「20世紀ポピュラー音楽の言葉」研究会
 20世紀に飛躍的な発展を遂げたポピュラー音楽は、社会的注目度はかなり高いものの、既存の文化的カノンに縛られて、一般には芸術としてよりも娯楽や産業の観点から語られ、またその意義が高く評価される場合にも、「大衆の心の表現」というように、受容者との大雑把な関係が前面に出されることが多い。もちろん、音楽複製技術や音楽産業、マス・メディアの発展、とりわけ、大衆の成長、といった諸条件に、ポピュラー音楽の発展は大きく依存している。しかし、ポピュラー音楽はその表現形態から見れば、楽曲・歌唱・演奏という音楽固有の要素ばかりではなく、歌詞・舞踊・衣装・舞台などを含む総合芸術であり、こうした芸術性の理解を抜きにしては、その巨大な社会的インパクトの理由を正しく掴むことはできない。本研究は、ポピュラー音楽の総合的理解に向けて、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランスの代表的な歌手の歌を中心対象にして、その歌詞が、一方で「高級文化」の諸テクストと、他方で特定の時代や集団の政治的・社会的意識と築き上げるネットワークを解明することを目的とする。

研究会メンバー・分担テーマ 

田所 光男(研究代表者) ピエ・ノワールの聖歌と68年世代の旗手
藤井 たぎる シュトックハウゼンからテクノ音楽へ
布施 哲 イギリス音楽産業におけるメディア戦略の政治学的分析
長畑 明利 アメリカ・ポピュラー音楽のテクスト分析
藤田 淳志 ブロードウェイ・ミュージカルにおけるエンターテインメント性と政治性のバランスについて
瀧藤 千恵美 ブラジルにおける祭りのテーマ曲のテクスト分析
尾山 晋 イギリス・ポピュラー音楽のテクスト分析
姜 信和 韓国ポピュラー音楽のテクスト分析
研究会・講演会のお知らせ 

2005.12.3(土) 日本比較文学会第20回大会シンポジウム(プログラム)(発表要旨
「20世紀ポピュラー音楽の言葉―その文学的および社会的文脈の解明―」
講師:田所光男(兼司会)、長畑明利、布施哲、藤井たぎる
2005.11.9(水) 研究集会(詳細
発表:滝藤千恵美、尾山晋、藤田惇志
講演:柴田哲雄氏「日本軍占領下の上海における流行歌」
2004.12.17(金) 講演:粕谷祐己氏「アルジェリア社会におけるポピュラー音楽の現在−ライを中心に−」(詳細
2004.12.8(水) 講演:久野陽一氏「抵抗と空想主義――「イマジン」からはじめるメッセージ・ソングの諸相 」(詳細

活動記録
(2005.11.3)