発刊のことば

 

日本アメリカ文学会

中部支部長 市川紀男

 

 『中部アメリカ文学』がようやく出版の運びとなり、会員一同とともにお祝辞を申し上げる次第である。支部研究機関誌の発行は、会員の数がある程度に達すれば当然の帰結であろう。また発表の場が不十分な研究者にとっては長年の夢でもあったろう。とにかくアメリカ文学会中部支部も研究誌を発行するにおよんで、研究情報の発進地として他支部に肩を並べるに至ったことは意義のあることであり、喜ばしいことである。

 しかしながら、研究誌出版までの道のりは平坦ではなかった。詳細は「編集後記」に譲るとして、会費の値上げに会員のご理解とご協力をお願いしなければならなかったし、3年越しの準備委員や編集委員、その他の関係者のご尽力とご苦労は並大抵ではなかった。ここに衷心より謝意を表したい。

 研究誌の使命は、なによりも研究者同士が共通の場を通して、互いに研究成果を確認したり、批判したりしながら、独善的になったり、他と重複する無駄におちいったりせず、確実に一歩なりとも前進し、また研究の視点、方法、領域などを深めたり、広げたりする機会を提供することにあることは言をまたない。

 新しく誕生した『中部アメリカ文学』を育成し、高い水準の研究誌として永続させるには、会員諸氏の熱意と協力を期待する以外にない。本研究誌が投稿者のブレイン・チャイルドを世に送り出す登竜門の一助として長く役目を果たしつづけることを念願して創刊のことばといたしたい。