東アジア言語文化講座
大学院生・修了生エッセイ集


谷金榜(平成27年度博士前期課程修了)
 「人生の態度」
 「今までの人生はついていましたか。」と聞かれる時があります。
 「ついていましたよ。」と私は即座に答えます。
 三年半の日本での留学期間において、いろいろな困難を乗り越えてきましたが、本当についているかどうかは自分にしかわからず、
運と不運は半分ずつだと言えるでしょう。なぜ「ついていた」と答えるかというと、不運が半分あると言っても、まだ半分の幸運を
持っており、それを大切にしたいからです。自分の人生に直面して、世の中の物事を考える時、まずは笑顔で、楽観的な態度を示す
のは大事だと思います。楽しくても一日、悲しくても一日ということなら、なぜ楽しく一日を過ごすことを選ばないのでしょうか。
これらの困難を乗り越えた時、周りの先生や友達が大いに助けてくれたから、人生がそこまで悪くならなかったと実感しながら、
生活にも人々にも感謝の気持ちを持って、生きていくべきだと思います。すべての困難は私たちをもっと強くしてくれることでしょう。
 「人と為り性癖にして佳句に耽る。語、人を驚かさずんば死すとも休せず」(為人性僻耽佳句,語不驚人死不休。『江上値水如海勢聊短述』杜甫)
という老杜の詩があり、修士論文を書いた時、その詩を自分の座右の銘にしていました。私はより良い一文を作るために、
頭の中にある素晴らしい表現や言葉をしっかり探し、人を驚かせないと気が済まない性格です。老杜の詩は私のその時の心境に合っており、
素晴らしい一文ができたら、すごく嬉しいものの、論文のスピードが遅くなり、一日かかって千字ほどしか書けなかった日もしばしばありました。
しかし、この詩が伝える真面目な態度はこれからも私に影響するに違いないと思います。「人生は三分が天によって決まり、七分が
自分の努力によって決まる」という諺があります。つまり、一生懸命努力しないと、どれほど素晴らしい素質に恵まれていても、
無駄になるのです。元指導教員の楊暁文先生に教えていただいた研究者としての方法と態度を今でもしっかり覚えています。「一生懸命」
という言葉は先生が常に口にしていたもので、先生の精神を如実に反映しています。
 「楽観的」「感謝の気持ち」「真面目」「一生懸命」は私の自分の人生に対する態度で、今までの人生がついていたと感じる所以でも
あります。これからも、初心忘るべからず、カタツムリのように遅くても、一歩一歩上に向かいたいと思います。頂上にたどり着けるか
はまだわかりませんが、まずは一生懸命登り続けます!




                           


                                                        (2016年3月23日)