Life Revolution!―「ほめてあげたい自分」を実感しませんか―

太田 康子(国際言語文化研究科博士後期課程在学中

 

私は平成10年4月、国際言語文化研究科の創設時より今日までの3年間に体験した大学院生活からこの大学院の特色と現在の心境について述べたいと思います。これから大学院進学を希望される方、とりわけ、私と同様な社会人の方に読んでいただければ幸いです。 

この大学院には様々な年代、国籍、職業の院生が集まり、それぞれの目的や思いを抱いて熱心に研究しています。特に研究への意欲と目的意識さえあれば、私のように大学を卒業して久しい者や研究時間の限られた社会人にも扉は大きく開かれています。私のフランス語歴は大学生の頃に見たアラン・ドロン主演の映画「冒険者たち」('67)を原語で楽しみたいという単純なきっかけから始まり、フランス語を専門に勉強するために再び大学に入学しました。卒業後、中高生に英語を指導してきた私は生徒たちに刺激され、次に大学院受験に挑みました。大学院はこのような「冒険者」の私を受け入れてくれました。  

大学院では様々な外国の言語や文化を研究する日本人や外国人の院生と出会うことができます。同じくフランスについて研究する学生たちだけの中で勉強してきた大学と異なり、私にとってこの大学院の環境は全く新鮮です。異なった言語や文化を習得、研究する院生の間では互いに尊敬の念を持ち、それぞれマイペースで自分の研究に取り組んでいます。また名古屋大学内の他の研究科でも受講できるため、より多くの出会いが可能です。

研究について、従来の古典的な偏見や枠組みにとらわれない、自由な研究ができるのもこの大学院の特色です。映画、アニメ、音楽、ダンス、あるいは性に関するもの等興味深いテーマで研究している院生がたくさんいます。私は19世紀後半のフランスで起きたジャポニスム(日本の浮世絵ブーム)に貢献したゴンクール兄弟の審美観について研究しています。私の研究は文学、美術、社会の複数の分野に及ぶにもかかわらず、大学院では様々な院生の研究に対応するため多くの先生方がいらっしゃるので十分なアドバイスをいただけます。とりわけ私のようにフランスだけでなく、同時代の近隣ヨーロッパ諸国の研究をも必要とする者にとって現代ヨーロッパ表現科学講座は理想的な講座といえます。指導教官の熊沢先生には常に研究の進行状況を確認しながらアドバイスや多くの参考資料をいただき、親身なご指導の下で修士論文を完成することができました。また先生の研究者、教育者としての豊富な経験談は今後の私の人生にとって大変貴重なものです。

このように国際言語文化研究科多元文化は「象牙の塔」という従来の大学院のイメージを払拭した、自由で解放された21世紀の大学院といえます。             

多くの人々との出会いがあり、支えられながら前期課程を修了した私は幸運なことに後期課程進学と同時にフランス語の非常勤講師の仕事に就くことができました。アラン・ドロンからフランス語講師までの思いがけない展開を可能にしたのはこの大学院でした。副指導教官の田所先生は講義中に修士論文作成に関して「限界まで努力した人は美しい。だから皆さん頑張って下さい。」とおっしゃって我々を激励していただいたことがありました。美しくはなりたいのですが限界に達するまではまだまだと実感する私は現在、博士論文作成を目標に努めています。

2002年春には我々の大学院の建物が完成します。新しく快適な環境の中で自分がどれくらいまで頑張れるか、自己の最大限の可能性を引き出せるか、あなたも挑んでみませんか。そして私たち院生と一緒に「ほめてあげたい自分」を実感しませんか。国際言語文化研究科多元文化はあなたにそのチャンスを与えてくれる場なのです。 

(2001.6.2)