国際多元文化専攻講義題目(2008年度前期2)
多元文化論講座 先端文化論講座 南北アメリカ言語文化講座 東アジア言語文化講座
ヨーロッパ言語文化講座 ジェンダー論講座 メディアプロフェッショナルコースの講義題目
日本言語文化専攻の講義題目 高度専門職業人コースの講義題目 文系大学院開放科目(pdf)
| 東アジア言語文化講座 |
| ◆韓国・朝鮮語表現論演習 a ◇副題:現代韓国語音韻論の諸問題 ◇担当教員:飯田秀敏 ◇開講時限:前期水曜2限 ◇教室:国言棟共同 A ◇目的・ねらい: 日本語話者を対象とする韓国語教育において教師が備えるべき現代韓国語および日本語の音声学・音韻論的知識を整理し,教育現場で生じると考えられる諸問題を効果的に解決するための方法を検討することを目的とする。 外国語教育において,目標言語と学習者の母語の音声・音韻に関する基本的知識を備えることは教師の必須条件である。しかし,音声学・音韻論の成果をそのまま教育現場に持ち込むことは無用の混乱を引き起こすだけである。学習レベルに応じて,教材・教授法の面でどのように問題解決に迫るべきかという視点から諸問題の検討を試みる。 ◇履修条件等:講者は中級程度以上の韓国語能力を持っていることが望ましい。 ◇講義内容: 15週の講義を問題別に3つの期間に区分する。 1.音声学 韓国語と日本語の音声に関する基礎知識を整理し,問題点を把握し検討する。主に取り上げるテーマは,母音体系,子音体系,音声変化などである。 2.音韻論 韓国語と日本語の音韻に関する基礎知識を整理し,問題点を把握し検討する。主に取り上げるテーマは,音声学と音韻論,音素目録,音素配列,プロソディー,外国語表記などである。 3.文字と発音の関係 文字(ハングル)と発音の関係に関する基礎知識を整理し,問題点を把握し検討する。主に取り上げるテーマは,音声学と音韻論,音素目録,音素配列などである。 各期間をそれぞれ3つの段階に区分する。 (1) 基礎知識の整理 参考書に基づき受講生が整理して報告する。 (2) 問題点の指摘 (1)の報告に基づき授業担当者が指摘する。 (3) 問題解決の方策の検討 受講者全員の討論の形で問題解決の方法を模索する。 なお,期間ごとに4,000字前後のレポートを課す。 ◇成績評価の方法:平常点40%,レポート評価(2回)60% ◇教科書、参考書等:野間秀樹編『韓国語教育論講座 第T巻』くろしお出版 ◇注意事項:特になし。 |
| ◆東アジア言語論演習 a ◇副題:ロシア・ソヴィエト言語学の諸問題 ◇担当教員:柳沢民雄 ◇開講時限:前期火曜3限 ◇教室:文総609 ◇目的・ねらい:ロシア・ソヴィエトの言語類型学の歴史と成果を知り、これが現代の言語研究にとってどの様な意義をもっているのかを知ることを目的にしている。 ◇履修条件等:特になし ◇講義内容: まずロシア・ソヴィエトの言語類型学の歴史を20世紀の30-40年代に焦点を当てて考察する。これはデスニッカヤのロシア語文献(1)を読みながら行う。次にロシア・ソヴィエトの言語類型学の成果と見なされるクリモフの言語類型論を考察する(文献(2)を用いる)。これによってロシア・ソヴィエトの言語類型学の概略を理解した後に、この言語類型論が現代の言語研究にどの様に反映されているかを特に印欧語の研究を使って検討する。具体的には、文献(3)のガムクレリゼとイヴァノフの印欧語文法に展開されている文構造に関する考えと、それに対する西欧の研究者の賛同的あるいは批判的な考えを文献(4)とプリントを用いて検討する。 ◇成績評価の方法:平常点(講読と意見の発表)とレポートによって評価するが、それぞれ7対3の割合で成績評価とする。 ◇教科書: (1) A. V. Desnickaja, Sravnitel'noe jazykoznanie i istorija jazykov. Leningrad. 1984. pp.7-56. (2) G. A. クリモフ「新しい言語類型学」三省堂 1999. (3) T. V. Gamkrelidze, Vjach. V. Ivanov. Indo-European and the Indo-Europeans. I. Mouton de Gruyter. 1995. (4) J. Clackson, Indo-European Linguistics. An Introduction. (Cambridge Textbooks in Linguistics.) Cambridge University Press. 2007. ◇参考書等: (1) Szemernyi, O. J. L. Introduction to Indo-European Linguistics. Oxford: Clarendon Press. 1996. (2) 松本克己「世界言語への視座――歴史言語学と言語類型学」三省堂、2006. ◇注意事項:特になし |
| ◆漢民族文化論 a ◇担当教員:楊暁文 ◇副題:中国における1920〜30年代の文学と知識人 ◇開講時限:前期月曜6限 ◇教室:国言棟1F演 ◇目的・ねらい: I. 中国における1920〜30年代の文学とは何か、当時の知識人が何を考え、激動の時代をどう生き抜いたのかを理解する。 II. 中国文学研究における方法論等を学ぶ。 ◇履修条件等:後期(漢民族文化論b)も引き続き履修することが望ましい。 ◇講義内容: 中国における1920〜30年代の文学を対象として考える場合、種々さまざまな角度による考察が可能であるが、本講義では、受容と展開という視点からのアプローチを試みる。中国近現代文芸の草創期には、海外の文芸理論の紹介が盛んに行われていた。欧米からの直接的な受容も見受けられたが、アジアでいち早く近代化を成し遂げ、かつ漢字を共有する日本を経由して間接的にそれを吸収するケースが最も多く、そこに日本的な工夫が加味されたからこそ、中国のインテリの興味と関心を惹いたのではなかろうか。厨川白村の文芸理論専門書『苦悶の象徴』の中国語訳が魯迅と豊子ガイ [「ガイ」は立心偏に「豈」] により同時に出版されたのは、このことを雄弁に物語っている。『苦悶の象徴』が民国文壇にどのような影響を与えたか、中国の知識人はそれをいかに自分のものとしたのか、『苦悶の象徴』の受容過程に見出される文化的戦略とは何かなどについて、この講義を通して考えていく。 I.『苦悶の象徴』の翻訳に見られる魯迅の意図や、白村理論を魯迅がどのように自らの創作にいかしたのかをめぐって、一部講読もまじえて講義する。 II. 豊子ガイがいかに『苦悶の象徴』を受容し、展開していったかを分析する。 III. 受講者がそれぞれ自らの研究テーマについて発表し、それについて全員で討論する。 ◇成績評価の方法:出席(30%)と、研究発表もしくは学期末のレポート提出(70%)による。 ◇教科書、参考書等:別途指定する。 ◇注意事項:特になし。 |
| ◆現代中国語表現論 a ◇副題:中国語学の諸問題 ◇担当教員:丸尾誠 ◇開講時限:前期月曜3限 ◇教室:文総609 ◇目的・ねらい: 本講義では中国語学に関する中国語で書かれた論文(必要に応じて日本語で書かれたものを扱うこともある)の講読を通して、現代中国語における文法研究の方法論を身につけていく。 ◇履修条件等:後期(現代中国語表現論b)も引き続き履修することが望ましい。 ◇講義内容: ある言語事象について、その問題の所在を明らかにするとともに、形式・意味・語用・認知などの側面から、総合的に分析を加えていく。 講義時には、一般言語学的な視点をも交えて、現代中国語の文法事項について相対的に論じる。一般言語学における言語理論が、往々にしてその特異性ばかりが強調されがちである中国語という言語を分析する際にどこまで有用かという問題についても併せて考えてみたい。履修の前提として言語学・日本語学・英語学などの知識をある程度有することが望ましい。従って、専門外の学生については、必要に応じて当該事項や概念・用語を調べてくることを別途課題として課すことがある。 開講時より数回にわたって中国語の文法概念・文法的特徴などを論じ、その後、論文講読を通して個別の具体的な問題を扱う。 ◇成績評価の方法: レポートほぼ100%。出席などによる平常点は成績評価時に、補助的に用いることがある。課題は原則として授業で扱った複数のテーマの中から選択できる形式とし、その中に「自分の興味のある文法事象」について自由に論じるものも入れる予定である。その場合、問題の発掘という点が、とりわけ重要となる。 ◇教科書、参考書等: プリントを配布する。学界の動向をも見据えつつ、定期的に刊行される学術雑誌の新しい論文・著書に細心の注意を払い、必要に応じてそれを教材として使用することもある。 取り扱うテーマに関連する個別の専門書・論文等については授業時に随時紹介するものの、中国語の文法を体系的に理解し、理論を構築していく際の前提となるものとして、以下に挙げるものに常日頃目を通して、文法研究の方法論を把握しておくことが望ましい。 (1) 朱徳煕《語法講義》商務印書館(邦訳:『文法講義』杉村博文・木村英樹訳,白帝社) (2) 朱徳煕《語法答問》商務印書館(邦訳:『文法のはなし−朱徳煕教授の文法問答−』中川正之・木村英樹編訳,光生館) ※この (2) については邦訳本の方に訳者による詳しい注釈がついており、参考になるところが大きい。 (3) 輿水優『中国語の語法の話 −中国語文法概論−』光生館 ◇注意事項:特になし |
| ◆日中対照表現演習 a ◇担当教員:勝川裕子 ◇開講時限:今年度は開講しない。 |
| ◆現代中国語表現論演習 a ◇副題:日中対照研究の可能性 ◇担当教員:勝川裕子 ◇教室:国言棟ラウンジ ◇開講時限:前期火曜4限 ◇目的・ねらい: (1)主に中国語文法に関する諸問題を取り上げ、論文講読を通じて、問題の設定やアプローチの仕方等、文法研究の方法を学ぶ。 (2)言語教育への応用を目的とした日中対照研究の可能性を探る。 ◇履修条件等:特になし ◇講義内容: 言語の表現形式はその言語を使用する民族集団の事象・現象・心象に対する認識を反映している。本演習では、中国語話者が、空間・時間・数量・否定・可能などに関わる事象をどのように認識し、それがどのように言語化されているかについて、統語的、意味的側面から探っていく。同時に、日本語表現との比較対照を通じて、それぞれの言語内部に見られる種々の現象を有機的に関連付けていきたい。また、中国語教育、日本語教育において、日中対照研究の成果をいかに応用していくかについても併せて考えていく。 授業計画としては、授業前半では中国語の文法概念・文法的特徴に関する基本的なテーマを取り上げ、論文を講読しながら、全員で討論する。授業後半では毎回、受講者による研究発表(20分)とそれに対する質疑応答(10分)を行う。発表担当者には、授業で取り上げたテーマ、もしくは中国語・日本語における任意の言語事象を取り上げ、問題点の整理と独自の分析・考察を発表してもらう。(※発表の1週間前までにレジュメを作成し、教員の添削、修正を経た上で発表に臨んでもらいます。) ◇成績評価の方法: 以下の3点に基づき、総合的に評価する。 (1) 授業(ディスカッション等)への参加度(30%) (2) 研究発表(30%) (3) 学期末のレポート(40%) ※(2)(3)に関して、特に言語専門の受講者は、自らが関心を持つ任意の言語事象を取り上げ、関連付けて分析を深めていくことが望ましい。 ◇教科書・参考書等: 講読用プリントを配布する。その他、取り上げるテーマに関連する個別の参考文献等についても、授業時に随時紹介していく。 以下の文献は、中国語文法の体系的把握や文法研究の方法論理解に役立つので、早めに読んでおくとよい。 (1) 朱徳煕 《語法講義》 商務印書館 (邦訳:朱徳煕著 杉村博文・木村英樹訳 『文法講義』 白帝社) (2) 呂叔湘等著・馬慶株編 《語法研究入門》 商務印書館 (3) 陸倹明 《現代漢語語法研究教程》 北京大学出版社 (4) 徐烈炯・邵敬敏主編 《漢語語法研究的新拓展》 浙江教育出版社 (5) 大河内康憲編 『日本語と中国語の対照研究論文集』 くろしお出版 ◇注意事項: 中国語論文も題材として扱うため、中国語がある程度理解できることが望ましい。 本演習は受講者の人数、関心等に応じて内容を調整し、演習形式で進めるため、発表・ディスカッションを通じた積極的な参加を期待する。尚、専門分野を問わず、言語に対する強い関心や意欲のある学生の履修は大いに歓迎する。 |
| ◆現代中国語表現技術演習 a ◇担当教員:丸尾誠 ◇開講時限:今年度は開講しない。 |
| ヨーロッパ言語文化講座 |
| ◆トランスレーション言説分析論 a ◇副題:翻訳思想の現在 ◇担当教員:吉村正和 ◇開講時間:前期月曜2限 ◇教室: 文総623 ◇講義目的:最新の翻訳理論を学習し、翻訳と解釈に関わる諸問題について新しい知見を得る。 ◇講義内容: 主として翻訳における解釈の問題を扱う。 (1)現代における翻訳理論の全体像を俯瞰的に把握する。主観的な意味解釈に基づく文化的なアプローチと言語的なアプローチの両者をあわせて新しい翻訳理論を提出した「トランスレーション・スタディーズ」の動きを中心にして考察する。1980年代以降の新しい翻訳理論が、1960年代までの「意味の等価」という公式をどのようにして克服し、文化的枠組みのなかで機能する翻訳理論へと発展させていったか、そのプロセスについて概観する。 (2)翻訳の歴史的な経緯について概観する。対象となる翻訳史は、日本、中国などである。それぞれの翻訳史は、基盤となる文化的特性と密接に関係しながら独自の展開を遂げているが、ここではその翻訳の文化的様態に見られるさまざまな特徴について検討することになる。 (3)授業の進め方は、前半で毎回指定のプリントを読み、後半で受講者の発表するレポートを基にした全員参加の討論による。 ◇教科書・参考書: 教科書は、第1回の授業において指示する。数種類のプリントを使用する。参考書としては、以下のものを参照。 井筒俊彦『意識と本質』(岩波文庫) ムーナン『翻訳の理論』(朝日出版社) ナイダ『翻訳―理論と実際』(研究社) 芳賀徹編『翻訳と日本文化』(山川出版社) 大橋良介編『文化の翻訳可能性』(人文書院) 丸山真男・加藤周一『翻訳と日本の近代』(岩波新書) 柳父章『翻訳語成立事情』(岩波新書)など ◇成績評価: 成績評価は平常点と、前期に各自1回ずつ行う研究発表とレポートの総計点により評価する。内訳は、平常点(出席率を含む。50%)、口頭発表(前期1回。30%)、レポート(前期1回。20%)である。 |
| ◆ヨーロッパ都市文化論 a ◇副題:「小説」を通して見る前期ヴィクトリア朝の時代精神と社会風潮 ◇担当教員:松岡光治 ◇開講時限:前期金曜6限 ◇教室:国言棟1F演 ◇目的・ねらい: この授業は将来高校や大学で教養レヴェルの英語を教えるための読解力養成を兼ねている。真摯な受講生は、英語の文学作品やその他の文献の精読および多読により、英語読解力が徹底的に鍛えられる。また、英語読解力の向上とは別に、人口に膾炙した問題でも、独自のアプローチをするために必要な新しい視点の発見に努めてもらう。 ◇履修条件等:授業は英語文献の輪読および教員の解説が中心となるが、担当以外の箇所も真摯に予習する義務が課される。 ◇講義内容: ヴィクトリア朝の小説家(特にディケンズ、ギャスケル、ギッシング)の作品には、当時の人々が都市に対して抱いていたアンビヴァレンスをイメージ化した言説が充満している。ヴィクトリア朝の都市は、単なる背景を提供する場ではなく、綺羅星のように光かがやくと同時に、悪夢のように恐ろしい空間であった。都市の繁栄の裏面にあるスラム街、貧困、犯罪、売春、アヘン中毒などは、そうした都市空間の脆弱さを表象したものだと言える。授業では、このように近代人の意識が捉えた都市のイメージをできるだけ多くの視点から考察するが、独自のアプローチをするための新しい視点の発見には学際的研究が必要で、授業とは別に様々な文化史および批評理論関連の文献を読んでもらう。 今年度の前期は、前期ヴィクトリア朝の作家で、2010年に生誕200年を迎えるエリザベス・ギャスケルの "Libbie Marsh's Three Eras" (1847) と彼女の才能を見出したチャールズ・ディケンズの "The Poor Relation's Story" (1852) を演習形式で読み、前期ヴィクトリア朝の労働者階級における様々な社会問題を考察する。 ◇成績評価の方法:担当箇所の発表(30%)、質疑応答への参加(30%)、前期のレポート(40%)。 ◇教科書、参考書等: 指定されたサイト(http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/~matsuoka/misc/eg-libbie.doc, http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/~matsuoka/misc/cd-relation.doc)から電子テキスト(MSワード文書)をダウンロードし、プリントアウトしたものを使うこと。ギャスケルに関する情報については教員のウェブ・サイト "The Gaskell Web" を、ディケンズについてはディケンズ・フェロウシップ日本支部のホームページを参照。 ◇注意事項: この授業にはメーリング・リスト(urban@lang.nagoya-u.ac.jp)がある。正当な理由があれば授業の欠席を許可するが、担当箇所は事前にメーリング・リストに流すこと。 |
| ◆ヨーロッパ文化芸術論 a ◇担当教員:西川智之 ◇開講時限:前期火曜3限 ◇教室:国言棟1F演 ◇目的・ねらい: 19世紀後半から20世紀初頭にかけてのヨーロッパでは、文化・芸術・学問などの様々な分野で大きな変革の動きがあった。そうした変動を生み出した要因のひとつが、市民階級の台頭であった。本講義では、19世紀ヨーロッパ、主にドイツ語圏の市民階級に焦点を絞り、当時彼らがどのような生活を送り、どのような考え方を持っていたのかを知ることで、ヨーロッパが近代から現代へと変貌を遂げていく過程の一端を明らかにしたい。 ◇履修条件等: 主にドイツ語圏の文化・芸術を扱うことになるので、ドイツ語の基礎知識があること、あるいはそうした分野を研究対象とすることが望ましいが、それ以外の学生の受講を認めないというわけではない。 後期同じ時限に開講される「ヨーロッパ文化・芸術論b」を続けて受講することが望ましい。 ◇講義内容: 前期は、19世紀を中心とした、ドイツ語圏の市民階級について、一般的な知識を身につけてもらいたい。扱う予定の文献は以下の部分に挙げてあるが、その中のどの文献のどの章を読むかは、受講者の人数や顔ぶれを見て決めていく。授業では、扱う文献について毎週担当者を決め、レポートしてもらう。少人数の授業になることが予想され、レポートの担当は数週間に及ぶと思われるので、その点も覚悟して受講してほしい。期末には、今期の授業で扱った内容に即したレポートを提出してもらう。 ◇成績評価の方法: 平常の授業への取り組み30%、担当してもらうレポート40%、期末レポート30%。 ◇参考文献・扱う予定の文献: マックス・フォン・ベーン『ドイツ18世紀の文化と社会』(三修社)、マックス・フォン・ベーン『ビーダーマイヤー時代―ドイツ19世紀前半の文化と社会』(三修社)、ロベール・ミュシャンブレッド『近代人の誕生―フランス民衆社会と習俗の文明化』(筑摩書房)、インゲボルク・ヴェーバー=ケラーマン『ドイツの家族』(勁草書房)、宮本直美『教養の歴史社会学』(岩波書店)、若尾祐司編著『近代ヨーロッパの探求2 家族』(ミネルヴァ書房)、小田部胤久『芸術の逆説 近代美学の成立』(東京大学出版会)、小田部胤久『芸術の条件 近代美学の境界』(東京大学出版会)、ウィリアム・ウェーバー『音楽と中産階級 音楽の社会史』(法政大学出版局)、山之内克子『世界史リブレット74 啓蒙都市ウィーン』(山川出版社)、弓削尚子『『世界史リブレット88 啓蒙の世紀と文明観』(山川出版社)、ピーター・ゲイ『シュニッツラーの世紀』(岩波書店)、アレグザンダー・リンガー編『西洋の音楽と社会7 ロマン主義と革命の時代』(音楽之友社)、ジム・サムソン編『西洋の音楽と社会8 市民音楽の抬頭 後期ロマン派I』(音楽之友社)、ジム・サムソン編『西洋の音楽と社会9 世紀末とナショナリズム 後期ロマン派』(音楽之友社) |
| ◆ヨーロッパ文化分析批評論 a ◇副題:(英語)論文の書き方 ◇担当教員:上原早苗 ◇開講時限:前期木曜5限 ◇教室:文総623 ◇ 目的・ねらい:(1)(英語)論文の書き方の基礎を学ぶ、(2)英語のロジックの展開法に習熟する。 ◇履修条件等:授業で扱うテキストは平易な英語で書かれているが、油断せずに丁寧に予習すること。また本授業の応用・実践編でもあるヨーロッパ文化分析批評論b(後期)を併せて履修することが望ましい。 ◇ 講義内容: この授業は、研究論文や学位論文の書き方の基礎を学ぶことを目標とするものである。具体的な授業の展開は以下のとおり。 1 はじめに パラグラフ・ライティングの基礎 2 研究論文・学位論文の構成 3 序章に何を書くのか(序章の6つのmovesとは何か) 4 パラフレーズとは何か 5 論文の文体とは 6 (英語の)ロジックの展開法とは 7 終章に何を書くのか(終章の3つのmovesとは何か) 授業では主として英語論文の書き方に的を絞って講義を進めるが、英語論文の書き方に習熟することは、結果として英語論文のみならず日本語論文の書き方の向上にも繋がるだろう。 なお授業の進め方としては、講義を行うだけではなく、受講者の発表、討論を通じてより大きな成果をあげたいと考えている。受講者には文献を批判的に読む、あるいは文献に批判を加えたうえで自身の論を構築して書いてゆく、という基本的な姿勢を身につけてもらいたいと思う。 この授業の受講者として念頭にあるのは、論文の読み方・書き方の基礎を学びたいと思っている学生、あるいは英語文献に慣れ親しみたいと考えている学生だが、知的好奇心のある「勤勉な」学生であれば、誰でも受講することを歓迎する。 ◇テキスト:プリント使用(以下の文献の一部を取り上げる)。 1 Dissertation Writing (Durham: Durham University, 1991) 2 Paragraph and Essay Writing (自主教材) ◇参考書:英英辞典。Oxford Advanced Learner's Dictionary が望ましい。 ◇ 成績評価:授業への貢献度+レポートの内容 |
| ◆国際社会学演習 a ◇副題:集合的アイデンティティ・公共圏・メディア:1 ◇担当教員:鶴巻泉子 ◇開講時限:前期月曜5限 ◇教室:国言棟1F演 ◇目的・ねらい: メディアを通じた公共圏・集合的アイデンティティの形成と、そのプロセスへの包摂・排除の問題をテーマとする。文献の精読を通じて既存研究の流れとその視座・問題設定の違いを確認すると共に、近年の研究動向・課題についても学ぶ。 ◇履修条件等: 前期「演習a」・後期「演習b」を通した受講が望ましいが、どちらかのみの受講も可能。前期には理論的文献の講読、後期には実証研究の検討と個別発表に重点が置かれる。 ◇講義内容: この授業は次の2つの問題関心に基づいている。 A.コミュニケーション技術の発展は近代化、国民国家の創出と密接に結びついてきた。現在のヨーロッパにおいて、メディアはどのように集合的アイデンティティや公共圏形成と関わっていると言えるだろうか。この授業では特に、想像された共同体としての国民国家と伝統メディアの関係、他方ではトランスナショナルな空間の表出に着目したい。例えば独・仏共同経営のアルテ・テレビやヨーロッパのジャーナリストが協働するユーロ・ニュースなどは新しいヨーロッパ公共圏を創出していると言えるだろうか。グローバル・メディア(CNN, BBC, アルジャジーラ)の登場はグローバル・ジャーナリズム(つまり国民国家の視点を超えるようなジャーナリズム)とどこまで結びつくだろうか。 B. 共同体の創出と密接に関わる一方で、メディアは常に排除される集団を作り出してきた。社会的に排除された集団――例えば何らかの障害を持つ人々、女性、高齢者、失業者、エスニック・マイノリティなど――は、一般に主流メディアからも排除される傾向がある。この排除のメカニズム、様式、要因をどのように説明できるだろうか。この問題を、特にヨーロッパにおけるエスニック・マイノリティを素材としながら考えてみたい。特に主流メディアにおけるマイノリティ表象・レイシズム研究と、制作者と発信プロセスの研究に重点をおいて検討する予定である。 授業の形式としては講読が中心となる。まず、ハーバーマスやアレントに代表される古典とその批判文献の講読を通じて、公共圏/公共空間に関する議論と問題点を整理する。その上でメディア空間と公共圏の関係を様々なアプローチから考えていく。最後に、グローバル化がもたらす問題をメディア産業、グローバル・メディア、エスニック・メディアの問題などと絡めて検討する。 ※ 初回講義はガイダンスにあて、参加者の専門・希望を考慮しながら講読テキストを選択する。また、初回・第2回目を通じてレジュメの作り方や文献・資料引用、ディスカッション・ポイントの提示などを説明。 ◇成績評価の方法:議論への積極的な参加(50%) と講読文献の担当発表 (50%)。 ◇教科書、参考書等:初回授業時にリストを配布。 ◇注意事項: この授業はあらかじめ特定の専門知識を必要とするものではありません。専門外の方々の参加を大いに歓迎します。ただし、講読文献を必ず前もって読んで授業に望むこと、さらに積極的に議論・発表に参加していただくことが受講の条件となります。また欠席の際には前もってメール(tsurumaki@nagoya-u.jp)・電話(789-4798)などでの連絡を御願いします。 |
| ◆現代ドイツ語表現技術演習 a ◇副題:"Bastian Sicks 'Der Dativ ist dem Genitiv sein Feind'. Sprachpuristische Besserwisserei oder nuetzliche Sprachkritik?" ◇担当教員:イェルク・ペータース ◇開講時限:前期月曜4限 ◇教室:国言棟1F演 ◇目的 : Diese Veranstaltung ist fuer Studenten aller Fakultaeten gedacht, die sich akademisch mit der deutschen Sprache und (Alltags-) Kultur -- im Vergleich mit Japan -- auseinandersetzen wollen. ◇履修条件等: Da Lektuere und Diskussionen im Seminar ausschliesslich auf Deutsch stattfinden, sind sehr gute Sprachkenntnisse unerlaesslich. ◇講義内容: Bastian Sicks "Zwiebelfisch"-Kolumnen im "Spiegel" ueber den Zustand der deutschen Sprache bzw. ueber die Sprachverwendung seiner Sprecher - spaeter waren dann die Kolumnen gesammelt als Buch zu lesen - haben kontroverse Reaktionen hervorgerufen: Sowohl positive wie "Mich stoeren am meisten Gedankenlosigkeit bei der Wortwahl und grammatikalische Schlamperei. Diese Suenden werden vom Zwiebelfisch in vorbildlicher Weise gegeisselt ... "als auch negative: "... mir [ging] dieser oberlehrerhafte Ton nach einigen Kapiteln ordentlich auf die Nerven" Im Seminar wollen wir eroertern, ob populaerwissenschaftlich-feuilletonistische Kritik wie die von Sick der Sprachgemeinschaft einen Nutzen bringt oder ob sie bloss ein Aergernis -- fuer die Gegner jeglicher Sprachlenkung -- oder Unterhaltung -- fuer die Freunde -- darstellt.. ◇成績評価の方法:Mitarbeit im Seminar, Hausaufgaben ◇教科書、参考書等:Kopien |
| ◆現代フランス語表現技術演習 a ◇副題:La dissertation en francais ◇担当教員:Garance Ducros ◇開講時限:前期月曜1限 ◇教室:国言棟1F演 ◇講義内容: Des grandes etapes de la composition a la presentation des arguments, nous etudierons l'exercice de la dissertation en allant du plus general au plus particulier. Nous reviserons aussi le vocabulaire necessaire pour ce type d'ecrit. Le cours sera entierement en francais. ◇成績評価:participation en cours (60%) et examen final (40%) |
| ジェンダー論講座 |
| ◆ ジェンダーと文学 a ◇副題:欧米のフェミニズム/ジェンダー文学批評の流れ ◇担当教員:星野幸代 ◇開講時限:前期金曜3限 ◇教室:国言棟1F演 ◇目的・ねらい:欧米のフェミニズム/ジェンダー文学批評を、批評史的に主要な文学作品、批評を読むことにより学ぶ。 ◇履修条件等:特になし ◇授業内容: ○授業の進め方 作品ごとに担当者を決める。担当者は作家、作品が従来どのように評価されてきたかを紹介/該当する論文の論旨をまとめ/自分の疑問点・意見をあげ/問題にしたい点を提示する。(レジュメにして配布)。 基本的に一〜二回ごとに一作品+論文を扱う(下に挙げるテキストのうち*とあるものは授業二回ずつ使う予定)。作品の順番は担当者の都合を考慮する。 初回はガイダンス。授業のねらいと年間の流れを確認/テキストについて批評史的な位置づけを略紹/担当の仕方、レジュメの例/担当者を決める。 ★4月18日が休講のため、4月11日の3限にガイダンスを予定。追って掲示する。 以下のテキストを読み合わせることを通じて、欧米のフェミニズム/ジェンダー文学批評史的に主要な文学作品をおさえ、フェミニズム/ジェンダー文学批評史の流れを理解し、またそれらによる文学批評の方法を学ぶ。 ○テキスト(作品+論文。作品年代順。英語の原文は省略)☆購入の義務はありません。 メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』1818 エレン・モアズ「女流ゴシック文学」『女性と文学』研究社 オールコット『若草物語』1868、フォスター/シモンズ『本を読む少女たち』柏書房2002 サラ・ジュイット・オーン「マーサのレディ」1897 渡辺和子「ロマンティックな友情」の表象―ジュエットとフリーマンのクローゼットのなかの女同士の関係」藤森かよこ編『クイア批評』世織書房2004 *シャーロット・ブロンテ「ジェーン・エア」1847 ギルバート/グーバー「シャーロット・ブロンテの自我のスペクトル」『屋根裏の狂女』朝日出版社1985 *D.H.ロレンス「チャタレー夫人の恋人」 1928 ケイト・ミレット「「D.H.ロレンス1献身的」ケイト・ミレット『性の政治学』ドメス出版1985 *ヴァージニア・ウルフ「灯台へ」1929 水田宗子「芸術家への自己出産物語における母と娘」『二十世紀の女性表現』2003 *ドリス・レッシング「黄金のノート」1962 水田宗子「狂気の共有―ドリス・レッシングと現代のフェミニズム」 水田宗子『フェミニズムの彼方――女性表現の深層』講談社1991 アドリエンヌ・リッチ「母であること、娘であること」アドリエンヌ・リッチ『女から生まれる』晶文社1990 ◇成績評価: 担当一回以上と、十回以上の授業参加が単位取得の必要条件とする。担当発表7割、出席・発言による授業貢献を3割で評価する。 ◇教科書、参考書:その他、授業時に指示します。 ◇注意事項:4月18日出張のため休講。そのため4月11日の3限にガイダンスを予定。追って掲示します。 |
| ◆ ジェンダーとセクシュアリティ a ◇副題:レズビアン小説研究 ◇担当教員:松下千雅子 ◇開講時間: 前期火曜4限 ◇教室:国言棟1F演 ◇目的・ねらい:(1)レズビアンの歴史を学ぶ (2)レズビアンを描いた小説の読解を行う (3)テクスト分析のための理論を学ぶ ◇講義内容: アメリカにおけるレズビアンの歴史を学びながら、レズビアンやレズビアニズムを主題にした文学テクストのなかでセクシュアリティや欲望がいかなる形で表象されているかを分析する。テクスト分析のためのツールとして、フェミニズム、ジェンダー研究、セクシュアリティ研究、クィア研究などの分野における理論書を読み、文学テクスト読解に応用しつつ、読みの実践を通じてその有効性を問う。受講生の活発な議論を期待する。 ◇成績評価:授業への貢献度30%、レポート70% ◇教科書・参考書(一部を除いてコースパックを用意する) <歴史> Faderman, Lillian. Odd Girls and Twilight Lovers <文学> Cather, Willa. My Antonia. ---. "Paul's Case." Hemingway, Ernest. "The Sea Change." ---. The Garden of Eden <理論> Butler, Judith. Bodies That Matter Sedgwick, Eve Kosofsky. Tendencies. oof, Judith. Come As You Are. 竹村和子.『愛について』 ◇注意事項: 授業で使用する文献は、大半が英語で書かれたものである。できるかぎり原書で読むことが望ましいが、研究領域が英語圏以外の学生に対しては、翻訳を用いることを認める。 |
| ◆ ジェンダーと経済 a ◇担当教員:新井美佐子 ◇開講時間:前期木曜6限(開講後、受講者と相談の上、変更の可能性あり) ◇教室:国言棟1F演 ◇目的・ねらい: ・経済学あるいは経済事象にジェンダー視点から接近し、そこにおける問題点を理解する。 ・文献の講読、レジュメ作成、ディスカッションへの参加を通じ、論文を書く、意見を交わすといった研究活動の基礎を修得する。 ◇履修条件等: 特になし。後期開講の「ジェンダーと経済b」を継続受講することで、上記「目的・ねらい」がより達成されると思われる。また、下記「注意事項」も参照のこと。 ◇演習内容: 経済学では、いわゆる主流派、非主流派の双方において、長らくジェンダー視点が欠落していた。このことを見直し、経済学やジェンダー研究の学問的発展につなげようとする動きが活発化したのは、1990年代に入ってからに過ぎない。本演習では、女性研究者を中心に、学派の相違を越えて取り組まれているこうした試み‐「フェミニスト経済学」‐について、国内外の文献から学ぶ。 具体的な内容は以下の通り。 初講はオリエンテーションを行う。 続く第2講以降、数講かけて、久場嬉子(2002)「ジェンダーと『経済学批判』‐フェミニスト経済学の展開と革新‐」(久場編『経済学とジェンダー』明石書店叢書、所収。希望者には初回にオリジナルを貸すので、事前の入手は不要)をテキストに、経済学におけるジェンダー研究の概要を把握する。 その後、主に理論研究を扱った文献を、次のような手順で講読する。 1. 報告者による講読文献のまとめ(要レジュメ) 2. 用語・内容等に関する質疑応答や解説 3. 報告者あるいは受講者が提示したディスカッション・ポイントについて議論 レジュメには、単に講読文献の抜書きを羅列するのではなく、講読文献の構成や内容が明瞭に捉えられるよう工夫を凝らして欲しい。またディスカッション・ポイントの提示に際しては、講読文献の内容を補足あるいは発展させるようなデータや文献、資料を添付するなどしても構わない(むしろ望ましい)。これらの作業は、テーマに関わらず、「論文を書く」‐既存研究の不足点あるいは批判すべき点を見出し、問題として設定し、適切な方法と過不足なく明確な論述によって解を示す‐ための訓練の一つとなろう。 具体的な講読文献については、受講者の希望等を考慮して決定する。なお、後期開講の「同演習b」では、(本演習での理論研究に関する文献に対し、)実証分析に関する文献を取り上げる予定である。 さらに、教員あるいは受講者が参加した関連学会・研究会に関する報告なども適宜行い、最新の研究成果の紹介に努める。 「経済」という語がカバーする範囲はいうまでもなく非常に広く、特にジェンダーとの関わりが深いと考えられる分野に限っても、労働、子育て・介護をはじめとする社会的再生産、社会保障、あるいはグローバルな経済システム等、多様である。本演習でこれら全てについて検討することは無論不可能であるが、上記のような様々な経済領域が密接に関わりあっているということを常に念頭に置き、広い視野でジェンダーを理解するよう心掛けて頂きたい。なお、本演習を通じて、ジェンダー研究が、女性(とりわけ、いわゆる「働く女性」)のみの利益を追求・主張するものでは決してないことが理解されると思う。 ◇成績評価方法:毎回のディスカッションへの参加度(50%)、ならびに報告担当時のレジュメ/ディスカッション・ポイントの内容(50%)。 ◇教科書・参考書等:上記「演習内容」を参照のこと。参考書については、演習中に適宜指示する。 ◇注意事項: 経済学の知識を備えた上での受講が望ましいことは無論だが、必須ではない。「経済」とは、われわれの「日常生活」とも言い換え得る身近な活動であり、そこにおけるジェンダー問題とは誰しも無関係ではないはずである。受講者の希望(言語、難易度など)を可能な限り考慮して講読文献を決める予定なので、専門分野を問わず、また単位が不要であっても、関心や意欲のある学生の真摯な受講は大いに歓迎する。 なお、欠席する際には、メール等にて極力事前連絡のこと。 |
(2008.12.10)