日本の 今回の法律は、その限定がないから問題なのですが、あってもなくても、国家はいつも国民の目をそらすために「外敵」を持ち出しますから、実質上変 わりがあ りません。

今年はたまたまJFK暗殺50周年の年であり、かつ日本で「特定秘密保護法」が制定された年でもあるので、JFKの有名な演説である

"The President and the Press" given before the American Newspaper Publishers Association, April 27, 1961

を聞き返して見ました。Secret Societies Speechとしてよく知られています。数あるJFKの演説の中でももっとも印象深いものです。これを聞くと彼我を比較する誘惑に勝てず、我らの 安倍首相 と比べてしまいますが、後者の小物ぶりに泣けてきます。このようなユーモアにあふれた格調の高い演説をする政治家を日本が持つことが出来るのかと 考えると 否定的にならざるを得ません。

JFK Secret Societies Speech (full version)
http://www.youtube.com/watch?v=zdMbmdFOvTs



この演説は一見すると、ソ連との冷戦を戦い抜くために報道人に自制を求めたというように理解することが可能です。アメリカは自由主義の国であり、 だから報 道の規制をするつもりはない。だが、我々は冷戦を戦っているから、敵に利するような行動は謹んでもらいたい。統治する側も統治される側も自制が必 要とされ るのだ、と主張しているように読めます。しかし、彼は「ソ連」や「ロシア」と名指しして、「敵」と規定している訳ではありません。我々の「敵」は 自由主義 かつ公開主義の敵であり、その行動様式は陰謀主義と秘密主義であるとはっきり述べています。その敵が冷戦を遂行し永続させようとしていると明言し ていま す。これはどういうことかと言うと、我々の「敵」は外敵だけでなく、国内に、それどころかホワイトハウスの中にいるのだということを暗示している と解釈で きます。Jim Douglas の本を読むとJFKが「冷戦」を永続させようとしていた軍部やCIAと衝突を繰り返したことがわかります。この演説は大統領就任からまだそれほど 時間が 経っていない時期に行われたものですが、JFKはその時点ですでに陰謀の渦巻くホワイトハウスという虎穴にいることをはっきり自覚していたことが 伺えま す。小泉前総理は今頃になって原発産業に騙されていたことに気づき脱原発を主張しています。自分が総理大臣だった頃、嘘の情報ばかり与えられてい たと怒り 心頭です。このことからわかるように、総理大臣や大統領といえども、国を操縦していくにあたって、正確で正しい情報が与えられているとは言えませ ん。取り 巻く連中が、自分の利権を守るために本当のことは教えないのが普通です。小泉元総理の経歴を見ると百戦錬磨の政治プロであったような印象を受けま すが、総 理大臣になったころはJFKと比べてもヒヨッコだったのかもしれません。

JFK暗殺から50年経ち、アメリカは彼を暗殺した連中に牛耳られ続けています。状況は悪くなる一方です。彼らは明らかにロシアと中国を敵と見做 し、冷戦 を続けることによって金儲けをしようと企んでいます。安倍総理は、「積極的安全保障」などを口走っていますが、そのようなネオコンに牛耳られたア メリカに しっぽを振ってついて行っているだけです。長いものに巻かれろという一番楽な処世術を選択しているにすぎません。別に、深い哲学があっての主張で はありま せん。JFKに勇気があったのは、戦争の実体験と深刻な持病によって常に死と隣り合わせに生きていたからです。戦争の経験がない三世議員にそのよ うな勇気 があるとはとても思えません。

暗い話になりましたが、世の中が暗いのだから仕方ありません。今年の収穫は、パンスターズ彗星とラブジョイ彗星の勇姿を見ることが出来たくらいで す。アイ ソン彗星は近日点通過後に大増光すると予測されてましたが、太陽に近づきすぎて溶けてしまいました。その代わりと言っては何ですがラブジョイ彗星 が夜明け の空に明るく見えました。残念ながら撮像はしませんでしたが、巨大ドブソニアンで明るい時に見ることができました。

(Dec. 2013)


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