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自転車について最低知ってもらいたいこと (自転車は左側通行!)

(最近自転車事故が増えているらしいと聞いたので)     自転車探検!

私の自転車歴はもう30年以上になります。それでもスポーツサイクリングの入門書に書いてあるような基本的なことでもつい最近まで知らなかったことがあり ます。なぜこんなことになるのでしょうか?それは、日本という国ではサイクリングがスポーツとして認識されていないからだと思います。

日本にはママチャリというものがあります。最近では1万円を切る粗悪品が使い捨ての感覚でどこでも手に入れることが出来ます。買うときに自転車の正しい乗 り方、安全な乗り方についての講習を受けるというようなことはありません。ママチャリに乗っている人は皆自分は自転車というものが分かっていると思ってい るでしょう。でも、それは誤解です。時速10キロ程度で近所に買い物に行くのに使うくらいなら正しい乗り方を知らなくても別に問題はありませんが、危険な 速度で危ない乗り方をしている人を頻繁に見かけます。何故そんなことになるかというと、日本にはママチャリ文化があるがあるが故に、自転車に対して安価な 交通手段であるという認識しかなく、講習を受けたり、教科書を読んだりして、正しい乗り方を学ぼうというする人が殆どいないからなのです。テニスラケット やゴルフクラブを買う人の中で、正しいストロークについて学ぼうとしない人はいるでしょうか?

私は中高の通学を自己流の乗り方で、大した怪我もせず乗り切り、大学時代はひたすら電車と徒歩に頼り、その後自転車に乗ったのはアメリカに行ってからで す。アメリカには日本でよく見かけるママチャリというものがありません。車が移動手段として支配的な国で自転車に乗るというのは、スポーツとか健康のため とか自転車に乗ることに特別な意味を見出しているということです。ですから、そういう国で自転車屋に行くと、正しい乗り方について指導を受けることになり ます。実際、アメリカで中古の自転車を買った時には、サドルの高さの調整とか、漕ぎ出しや停止のし方とか、基本中の基本を教えて貰いました。中学高校と毎 日通学に自転車を使った自分でしたが、全く新しい情報でした。

ここでいちいち詳しく書きませんが、日本のママチャリというのは体の出力を能率的に使うのではなく、尻を柔らかいクッションの上に据えゆったりとクランク を回すという乗り方のために設計されています。ですから、おそらく時速10キロかせいぜい15キロくらいで乗ることを前提で設計されていると推測します。 そのようなゆったりとした乗り方はカロリーを消費するという点では運動になっているのかもしれませんが、スピード、敏捷性、バランス感覚、腹筋背筋の使用 とかスポーツ的な乗り方とは無縁です。雨傘を片手にとか、携帯で話しながらとか、ママチャリならではです。それがどれだけ危険な行為であるかについて無知 な人が多いようです。私の印象では、ママチャリに乗っている人の大半は漕ぎ出しと停止の基本を身につけていません。全く私の勘ですが、ママチャリではない まともなスポーツバイクを自分の意志で買って乗っている人の事故率はママチャリに乗っている人の事故率よりずっと低いのではないかと想像します。日本では 一般的にはスポーツバイクのほうがスピードが出るから危ないと思われているのかもしれませんが、事故を多く起こしているのは、ママチャリをその設計意図を 無視して乗っている人たちではないかという気がします。日本ではスポーツバイクを自分の意志で買う人でなければ、自転車の正しい乗り方を知ろうともしませ ん。ママチャリはそういう意味で乗り方によっては危険な道具になりうる乗り物であるとも言えます。自転車店は1万円のママチャリを買う人にも乗り方の基本 について教えるべきです。

次に書くことはスポーツバイクの基本中の基本です。

スポーツバイクのサドルの高さを正しく調整すると、地面には爪先でちょうど届くか届かないかの高さになります。ですから、漕ぎ出しと停止の時は、右足(左 足)をペダルに置いて、トップチューブを跨ぐ格好になります。クリップレスペダルを使うときは、左足(右足)のクリートをはずします。

楽に速く走るためにはクランクの回転を毎分90回転ぐらいに保つのがいいというのは速度計を付けてみると直感で分かります。サイクリングの教科書にそう書 いてあるのを読まなくても体で分かります。毎分90回転というのは、ケイデンスメーターがあれば正確に計れますが、ない場合、右左右の一つのサイクルを毎 秒行うと毎分90回転で漕いでいることになるので頭の中で秒読みすればよいでしょう。もちろん、普通の脚力では一番小さいギアは長い下りでしかその回転数 を出せません。ですから平地でそんなギアを使ってゆっくり回してもスピードは出ません。実はこれは自転車乗りをスポーツと考える人にとっては基本中の基本 なのですが、移動手段としてしか考えていない人は速度計をつけることなどないでしょうから、その事実に気づくことはありません。実際小さいギアでゆっくり 回している人をよく見かけます。恥ずかしいことに私も最近まで効率のよいペダリングについては何も知りませんでした。ちなみに、ツールドフランスで7連勝 したランス・アームストロングは平地でも上り坂でも毎分100回ほどで回し続けます。

最近では3万ちょっとの安いクロスバイクでも21段変速ぐらいついています。変速機があれば坂があってもクランクの回転数を一定にすることができます。つ まり最小の労力で最大速度を維持することができます。街乗りはレースではありません。ですから、変速機を使って労力を節約できればその分安全に注意する余 裕が生まれます。自転車に乗らない人とかママチャリにしか乗ったことがない人は、21段変速なんてスピードが出すぎて危ないと考えてしまうのかもしれませ んが、これは全くの誤解です。変速機はクランクの回転数を一定に保つためにあります。

他にも自転車についての誤解があります。

次は自転車歴が何十年という私がつい最近まで持っていた誤解です。

「太いタイヤはパンクしにくい。従って通勤など実用的な街乗りには太いタイヤがついたマウンテンバイク風の自転車がよい。」

全くの誤解です。街乗りには幅28ミリほどのタイヤを履かせたいわゆるクロスバイク(ハイブリッドバイク)が最強でしょう。舗装してある道を走るには細く て空気圧が高い方が転がり抵抗が少なくなり楽にスピードが出るのです。空気圧を高く保つことによって接地面を小さく出来、結果としてパンクしにくくなると 言ってもいいくらいです。

街乗りにマウンテンバイクもどきの自転車に乗っている人が多いのは不思議としか言いようがありません。太いタイヤでサスペンション付きなど脚の出力を浪費 しているだけです。悪いことにマウンテンバイクもどきではサスペンションもまともなものはついていませんから、衝撃吸収効果も殆ど期待できません。(まあ そんなことをすべて理解した上でそれでもマウンテンバイク風の自転車に乗っている人もいるでしょう。人の好き好きです。ただ、そういう人はもどきではなく 本物のマウンテンバイクに細工して乗っていることが多いでしょう。)

ロードバイクについて

最近ドロップハンドルがついた重量10キロ程の入門ロードバイク(プロがレースに使う高級バイクは7キロを切ります)を買ったのですが、驚きです。ある程 度自転車に乗りなれた普通の体力の人なら平地を時速25キロで走り続けることはそれほど困難ではありません。半日に100キロ走るのが苦痛ではなくなりま す。車なんて一体必要なんだろうかと考えるようになります。日本にはサイクリングロードなるものとか、自転車レーンなるものがありますが、このような乗り 物が存在することを知らない人が設計しているのではないかという気がします。名古屋の広い道には自転車レーンが歩道の脇に作られていますが、車道の横に設 けるべきだと思います。時速25キロと言えば、歩行者の5倍、車の半分の速度です。現状の、歩道と分別がつかない自転車レーンは意味がありません。歩行者 にとって危険で、ロードバイク乗りにとっては走りにくいだけです。自転車といえば、時速10キロ程度のママチャリという発想しかない人が設計しているから そうなるのだと想像します。名古屋の都市圏が直径20キロとすると、端から端まで移動するのはママチャリでは大変ですが、ロードバイクのようなスポーツバ イクなら大した距離ではありません。

1万円ほどの格安ママチャリについて

お願いですから4~5万円出してちゃんとしたクロスバイク買ってください!ちゃんと手入れすれば10年だって楽にもちますから。粗悪品を使い捨て感覚で買 うの は止めましょう。資源の浪費です。勿論危険でもあります。ホームセンターの格安ママチャリが入念に整備されてから売られているとは考えにくいでしょう。自 転車は少々高くても近所の自転車屋で買ってください。

街乗り用お勧めバイク

4万強でかなり軽いアルミのクロスバイクが買えますが、その価格帯のアルミ自転車は乗り心地が悪いと聞くので鉄フレームのクロスバイクを捜すことを勧めま す。タ イヤは28ミリがいいと思います。ロードバイクなら25ミリより細くなりますが、街乗りではこのくらいあったほうが乗り心地が良くなります。実は私が街乗 り用に乗っているクロスバイクがちょうどその二つの条件を満たします。10キロ強のアルミロードバイクより2キロほど重いですが、乗り心地は鉄の フレームの方がまろやかです。もちろんフルカーボンのフレームなら軽くて乗り心地がいいらしいのですが、値段が尋常ではなく、20万近くします。実用車に 20万はちょっと出せません。タイヤの空気圧を管理するため、ポンプは必須です。フランス式バルブというスポーツバイク特有のバルブを使います。自転車探検!で調べてください。ヘルメッ トも着用してください。

(2007年3月追記)

近々道路交通法が改正されることになり、自転車の通行の扱いが変更になるので自転車乗りの間では話題になっています。自分の意見を短くまとめるのは至難の 業ですが、要点をふたつに絞って書いてみます。

その1:自転車事故が増えているらしいのですが、どういう人がどういう自転車をどういう乗り方をして事故を起こしているのかを究明しなければならない。日 本の都会の道路は狭いので車も自転車も歩行者もお互いに譲り合いしなければ共存できません。最終的には事故を起こさないような乗り方を教育し、譲り合いの 精神を育てることが重要です。歩道に白線を引いて歩道の中に自転車道をつくるというような小手先の解決法は解決になりません。

その2:自転車道は車道の脇に車道と同じ平面に設けられるべきです。これは自転車文化が浸透しているドイツやアメリカのオレゴン州ポートランドなどでは当 たり前ですが、日本ではママチャリという、歩道をゆっくり走るのが当然とみなされている乗り物が存在しているので話がややこしくなります。ままちゃりも走 る凶器に容易になりうるので、時速15キロ以上で走るつもりなら原則車道脇の自転車道を走ることを義務化するべきだと思います。確かに道路の狭い日本では 車道脇を走ることになるので危険ですが、ママチャリに乗る人に交通ルールに自覚的になってもらうのには必要です。実際自転車で車道を走っていて驚くのは右 側通行をする自転車が多いことです。ほとんどの場合ママチャリです。歩行者の感覚で自転車に乗って車道を走っているのかと訝しく思います。もちろん危険な 行為です。自転車は車と同じ左側通行です

(2010年追記)

今回家頁更新にあたって読み返し、注の必要を感じたので書きます。

アルミと鉄のフレームによる、乗り心地の違いについて書きましたが、初心者にはそれほど気にすることではないかもしれません。スポーツバイクの初心者には そもそも腰を浮かせてペダルに体重を預ける仕方を十分に体得していない人もいます。フルアルミのフレームが硬くて、鉄のフレームが柔らかく乗り心地がいい というのは、ロードバイクで100キロ以上走らないと事実上問題にならないようなことなので片道5キロの通学に使うのであれば、それほど気にしなくてもい いでしょう。

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