飯野和夫

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自己紹介と研究分野

私の研究対象は広くは近・現代フランス思想、より具体的には18世紀と現代のフランス思想です。

大学の学部生時代は、私も当時の多くの仲間と同じように現代思想に興味を持ちましたが、大学院に進んだ段階で、そうした思想のルーツをしっかり研究しようと、専門的な研究対象は18世紀思想、特にシャルル・ボネ、コンディヤックら感覚論哲学者へと移しました。日本での学生時代は、思想研究も盛んだったフランス文学専攻の所属で、留学したフランスでは哲学史専攻に所属しました。

他方で、私は現在、「現代」指向の国際言語文化研究科の授業を担当しながら、現代思想も並行して勉強しています。大学院の授業を担当することは一つのきっかけとはなりましたが、現代思想を学ぶこと自体は私には自然なことです。私は研究の出発点から現代は意識していたわけですし、フーコー、デリダをはじめとする多くの現代フランスの思想家が18世紀周辺の思想を考察しているため、18世紀思想研究の立場からも、これら現代の思想家は無視できないからです。

学生を受け入れることができる分野

私の研究対象は以上のようですが、当大学院では、近・現代のフランス思想を学びたいという学生には、私なりに助言ができるのではないかと思います。また、私は、とくに留学時代にフランス文化のさまざまな面にふれて以降、広くフランス文化に興味を持ち続けていますので、近代期のフランス文化のさまざまな面−−近代の美術、18世紀の文学など−−を広い学際的視点から研究しようと志す学生にも、特に思想的背景などの側面から何らかの形で助言ができるのではないかと考えています。

講義内容(現代文化思想分析演習)

当大学院では「現代文化思想分析演習」の授業を担当しています。これまでは、フランス現代の思想家・批評家、具体的にはデリダ、フーコー、バルト、ボードリヤールらの著作を取り上げてきました。原典はフランス語ですが、フランス語を使用言語としない院生も受講できるように、英訳を併用する形をとっています。
フランス語を既習であることは必須ではありませんが、現代の思想、あるいは18−19世紀ヨーロッパ思想に興味を持っていることを受講の条件としています。

推薦図書

  1. Arthur O. Lovejoy, The Great Chain of Being, 1936 (Harvard University Press) [邦訳、アーサー・O・ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』(晶文社)]
  2. Paul Hazard, La pensee europeenne au XVIIIe siecle - De Montesquieu a Lessing, (1946) (Fayard) [邦訳、ポール・アザール『十八世紀ヨーロッパ思想 モンテスキューからレッシングへ』(行人社)(版元品切)]
  3. 平島正郎、管野昭正、高階秀治『徹底討議 19世紀の文学・芸術』, 1975(青土社)
  4. Ernst Robert Curtius, Essai sur la France (traduit de l'allemand), 1932 (Editions de l'Aube : l'Aube poche, 7) [邦訳、クゥルツィウス『フランス文化論』(みすず書房)(版元品切)]

  5. Rene Descartes, Discours de la methode, 1637 (GF FLAMMARION); Les passions de l'ame, 1649 (GF FLAMMARION) [邦訳、デカルト『方法序説・情念論』(中公文庫)]
  6. Voltaire, Lettres philosophiques, 1734 (GF FLAMMARION) [邦訳、ヴォルテール『哲学書簡』(中央公論・世界の名著)]
  7. Condillac, Essai sur l'origine des connaissances humaines, 1746 (ALIVE) (actuellement epuise) [邦訳、コンディヤック『人間認識起源論』(岩波文庫)]
  8. Jean-Jacques Rousseau, Discours sur l'origine de l'inegalite parmi les hommes, 1755 (GF FLAMMARION) [邦訳、ルソー『人間不平等起源論』(岩波文庫)]
  9. Stendhal, De l'amour, 1822 (GF FLAMMARION) [邦訳、スタンダール『恋愛論』(新潮文庫)]

  10. Jacques Derrida, L'archeologie du frivole, 1973 (Galilee) [邦訳、ジャック・デリダ『たわいなさの考古学』(人文書院)]
  11. Michel Foucault, La volonte de savoir, Histoire de la sexualite 1, 1976 (Gallimard : TEL) [邦訳、ミシェル・フーコー『性の歴史1 知への意志』(新潮社)]
  12. Roland Barthes, L'Empire des signes, 1970 (Flammarion) [邦訳、ロラン・バルト『記号の国』(みすず書房)]
  13. 浅田彰『構造と力』, 1983(勁草書房)

研究テーマに関連する主なサイト

  1. インターネットからのフランス研究
    私のページ。インターネットを利用してのフランス関連研究への総合的な案内。
  2. Yahoo France
    最もよく知られた総合情報検索サービスのフランス版。Yahoo には他にカナダ版などもある。
  3. Bienvenue sur Le Monde
    フランスの代表的日刊紙 Le Monde のメインページ。
  4. TF1: L'Info ; France 2 Info en ligne ; France 3 en ligne
    これらのサイトでは、フランスのテレビニュースなどの映像を見ることができる。
  5. ClicNet
    フランスの人文学を中心とした充実した情報ページ。テーマ別の編成。
  6. ATHENA Auteurs d'expression francaise
    インターネット上で公開されているフランス語の電子テキストへの充実したリンク。
  7. Gallica: Images et textes numerises
    フランス国立図書館の電子化された資料 (刊行著作物と画像) を公開する大規模サイト。
  8. Contemporary Philosophy, Critical Theory and Postmodern Thought
    現代の思潮についての網羅的なリスト。同じサイトには記号論に関わるリストもある。
  9. Alapage: tous les livres disponibles en France
    フランス語書籍のオンラインブックストアのしにせ。現在は、Amazon France も進出している。
  10. Booksellers' Directory
    フランス語の書籍を扱う古書店についての情報。オンラインで注文のできる店も含まれている。
  11. 国内言語学関連研究機関WWW ホームページリスト (ロマンス語編)
    国内の言語関連研究機関のホームページのリストから、フランス語関連ページを含むロマンス語編。
  12. 日本フランス語フランス文学会ホームページ
    フランス語フランス文学に限らず広く日本国内のフランス関係学術情報への入り口として使える。

フェルネーでの私(ヴォルテールが晩年を過ごしたジュネーヴ近郊フランス領の町にて、2001年3月)

(2002年12月12日公開、2006年9月1日更新)


多元文化論講座