Lee Hsin-yi Normal NGB-W4 3 1415 2001-04-02T06:58:00Z 2001-04-02T23:30:00Z 2001-04-02T23:31:00Z 6 1389 7920 66 15 9726 9.2812 0 2

AET夏季実習のアンケート調査について

李欣怡

0. はじめに

 現代社会において、「アンケート調査」は、学術研究に止まらず、様々な分野で色々な目的で実施されている。このように、アンケート調査が頻繁に行われるのに伴い、アンケートの回答を求められた経験を持つ人が多く、また、自らアンケート調査を行ったことがある人も少なくないであろう。しかし、調査の回答に協力した経験がいくらあっても、いったん調査者になると、必要に応じて調査を行う能力を身につけたという保障はない。調査目的と合致しないデータを集めてしまったことや、苦労して収集してきたデータを活用できないまま調査を終えてしまうようなことが、往々にして起きることになる。

 

 聞きたいことを質問し、回答を求め、データを得るという、一見単純そうなプロセスではあるが、アンケート調査に失敗してしまうことが少なくない。アンケート調査に関する知識をある程度持った方が、妥当な調査につながる確率を高めることができると思われる。ところが、アンケート調査は専門的な学問であり、種類も極めて多様であり、データ処理の段階では、時には複雑な統計学の知識が不可欠になってくる。ここではこのようなぼうだいなテーマをすべて納めることは不可能である。そのため、断っておきたい。本報告書では、従来AET夏季実習のために行われたアンケート調査の反省を踏まえ、今後の類似する調査への提案を分かりやすく紹介することを主な目的とする。特に調査票の作成にあたって注意を払わなければならないことに焦点をあてたい。したがって、本報告書はアンケートわたるものではない。

 従来AET夏季実習のために行われたアンケート調査の検討に入る前に、簡単にアンケート調査の定義及び種類を以下でまとめておく。

1. アンケート調査について

1.1 アンケート調査の定義と特徴

辻、有馬(1987)は、アンケートの定義と特徴について、以下のように述べている。

アンケート調査の定義:

「アンケート調査とは、社会のさまざまな分野で生じている問題を解決するために、問題に関係している人々あるいは組織に対して同じ質問を行い、質問に対する回答としてデータを収集し、そのデータを解析することによって、問題解決に役立つ情報を引き出していくという一連のプロセスである。」[1](下線は辻、有馬による)

アンケート調査の特徴:

「 1. 問題解決のために必要な情報を得ることを目的に実施される。

2. ある特定の集団に関する情報を引き出すために実施される。

3. 調査票を用いてデータを収集する。

4. 収集されたデータを問題解決に生かすためにデータの解析が行われる。」[2]

1.2 アンケート調査の種類

 アンケート調査は、調査の目的、実施方法、対象など様々な側面から分類されている。例えば、目的によって、世論調査、学術調査、市場調査に分けられる。また、実施方法によって、配票調査、面接調査、郵送調査、集合調査及び電話調査に分類することもできる。さらに、回答者の選び方によって、全数調査と標本調査にも分けられる。

2.AET実習のためのアンケート調査とその反省

AET夏季実習のために、例年主に3つの調査が行われてきた。ここでは、便宜上それぞれを調査A、B、Cと呼ぶことにする。なお、プレースメントのために行われるインタビューは面接調査の一種であり、定義上アンケート調査に属すが、本報告書では調査票の作成をめぐる問題を課題とするため、インタビューを扱わないことにする。

【調査A】

調査目的:

1. 名古屋大学AET夏季実習プログラムで日本語授業を受けたAETが、滞日を経験した後、その受けた授業への評価を調べる。

2. 実際に一年間(あるいはそれ以上)の滞日を経験したAETの日本語の使用実態及びニーズを調べる。

調査対象:

前年度ないし二年前以上から来日しているAETであり、2000年度は23名のデータが得られた。

 調査方法:

 一定の場所に集合した回答者に対して、調査票を配布し、回答者に一斉に記入してもらう「集合調査法」で行う。2000年度は、名古屋市教育委員会に事前に依頼し、AETが集まるミーティングの直前に時間と場所を借りて行った。回答記入者は回答者本人であった。回答記入者が調査員である「他記式」と対照し、これは「自記式」と呼ばれることもある。

 反省:

 調査を企画する際、AETが全員名古屋大学AET夏季実習プログラムを受けたということを前提に企画し、調査票を作成した。そのため、調査目的1.と2.を分けずに一つの調査票にした。しかし、調査を行っている最中に、受けたことがないAETもいることを知った。AETの回答者は非常に協力的であったため、最終的にはそういった回答者に日本語の使用実態及びニーズの質問のみについて回答を求めたが、回答者に余分な負担をかけてしまったことになった。また、データの解析にも混乱が生じやすくなってしまった。

 今後は上記の問題を避けるために、回答者の情報を把握し、AETプログラムの授業を受けたことがない人を調査対象から除外するか、日本語の使用実態及びニーズのみ調べるか決めてから、必要に応じて調査票を作成すべきである。また、二年以上の契約を結んだAETもいるので、授業の評価をしてもらう際、それは何年度についての評価かも記入すべきだと考えられる。また、滞日期間がある程度長いと、記憶が薄れて、回答が困難になる可能性があるので、回答者の日本滞在期間をあらかじめ2年以下などと決めておくべきである。以上の反省点を考慮し、実際に可能な調査方法については調査票の検討の段落で述べる。

【調査B】

調査目的:

1. 本年度学習者の情報、特に日本語の学習歴とニーズを把握する。

2. プレースメント・インタビューの参考にする。

調査対象:本年度学習者、2000年度の人数は17名である。

 調査方法:2000年度は集合調査法を用い、名古屋市教育委員会で行った。プレースメント・

インタビューの直前に各自質問紙に回答を記入してもらった。

 

 反省:

プレースメントの結果はAET実習のコースデザイン、人力配布など事前準備にとって極めて重要な情報である。しかし、AETの来日が授業開始直前になるため、プレースメントの結果は予想からだいぶはずれたこともある。例えば2000年度には、事前にゼロ初級、初級、中級、上級レベルの4つのコースを用意したが、プレースメントの結果は、ゼロ初級が圧倒的に多く、また、予想の上級レベルより上の学習者が一人いたので、ゼロ初級、ゼロダッシュ、中級、超上級の4クラスになった。しかも中級の全体的レベルも予想よりやや高いと判明したため、用意していた教材を諦め、シラバスを立て直さなければならなかった。しかし、プレースメント・インタビューを行った時、授業が始まる日まで僅か一週間しか残っていなかったため、余裕を持って学習者のニーズに合ったシラバスを立てたとは言えなかった。このような予想と実際レベルの誤差で生じた問題は、2000年度だけではなく、よく起きる問題であったが、誤差を防ぐことは不可能なため、レベルを細かく、幅広く想定するしかなかったと思われる。だが、実際に人力の制限で、色々なレベルのシラバスを用意するのは非常に困難である。それゆえ、早めに学習者のレベルを把握することが非常に有益に思われる。この点については、毎年努力してきたが、AETの来日後プレースメント・テストを行うことになると、実施日を早めることはできない。2000年度のスケジュールを例に挙げると、AETの来日は7月19、26日であったため、プレースメント・インタビューは7月31日に行い、夏季実習は8月7日からであった。

その前の段階で、1999年度以前の反省を踏まえ、AETが来日する前に電子メールでプレースメント・テストを行う案があったが、教育委員会は電子メールを使用していないため、事前にAETのメールアドレスを取得することはできなかった。しかし、インターネットの普及は進んできており、来年度もう一度その必要性と可能性を検討する余地が残されていると思われる。但し、電子メールでプレースメント・テストを行うと、郵送調査と同じく、回収率が低くなることが予想される。回収率を高めるには、慎重に調査票を作成しなければならない。なるべく回答者に負担のかからない調査にする工夫が必要である。(この点については後述する。)そうすると、具体性の低いデータしか収集できなくなる。そのため、AETが来日後のレベル再確認が必要となってくる可能性が考えられる。以上の要素を考慮に入れた上の企画が勧められる。

【調査C】

調査目的:AET夏季実習授業の評価を調べ、反省する際の参考とする。

調査対象:本年度学習者。2000年度の人数は17名である。

 調査方法:2000年度は集合調査法を用い、名古屋市教育委員会で行った。プレースメント・

インタビューの直前に各自質問紙に回答を記入してもらった。

 

 反省:

最後の授業が終わった直後に10分間で書いてもらう予定であったが、その10分間を授業時間内に含めるか否かについて話し合わなかったため、50分間の授業を行う予定の実習生もいた。回答時間は統一しなかった。回答者に余裕を持って回答してもらう雰囲気を作っておくとより具体的なコメントが提供されると思われるので、事前に回答者に調査を行う告知が望まれる。

以上、例年行った調査を概観し、反省した。以下では調査票の作成にあたって、注意すべき点を簡単に挙げてみる。それを踏まえ、1998-2000年度の調査に使われた調査票の問題点を指摘し、検討を行う。

3. 調査票の作成

3.1、3.2では、Converse, Presser (1992)と辻、有馬(1987)の理論を参考に、より重要な注意点をまとめる。

3.1 Converse, Presser (1992)

Converse, Presser (1992)は、調査で明快な、率直な質問項目を設定するには、やさしく、分かりやすく、問題点を浮彫りにし、さらに手広く調査できる内容のものという4点に注意することを提唱している。その中、やさしい質問のチェックポイントとして、日常的な言葉、短い質問と文意の混乱の回避が挙げられている。

3.1.1 amily:"Arial Narrow"'>日常的な言葉

日本語の場合、漢語の過度使用を避けるべきである。例えば「意味明瞭な」という言葉の代わりに、「分かりやすい」或いは「意味がはっきりとしている」という言葉を用いた方が良い。

3.1.2 短い質問:

質問文を短くすべきであると主張する傾向が報告されている。しかし、場合によっては、やや長い質問文の方が分かりやすい場合もある。例えば、日本の男性芸能人の評価調査を行うことにしよう。「一番は木村拓哉です。彼に対する評価はどうですか。」という質問もできるが、以下のような長い質問の方が回答しやすくなると思われる。

「日本の男性芸能人に対する、あなたの感覚的な評価を知りたいと思います。これから10人の男性芸能人について答えていただきますので、その人物を感覚的に評価してください。評価には0から10までのどの数字でも使って結構です。6から10までの評価はその芸能人に対し、あなたが好感を感じていることを意味するものとします。また、0から4まではその人物に対し好感を感じていないことを表わすことにします。特に好感も不快感も感じていない人物に対しては5と評価してください。もし、10人の中にあなたの知らない人物がいたら、評価する必要がありませんので、「この芸能人が知りません」という選択肢を選んでください。それでは、一番は木村拓哉です。彼に対する評価はどうですか。」

3.1.3 文意の混乱の回避:

文意の混乱を招く原因の一つに、両義性を持つ文が考えられる。一つの質問で、二重の質問をすることは避けたい。例えば、日本語の勉強について、「あなたは書く、読む練習より話す、聞く練習が大事だと思いますか。」という質問に、読む、聞く練習を大事に思う回答者にとっては答えにくい質問になる。また、このような聞き方は「どちらとも言えない」回答を招きやすいと思われる。単純にそれぞれの大事さを評価してもらう場合、4つの質問に分け、「あなたは書く(読む、話す、聞く)練習が大事だと思いますか。」と聞き、それぞれについての五段階評価を求めるのも一番大事だと思われる練習の抽出できる方法である。中立の回答をどうしても避けたい場合は、奇数段階より偶数段階評価(例えば4段階或いは6段階評価)で出す手段も考えられる。しかし、例えばシラバスデザインのため、どれかを最優先にしなければならない場合、奇数段階評価をしてもらわざるを得ない。常に調査目的を念頭に置きながら質問の仕方を検討することが非常に重要である。

 二重性について、もう一つの問題は二重否定の質問である。「50分間の授業で平仮名を覚えることは無理だという意見には反対ですか。」という聞き方は非常に混乱を招きやすく、「50分間の授業で平仮名が覚えられるという意見に賛成しますか。」という質問にした方が良い。その他、「制限する」「妨げる」「抑制する」「禁止する」「非合法化する」といった言葉は、暗黙の否定に読み取れ、混乱を招きやすいので、質問文を作成する時注意しなければならない。

3.2 辻、有馬(1987)

 辻、有馬(1987)はまた質問文が出来上がったところで、以下のポイントをチェックするように言っている。

1. 1つの質問で2つ以上の事項を聞いていないか。

2. 回答者に質問の意味がはっきりと伝わるか。

3. どのような観点や立場で回答するかの条件が示されているか。

4. 回答者を知らず知らずのうちに特定の回答に誘導してはいないか。

5. 回答者が答えにくいようなことはないか。

6. ろ過的質問を活用しよう。[3]

 また、プリコード回答法[4])質問の作り方について、以下のように提案している。

1. 回答数を明確に指示する。

2. 回答の方法も明確に指示しておく。

3. 回答選択肢には番号をつける。

4. 回答記入欄を設ける。

5. 回答選択肢は回答可能なすべてのカテゴリーを重複なく網羅しているか。

6. 回答選択肢に「その他」を含める。

7. 「わからない」を回答選択肢に含める。

8. 回答選択肢の数は多すぎないように。

9. 順序尺度の回答選択肢には注意する。

10. 回答選択肢の用語は適切か。[5]

 (下線は筆者による)

3.3 AET調査に使われた調査票の問題点

 以下では、上述のチェックポイントに基づいて、1998-2000年度AET調査の調査票問題点の検討を行う。

 まず、調査A, Bは全体的に、必要以上に自由回答法[6])が用いられ、回答者に余計な負担をかけている問題があると思われる。例えば、国籍、滞日期間、日本語の学習期間、受けていた授業の頻度などについては、すべて自由回答法になっていたが、これらの質問に対する回答は、ある程度選択肢を挙げることが可能であり、また、プリコード回答法質問の作り方6.のように、回答選択肢に「その他」を入れれば良い。プリコード回答法にする利点は、回答者にとって答えやすいことだけではなく、調査者にとっても、以下2つの利点がある。その1はより正確に求めている回答が得られることである。その2は収集したデータを集計、分析する際にも便利なことである。また、評価、感想などの質問では、プリコード回答法の回答率が自由回答法より高いことが報告されている。

質問文のチェックポイント「1.1つの質問で2つ以上の事項を聞いていないか。」について、以下の反省がある。

*Were there too many students in your class?(2000年度調査C共通調査票)

これは、「too」と「many」についての二重質問にも読み取られる。例えば、「多いと思うが、多ければ多いほど授業が楽しくて良い」と思っている回答者は答えにくい。また、「人数は少なすぎる」と思っている回答も「人数はちょうどいい」と思っている回答も「I don’t agree with」という選択肢になってしまうので、有効的な質問文ではない。

*How was the number of students in your class?

□Many  □Not many, not few  □Few

*What do you think about the above situation?

□Suitable □No comment □Not suitable □I don’t know.

以上のように、2問に分けた方が正確に情報が得られると考えられる。同じ方法は「Was the amount of the lessons too much for you?」「Did your teachers correct your Japanese too much?」(2000年度調査C共通調査票)などの質問にも適用できる。

質問文のチェックポイント「2.回答者に質問の意味がはっきりと伝わるか。」について、以下のような問題が生じた。

調査Aで過去のAETプログラムの評価とコメントについて、1998-2000年度共に、「What did you think about our Japanese Lessons?」という表現を使ってしまった。実際2000年度調査Aを行った際、「Excuse me, but who are you?」と質問された。前年度ないしその前のAETを対象に行われる調査なので、調査者と回答者は初対面の場合が殆どであろう。調査の前に口頭で挨拶と簡単な説明をしたが、調査票に「名古屋大学」と記入していなかった上、「our」といった相対的であいまいなことばを使ってしまったので、混乱が生じるのも当然であった。以下挙げた質問文の「they」も同じ問題が見られるが、扱う問題になる対象に言及する時に、「Ours」「It」などの代名詞表現は避けた方が良いと思われる。例えば以上の質問を「What did you think about the Japanese Lessons held by Nagoya University AET Program?」に変えることができる。

 また、以下の質問も厳密ではないと思われる。

6. Have you ever studied foreign languages?(1999年度調査B)

 ここでの「foreign language」は、日本語を含めるか否か不明である。その次に、以下の質問が来ているが、また具体的ではないので、回答しにくいし、目的と合致する回答が得られるような質問とは思えない。

7. What are you interested in? (1999年度調査B)

10. What are you worried about? (1999年度調査B)

これを、「何について」回答すべきなのか明記しないといけない。

 

5-6. Did they (Japanese language teachers) usually use English to explain the grammar in the class? (1999年度調査B)

2000年度調査Bでは、以下の質問に変えた。

3-6. In the class, did they use Japanese to explain the grammar?

□Yes, usually.  □Yes, sometimes.  □Yes, but seldom.  □No, never.

(2000年度調査B)

2000年度の方が回答しやすいと思われる。

質問文のチェックポイント「5.回答者が答えにくいようなことはないか。」について、以下のような問題点があった。

5-4. How many years ago did you study? (1999年度調査B)

これは、学習期間が何年間もわたった回答者にとって、非常にあいまいな質問である。例えば「When did you start to study Japanese?」と「How many months/years did you study Japanese?」の二問に分けた方が具体的である。また、日本語の学習期間は連続的ではない可能性もあるので、あらかじめ調査目的に合わせ、このような場合は一番最近の学習状況、あるいは一番学習期間の長い学習状況について回答してもらうと、断っておかなければならない。

質問文のチェックポイント「6.ろ過的質問を活用しよう。」について、上で触れたように、AETが全員名古屋大学AET夏季実習プログラムを受けたということを前提に企画し、調査票を作成したが、受けたことがないAETもいた。AETプログラムの授業を受けたことがない人を調査対象から除外するか、日本語の使用実態及びニーズのみ調べるか決めてから、調査票を作成する必要がある。例えば、「名古屋大学AETプログラムの日本語授業を受けたことがありますか。」というろ過的質問をし、受けたことのない回答者には日本語の使用実態及びニーズの質問のみについて回答してもらう。その次に、受けたことのある回答者に、例えば「受けたのは何年前でしたか。」と聞き、「三年以内」と「四年以上前」の2つの選択肢を与え、三年以内の回答者にだけ、授業の評価を求める。

4. おわりに

 上で見てきたように、調査票の作成にあたって、注意しなければならないことが多数あり、決して容易な作業ではない。より良い調査票を作成するには、事前の情報把握と厳密な企画が不可欠である。その他、一番大事なのは、時々回答者の視点になってみることと言えよう。AETのための調査は回答者数が少なく、内容も比較的に単純な調査なので、予備調査を行う必要がないと思われるが、調査票を仕上げた後、作成者自分で回答してみることと、一人、二人でもいいので他人に回答してもらってみるという、二重チェックが勧められる。

 はじめに言及したように、アンケート調査は専門的な学問である。ここで紹介したのは、その氷山の一角に過ぎないが、今後AETのための調査を行う際、多少参考になることを望んでいる。また、読み手にアンケート調査についての興味を引き起こし、一層深く研究するきっかけになればと思う。

【参考文献】

辻新六、有馬昌弘(1987)『アンケート調査の方法 ―実践ノウハウとパソコン支援―』朝倉書店

Jean M. Converse, Stanley Presser (1992) 『アンケート調査』内藤雅子、酒井亮二訳 廣川書店


[1] 辻新六、有馬昌弘(1987)『アンケート調査の方法 ―実践ノウハウとパソコン支援―』朝倉書店

pp. 2-3

[2] 辻、有馬(1987)前掲書p. 3

[3] 辻、有馬(1987)前掲書p.78-80。「ろ過的な質問」とは、不適切な回答者を排除するための質問である。例えば、調査Aでは前年度のAETプログラムの評価とコメントを求める前に、まずAETプログラムの授業を受けたことがあるかどうかを確認しなければならない。そして、AETプログラムの授業を受けたことのない人を排除するために、「AETプログラムを受けたことはありますか。」という質問をあらかじめ行っておく。これを「ろ過的な質問」という。(「ろ過的な質問」の説明は筆者による。)

[4] 自由記述(自由回答法)ではなく、選択肢を与えて回答を求める回答法のことを指す。

[5] 辻、有馬(1987)前掲書p.81-83

[6] 質問文に対する回答を自由に回答してもらう方法を指す。


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名古屋大学大学院国際言語文化研究科
日本言語文化専攻