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核オプションと核抑止

政府は原子力基本法を改正し「我が国の安全保障に質することを目的に」という文言を入れたようです。東京新聞の6月21日の朝刊に記事が掲載されました。自民党の議員の中に日本が核兵器の開発をするべきだと考えている人がいて、その人達の意見が反映されたもののようです。

軍事専門家は核兵器を持てば日本がより安全になると本気で考えているのでしょうか。現時点でも日本には沢山のプルトニウムがあるので数ヶ月頑張って開発す れば核弾頭は作れると考えられています。しかし、核兵器を持つ潜在能力があるだけでは抑止力にはなりません。実際に核兵器を完成させ地下爆発実験もモンゴ ル辺りで実施して、国際社会に向けて「うちも核爆弾持ってまっせ」とアピールしなければ、抑止力になりません。さらにICBMを完成させ、核弾頭を配備し ないと、抑止にはなりません。数カ月で完成させる技術力を持つという「核オプション」なんて、絵に描いた餅です。怖くもなんともありません。「核オプショ ン」ではなくて、実際の「核抑止力」を持つためには、国際社会に向けて、首相が断固した態度で核宣言をしないとダメです。そんな勇気を持つ首相をこの日本 が生み出せるでしょうか。まあ、無理でしょう。だったら、なんのための文言追加なのか?軍事産業が国に軍事費をおねだりするためです。政治家は単に軍事産 業のロビイストをやっているだけです。日本の安全とは関係ありません。

だいたい、稼動している原発にミサイルを落とせば、原子爆弾より大量の放射能をばらまけるので、別に核爆弾なんていらないでしょう。福島で経験済みです。 爆弾すらいらないかも知れません。菊地洋一さんによると日本の原発はセキュリティがダメダメなので、敵の工作員が作業員と偽って潜入して大規模なサボター ジュ行動を起こせば、全電源喪失で爆発を引き起こすことはそれほど難しいことではないでしょう。中国の原発施設だって似たようなものでしょう。軍事専門家 で、核の抑止力が日本の安全保障上必要だと考える人がいるなら、ちょっと論理的に物事を考えられない人なのだと思います。あるいは、時代遅れの教科書を丸 暗記してオウム返しに答えるだけの秀才か、他人が持っているおもちゃがほしくてほしくてたまらない軍事兵器オタクなんだろうと思います。そんなあほに日本 が人質に取られているなんて哀しいですが、政治家が輪をかけてあほなので、うんうんと同意してしまうのでしょう。

アメリカのオバマさんがやってることを見るとかなりのタカ派です。毎週ドローンで誰を殺すかリストから選んでいるとニューヨーカーやニューヨークタイムズ が報じたので、戦争大好き、人殺し大好きの人なんでしょう。その彼が、プラハで核兵器を廃絶しようなんて演説したのですから、核兵器を時代遅れにする最新 鋭の武器を米軍がすでに手に入れていると解釈すべきです。もう核兵器なんて時代遅れだから、ペンタゴンがオバマにあのような演説を許したのです。もちろ ん、真相は確かめようがありませんが、論理的に推論するとそうなります。もちろん、全廃する意志はありません。必要最小限の核兵器を残した上で、もっと高 性能の最新兵器があるので、あの演説となったのです。日本では核兵器廃絶を訴えてきた平和主義者の中にはオバマさんの演説に感銘を受けた人もいたようです が、世の中はそんなに甘くないでしょう。

911は多くの内部告発者を生み出しましたが、その中で一番よく名が知られているのが、Sibel Edmonds(シベル・エドモンズ)です。彼女は元FBIの職員で911に至る数カ月に知り得た情報を公表したくても出来ない状態に置かれてきました。 我慢し切れなくなって最近アメリカ国家からの法的制裁を覚悟の上で、言論の自由を盾に取り、暴露本を出版しました。私は未読ですが、ネットで見たビデオド キュメンタリを通じ、その断片を知っています。例えば、アルカイダはCIAが組織したムジャハディンの延長でありアメリカ政府との関係はアフガン戦争後も ずっと続いてきて911直前にまで及んでいること、パキスタンへの核技術輸出にはイスラエルが第三国を通じで関与していることなどが含まれます。要する に、核非拡散条約などザル法であり、敵味方見境なく、金儲けを唯一の原動力として世界の軍事産業が動いているという事実が明るみになっています。

戦争は悪だ。でも軍事技術開発という錦の御旗を掲げないと、科学技術への巨大投資が出来ない。インターネットを見ろ。それは元々は軍事技術開発から生まれ たものだ。軍事技術開発は必要悪なのだよ。という議論は昔からよく聞きます。しかし、本当にそうなんでしょうか。はやぶさのイオンエンジンはかなり性能が 高いようですが、その用途は完全に平和利用です。別に軍事用にも応用できますが、日本の安全保障上必要だからという名目で予算がついたわけではありませ ん。このように平和的な大科学技術プロジェクトを国家規模でブチ立てて、国費を湯水のように使うことはいくらでもできます。そのなかから未来のインター ネット技術が生まれるかも知れません。安全保障上の必要性を説かないと税金を使わせてもらえないという議論は、軍事産業に傭われている専門家のポジション トークではないでしょうか。オバマさんはNASAの予算を大幅削減した、日本はその穴を埋めるために、軍事費を削ってJAXAの予算を10倍にする、と宣 言すれば国民の支持を得ることが出来るでしょう。はやぶさが驚異的な成功を収めたので今がチャンスです。

だいたい、人間は、こわいぞーこわいぞーと脅かされると、守ってください、と軍備の増強に賛成してしまうものです。911がいい例です。911とイラクな んて何の関係もないのに戦争に突入してしまいました。その結果、チェイニーさんが社長だった巨大ゼネコンのハリバートンはたっぷり儲けました。日本人もい い加減に学習してください。次に巨大地震が襲うと日本が終わってしまうかも知れないのに、核武装すれば安全になるなんて、まともな頭じゃありません。日本 の戦後の平和はアメリカの核の傘に守られてきたからだなんて、そんなお伽話を信じてしまうなんて、お人好しすぎます。

(June 2012)

Takashi Wakui