東アジア言語文化講座
大学院生・修了生エッセイ集


島本昌典(平成22年度博士前期課程修了)
 「大学院での2年間」

大学院を修了してから2ヶ月が経ち,例年より早く梅雨入りした5月の末に,私はこの文章をしたためています。いまは社会人としての暮らしを送る中で,あの大学院での2年間が早くも懐かしく,さらにはそれが現実だったのだろうかという思いさえ少し抱いています。私が学部を卒業後,3年間の社会人生活を経て,再び大学という場に戻ったからそのような思いを抱くのかもしれません。 正直なところ,大学院生活の中で,やり残したもの,置いてきたことは数えきれませんが,しかしそれ以上に,自分の興味や関心に忠実に,自由な時を過ごすことができたことに感謝しています。この文章では,私が大学院時代に関わらせて頂いた,2つのプロジェクトをご紹介しようと思います。

●円頓寺映画祭
 国際言語文化研究科の有志で円頓寺映画祭実行委員会を発足させ,名古屋市西区の円頓寺商店街一帯において,「円頓寺映画祭」というイベントを始めました。有志の興味のある分野(映画・映像制作・街づくり)を融合させて始めた映画祭ですが,2009年から2年連続で開催することができ,初年度には団体として総長顕彰を受賞しました。初代コアメンバー卒業後も,国際言語文化研究科の学生を中心メンバーとして,継続して開催されていく予定です。

●教養教育院プロジェクトギャラリー「clas」
 全学教育南棟にある「clas」ギャラリーに,スタッフとして関わらせていただきました。「clas」ギャラリーは,その目的として「大学における視覚を通した複眼的な思考と総合的な知識を育成し,ひろく地域の文化の向上に資すること」と謳っています。そしてここでは,現代アートやデザイン,また授業成果の発表など,さまざまな展覧会が開催されます。私は「clas」ギャラリーにスタッフとして関わらせて頂いたのみでなく,2010年10月から11月にかけて,「《S/N》−断絶からのコミュニケーション−」というシンポジウムの関連展覧会として「ダムタイプ《S/N》アーカイブ」展を開催しました。

 国際言語文化研究科は,さまざまな研究分野を持つ人が集まっているところが,大好きでした。そこには,洗練された包容力が育まれるように思います。3.11を経験した私たちは,これからの時代をどのように生きていくことになるのでしょうか。たとえ社会の息づかいが荒くなったときも,ここでの経験はそれを乗り越える糧になると思っています。ありがとうございました。


                                                        (2011年5月30日)