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疫学について

福島事故以前には疫学について考えることになるとは想像もしませんでしたが、日本がこのような状況に置かれているので考えざるをえません。

かつて疫学はコレラのような感染症の研究に威力を発揮しました。飲料水に含まれるコレラ菌で発症するという事実を突き止めるのに疫学は多大な貢献をしました。脚気の原因が細菌ではなく、ビタミンB1不足であることを究明するのにも疫学が役に立ちました。

そのような過去の輝かしい実績と比べて、今日の放射線疫学というのは一体何なの?と私のような素人でも疑問を持たざるをえません。ベクレルをシーベルトに換算する場 合、β線はγ線と同等、α線は20倍にするなどとなっていますが、根拠が明瞭ではありません。一体、生体への影響量は物理エネルギー量に一律還元できるも のなのでしょうか。臓器の差を反映させるために重み係数をかけていますが、これも根拠が不明瞭です。自転車の故障を考えればわかりますが、すべての部品が 同じように摩耗劣化し同時に死を迎えるなんてことはありえません。人間の身体も同じで、大抵の人は特定の器官に致命的な問題が起こって死に至ります。 ICRPよりECRRの方がましである印象ですが、ICRPのモデルのほうが死者の数が少なくなるので、原発・核産業にとって好都合であり、国際会議では ECRRのモデルは完全に無視されています。国連などの公式文書に載らないので、メディアの報道に出てくることもありません。大抵の人は、新聞の記事しか 読まないので、背後に巧妙な情報操作があっても知らずに終わってしまいます。福島事故のようなことがあり、ネットで積極的に情報を取っているから私のよう な素人でも胡散臭さに気がつくようになっただけです。そうでなければ、私だって公式説であるICRPの専門家の話を鵜呑みにしていたでしょう。一体、この ような茶番劇をいつまで続けるつもりなのでしょうか。

ICRPのモデルを使って、被曝量を入力すれば寿命が何日短くなるのかを計算することが可能です。当然若い時に被曝する人の方が年取って被曝する人に比べ て寿命が短くなる量は大きくなります。そのような計算をして食品検査のコスト便益分析をした論文がネットに転がっていたので読みました。行政が税金を使っ て食品の放射能検査をするのであるから、コスト便益分析をするのは当然であるという発想に基づいているのでしょうが、結論がどうであれ、そのような計算の 結果を真に受ける神経が理解不能です。食品による内部被曝をシーベルト換算する場合単純に外部被曝と対等に扱えるのかという問題を棚上げにしたとしても、 ICRPモデルによると寿命が数日短くなるだけだから大したことがないというようなことを言ってしまえる神経は理解できません。

もう放射線疫学なんてやめてしまえば、と言ってしまいましょう。コレラの原因を究明する際に発揮した威力はゼロなので、単に惰性によって存在している学問分 野にすぎず今日的な存在意義があるのか大いに疑問です。ECRRのクリス・バズビー(Chris Busby)が発表したところによると、福島原発事故による未来に生ずる犠牲者は数十万人です。ICRPのモデルを使うと数千人になります。個人的には ECRRの方が真相に近いだろうと感じますが、どっちにしろ、日本人の1/3は癌で死ぬのですから、統計的には他の癌死亡者の中に埋れて終わりです。どち らが正しいのか証明できないのであれば、そんな科学は止めてしまって、本来の科学に重点を移すべきでしょう。放射線によって傷ついた遺伝子がどのようなメ カニズムで癌を発生させるのか、体に取り込まれた放射線核種がどのようなルートを通ってどの部位に蓄積し、どのように様々な疾患を引き起こすかの詳細を探る生物学です。

放射線疫学の専門家はこのようなどーでもいい学問分野で業績を残そうとしてやっきです。福島の子ども達にはもうすでに甲状腺異常が現れていますが、データ の整合性を維持するために更なる検査はすぐに行う必要はなく、バイオプシーも必要ないのだそうです。東電の元技術者で今は熊本県で内科の開業医をしている 小野俊一という人がいます。福島事故以降ブログとツイッターで活躍しています。彼は、自身のブログで東電が彼の健康状態を知るために住所を勝手に調べて書 状を送りつけてきた事実を暴露しています。原発の嘘に目覚めて東電を辞め、30代になってから医学を勉強しなおした小野さんにしてみれば、東電がこのよう に執拗に追いかけてくるのは許しがたい暴挙であり、データを取るためにそこまでするのかと呆れています。『院長の独り言』という名のブログです。

一体なぜそこまで必死なのでしょうか。放射線疫学の存在理由は何なのでしょうか。統計の扱いやサンプルの集め方についていちゃもんをつけて、bad scienceだのあーだのこーだのと瑣末な議論を続けておれば、外から見てなんだか学問として活況を呈していると誤解してくれるから存在意義が高まるか らなのでしょうか。それとも、原発推進派にとって有利な結論を導くことを半ば義務付けられた御用学問なのでしょうか。バズビーさんなどは出たくもないのに 同じリングに上がらなければ無視されるのでしぶしぶ疫学のリングに出て戦っているのでしょうか。コレラの原因を追求しようとして疫学データを取っていた科 学者は、知的好奇心にあふれたパイオニアでした。今の放射線疫学はからっぽで空虚感が漂います。部外者から見れば、なんでつまらん議論をやっているのかと 訝しく思えるだけです。野呂美加さんにならって、次のような捨て台詞を吐きたくもなります。

「放射能なんて危険じゃないんだというばかげた科学が、正面きって歩いている。科学的エビデンス?笑ってしまう。エビ丼でも食べていろ!」

核分裂によって生成される放射能が身体に害を与えることは議論を待ちません。明白です。追加の癌死亡者が一年毎に1000人に5人 くらいだからまあ許容 範囲だなどと言って済まされるものではありません。生きているか死んでいるかだけにしか関心を持たない疫学は終わっています。19世紀のコレラの場合はそ れでよかったのですが、21世紀の放射能被曝による幾多の疾患や晩発性癌発症は違います。生活の質を問題にすべきです。80まで生きて一見天寿を全うした と外から見える人でも人生の大部分を被曝による疾患で苦しめられ続ける人がいます。また、チェルノブイリ2世の子供たちの大多数が明らかに健康体でないの をどう説明するのでしょうか。ヤブロコフさんの本やウクライナ政府が出した正式の報告書によれば、子供たちの大多数が成人病を抱えています。白内障、知能 低下、高血圧、心臓疾患、糖尿病、体力低下、などなど実態は多岐にわたっており、癌は疾患の一つに過ぎません。また、被曝の影響は将来何世代にもわたって 続いて行きます。さらに、被曝による染色体異常により流産が増えます。生まれてこない 胎児たちも被曝の犠牲者なのですが、その数は放射線疫学の統計に入りません。胎児はヒトではないからです。原発の周りに住む人達は、その事実を知っていま すが、原発で働いている人が身内におれば声に出せません。このような事実を直視しない放射線疫学は科学ではありません。教科書に合わせて論文が楽に乱造で きるので世渡りのうまい連中が集まってきているだけです。

という具合に、放射線疫学について批判的言辞を書き連ねてきましたが、疫学自体を否定しているわけではありません。

最近、ワクチンの効能と安全性について懐疑的な人が増えています。ワクチンには動物の体内から取ってきたウイルスの断片、遺伝子、水銀、アルミなどの金属 が含まれます。ワクチン接種後に「副作用」で死ぬ人も続出しており、補償をめぐる訴訟が跡を経ちません。ワクチンと自閉症の因果関係について確信している おかあさんや医師はどんどん増えています。ネット上に山ほど情報があるし、私は日本、アメリカ、フランスの医師でワクチンについて懐疑的であり、患者に接 種をすすめない人達を間接的に知っています。私自身も懐疑的で、学生にはHPVワクチンをうたないほうがいいと勧めています。日本においてもHPVワクチ ンを接種した後に死ぬ人が最近出ました。

さて、このような疑念が存在する場合、どのように白黒をつければいいのでしょうか。簡単です。疫学を使えばいいのです。日本では子供を学校に行かせずに育 てるのは難しいですが、アメリカなどではそれほど難しくなく、宗教・信条上の理由でhome schoolingにする親がかなりの数に及びます。エホバの証人とか、エイミッシュやhome schoolingの子供たちを集めれば、統計分析に使える十分な数がそろいます。これらの子供たちの大多数は一生に一度もワクチンを受けずに成長しま す。一方、それ以外の学校に通う子供たちは予防接種を受けますから、両母体を追跡調査をして、ワクチンが本当に感染症の予防に役だっているのかどうか白黒 をつけることができます。

こんな簡単なことはすぐやるべきだと思いますが、そのような研究の存在は寡聞にして知りません。一体、どういうことなんでしょうか。

私の推測では、そのような研究をやればワクチンについての公式説が崩壊して製薬会社が巨大な経済的な打撃を受ける可能性があるという危惧が存在するからだ と思います。ワクチンが売れなくなることからの直接的な経済打撃だけではなく、社会の根幹を揺るがす信頼崩壊なので、ヘッジファンドが製薬会社の株を叩き 潰すでしょう。ウォール街に衝撃が走ると想像できます。別稿で、HIVとAIDSの嘘について書きましたが、その嘘が大体的な形で明るみに出ることがない のは、類似した金融市場の混乱を避けるため大メディアが情報操作しているからであると考えられます。その先棒を担ぐのがNYタイムズです。日本の新聞は NYタイムズやウォールストリートジャーナルに右倣えするだけです。

以前書いたように、私は金によって腐敗されている「職業としての科学」の自浄能力については楽観的になれません。だから、ワクチンについての疑惑に疫学が 答えを出してくれる可能性は低いと考えています。しかし、このようなことを想像もしたことがない人が大多数なのでこの作文を綴っています。世界は嘘で満ち ています。騙されたら死んでしまう可能性すらあります。

(June 2012)

追記:アメリカでは子供を学校に行かせず、家で教育するhome schoolingが容易だと書きましたが、最近では州によっては規制を強めているようです。伝統的には宗教がhome schoolingの最大の理由でしたが、最近では子供にワクチンを受けさせたくないからという理由で学校に行かせない親が増えているので、医療業界の圧力がかかっているのかもしれません。(Nov. 2012)  




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