東アジア言語文化講座
大学院生・修了生エッセイ集


Astghik Movsisyan(平成25年度博士前期課程修了)
  日本の生活で得た三つの言葉
名古屋大学での勉強はすでに4年目になります。2年間は研究生として勉強しました。その後、東アジア言語文化講座の修士課程に入りました。今年3月に卒業して4月からは博士後期課程に進学します。出身地はアルメニアです。日本から遠い地域にある国です。アルメニアは日本とは様々な面でかなり違った国です。私にとって日本へ留学するのは大きいチャレンジでした。違う文化、違う言語、違うルールやマナーをもつ国へ一人で行くのは最初恐怖感がありました。しかし同時に古い伝統が残る日本のような文化を体験してみたい希望もあり、留学するきっかけになりました。
 この4年間の名古屋大学での勉学の中で日本の文化や日本人の世界観に直接に出会う機会があり、いろいろなことを経験しました。私が日本の生活の中で経験したことをキーワードにまとめると3つの言葉になります。それは「空気を読む」、「頑張る」、「ありがとう」というキーワードです。
 日本に来たばかりのとき日本語があまり得意ではありませんでした。しかし日本での人間関係に一番大切なことは日本語という言葉の知識ではなく(勿論これも大事ですが)、人間関係に存在する特別な「言葉」を理解すること、つまり「空気を読む」ことが大切であるということが分かりました。「空気を読む」と言う表現の直接な翻訳はアルメニア語では不可能ですが、それは日本の社会では人間関係を円滑にするための表現であるということがわかりました。
 次に習ったことは「頑張る」というキーワードでした。一番困難であるときでも絶対あきらめない日本人の性格を見て、先生方や先輩たちから「頑張ってください」という応援の言葉を聞いて、その言葉がいつも一番苦しいときに助けになりました。勉強のときにも、日常生活にある困難のときにもそれを思い出し、一生懸命我慢し、頑張りました。修士課程を卒業することができたのは「頑張る」という言葉の力のおかげだと考えています。
 三つ目の大切な言葉は「ありがとう」という言葉です。ずっと日本人の文化で温かい心を持つ人たちに囲まれていて、みんなはいつも助けに来てくれました。心の中ではいつもありがたい気持ちを感じていました。それで「ありがとう」という感謝の言葉が三つ目のキーワードになります。
 知識的にも、研究の分野でも人間関係でも多数のことを経験し、これから日本での生活の次の段階に入ります。日本の文化にはまだ未知のことがたくさんあるので、それを発見するのが楽しみです。

                           


                                                        (2014年3月14日)