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フランク・ザッパ  Frank Zappaとトリチウム

最近、ネットビデオでフランクフルトの「アンサンブルモデルン」がザッパの曲を演奏しているのを見つけ聴きました。彼はその後まもなく癌で死んだので最後 の作品となりました。The Yellow Sharkと呼ばれる作品群です。お勧めです。彼によると厳密には作品の名前ではなくコンサートイベントの名前が The Yellow Sharkだということです。様々なスタイルの音楽があり、ダンスあり、劇的パーフォーマンスありの楽しいコンサートです。いわゆる「現代音楽」のコン サートは厳粛で物々しい雰囲気がありますが、このコンサートの雰囲気は和やかで拍手も盛大です。まるでロックフェスティバルの会場のようです。楽しい音楽 なのでその場にいたかったなと思います。

その中で、Food Gathering In Post-industrial America, 1992が特に気に入りました。これはザッパ自らの指揮による劇的パーフォーマンスで、朗読があり、演奏者が舞台に出てきて演奏します。インターミッショ ン直前のコミックリリーフ的な位置づけです。能の中の狂言のようなものです。朗読の内容がネットに転がっていたので、引用します。

When the last decrepit factory has dumped its final load of toxic waste into the water supply and shipped its last badly manufactured, incompetently designed consumer thing, we gaze in astonishment as the denizens of NU-PERFECT AMERICA, dine on rats (mmmmm), poodles, Styrofoam packing pellets, all floating in a broth of tritium-enriched sewage, roasting the least diseased body parts of abandoned wild children accumulating since the total ban on abortion a few years back.

http://www.youtube.com/watch?v=LSvLNFmBTPQ



NUというのはNuclearのNUです。トリチウム (tritium) というのはβ線を出す水素の同位体で原発から常に漏れ出ています。原発の周りに住む子供たちの白血病の疾病率を調べたドイツ政府によるKKK Studiesというのがありますが、トリチウムが要因の一つであると考えられています。この研究は、原発に近いほど疾病率が高いことを立証しています。 ドイツは福島事故の後、原発から全面的に撤退することを決めました。政府自らがこのような研究に金を出すような国ですから、当然と言えば当然です。

ザッパは前立腺がんで亡くなりました。子供の頃に受けた放射線治療の影響なのかも知れません。ヘビースモーカーだったので喫煙が原因であると考え る人もいるでしょうが、私は喫煙と癌の因果関係が過大に取り沙汰されていると感じており、背後に原発産業の意図を勘ぐっています。ザッパがこの作品の中で トリチウムに言及しているということは、原発から常時漏れでている放射能が人体に与える影響について理解しているということです。産業廃液について強い関 心を持っていたのは、父親が米軍に所属する化学者であり、化学兵器製造工場の近くに住んでいたこともあったからです。彼のインタビューをネットビデオで聞 くと、彼が育った環境の劣悪さに同情を禁じえません。周りには美しい自然も歴史文化も何もなく、あるのは軍事施設だけというような場所で育ち、独学で音楽 を学びました。彼の徹底した反戦反骨精神はそのような生い立ちと無関係ではありません。

ザッパの音楽は20代を過ごしたアメリカで何人もの知人友人に勧められましたが、あまり好きになれませんでした。振り返ると、英語が未熟だったのが一番大 きな原因だと思います。ザッパを理解するには、音楽の理解だけではだめで彼が批判するアメリカ社会を知る必要があるし、彼の風刺は英語が十分出来ないと手 に負えません。英語は苦手だが、どれか一枚推薦してくれと言われると、私はOne size fits all を一番に勧めたいと思います。今振り返るとどうして誰もこの一枚を推薦してくれなかったのか不思議です。もし20代の頃にこれを聴けと勧められたら、気に 入っていたに違いないと思うからです。この一枚は、彼の作品群の中でも傑作だと思うし、ロック史に名を残す名作だと思います。実は、これが一押しだと薦め てくれたのは、上原ひろみです。もちろん彼女とは面識がないので直接勧められた訳ではありません。彼女のソロコンサートに行ったら会場でかかっていたの で、買ってみようという気になったのです。彼女はザッパ好きであることを公言しており、彼女が選ぶ一枚なら間違いがないと思って聴いたら気に入りました。 彼女に感謝したい気持ちです。ちなみに彼女のソロコンサートも圧巻でした。Place to be という彼女のアルバムはお勧めです。彼女にしろザッパにしろ、才能はもちろんのこと、音楽にかける情熱の大きさが半端ではありません。こういう芸術家たち が存在するんだということを知るだけでも、この腐った世界の中で生きていく我々に小さな救いを与えてくれます。

ザッパが死んだのは1993年です。その頃からアメリカと世界はどんどん悪くなる一方です。今のアメリカでThe Yellow Sharkを演奏することは不可能でしょう。彼なら今のアメリカをどのように生きていくのか。凡人である我々も色々想像を巡らせながら生きていくしかあり ません。

(Nov. 2012)

追記:

ザッパが1986年にJoan Riversにインタビューされた時のビデオクリップがネットに転がっています。そこでエイズについてどう思うかについて訊かれ、ユーモアたっぷりに興味 深い回答をしています。アメリカ政府が記者会見で発表したという事実を指摘し、そのことから懐疑的にならざるを得ないと述べています。さすがザッパです。 ここでは要約しきれないので彼の肉声を聞いてください。(86年には私はNYにいました。残念ながらカネがなくテレビがなかったので、NYTとNPRのプ ロパガンダに騙されました。)

エイズとHIVについては、最近エイズデーだということでたまたま自転車で遠出した折に途中で立ち寄った店で聞いたFM番組ではホストが公式プロパガンダ を流していました。店長に話しかけ、HIV/AIDS説は嘘ですよ、と色々説明したらきょとんとした顔をしていました。日本の製薬会社も病気を治すことよ り金儲けのほうが重要のようですね。(Dec. 2012)

追記:

ザッパのインタビューをもう一度聞き直したら、上で私が説明したのと微妙に違うのに気が付きました。でも私など完璧にプロパガンダを信用してしまったの で、彼の方が圧倒的に賢かったのは確かです。

日本のエイズについて少し書きます。最近日本ではエイズの症例が増えているそうです。男性のゲイの人達が多いそうです。HIV/AIDS説が嘘であること を知らない人は医者と製薬会社に騙されて、カクテル薬療法を処方されるようです。昔のAZTより「副作用」が少ないようなので殺されることはないようです が、意味のない治療で製薬会社に貢いでいるだけです。CD4値が200以下なんてマラソン選手が練習で追い込んでいけばそんなことは普通に起こるので別に 病気じゃありません。HIV検査なんていい加減なものなので、一回陽性と出ても次にまた受ければ陰性になっても不思議ではなく、医者がカクテル薬療法を薦 めて来たら無視した方がいいでしょう。詳細は、House of Numbersというドキュメンタリを見てください。(Dec. 2012)



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