ロシア語への招待

  1. 使用地域・使用人口
     ロシア語はロシア連邦の公用語です。ロシア連邦は国土面積世界第1位を占め、人口は約1億5千万人です。ロシア連邦はロシア人の他に100以上の民族から構成されています。ロシア語はこのロシア連邦の公用語であり、この公用語以外に各民族に民族語があります。1991年のソ連邦の解体を契機に旧ソ連邦に属していた国々が独立しましたが、これらの国々(例えば、グルジア共和国やリトアニア共和国等)においてもロシア語は通じます。また旧ソ連邦以外の国々においても、例えばイスラエルのような国々でもロシア語を母語として使用している人々が多くいるようです。

  2. 言語の特徴
     ロシア語は、英語やドイツ語などと同じくインド・ヨーロッパ語に属する言語ですが、今日の英語が激しい改新と構造の簡素化を蒙ったのに対して、ロシア語はインド・ヨーロッパ語的な古い姿を守っています。この古い姿というのは、古典ギリシア語に見られるような語形の複雑な変化をもっているということです。このことが入門者をしてロシア語の難しさの一因となっているのですが、しかし英語のように語形の簡単さが必ずしもその言語への熟達を容易にするものではありません。英語のように入門は容易でも熟達はかえって難しいことが多いからです。理解は表面的にはすまないからです。これとは逆にロシア語の語形の複雑さは、これが文の理解には非常に役立つことが多いのです。文の理解の取っ掛かりが形として顕れているからです。
     ロシア語の文字は、ギリシア語に似たキリル文字と呼ばれるアルファベット文字です。英語のような発音記号はロシア語には必要ありません。原則的には文字通り発音すればよいからです。ロシア語の基本母音は6つですが、これは日本人には容易でしょう。

  3. 関係の深い専門分野
     ロシアは、宇宙技術や原子工学をはじめとする工学技術や科学の基礎理論において独自の高いレベルを保っていますし、ソ連時代に蓄積された多くの科学知識があります。また人文科学や教育学の分野においても優れた研究がなされています。市場経済化された今日では法律や政治・経済が大きな研究テーマとなってきています。関係の深い専門分野としては、工学、理学、法学、経済・政治学、国際関係学、教育学、言語学、西洋史、東洋史、考古学などです。

  4. 学習の意義
     ロシア連邦は日本の隣国であり、世界で最も大きな国です。21世紀はますます東アジアの国々との交流が活発化するでしょうし、当然そこにはロシアとの交流も含まれます。日本とロシアとの間には未だに多くの課題を抱えているとはいえ、隣国としてどのようなスタンスで付き合っていくかは常に我々は考えておかねばならないでしょう。そのためにはまずロシアに対する正確な知識をもつことが必要です。ロシア語の学習はその第一歩になると思います。
     またロシアの文化・芸術や科学の遺産は大きなものがあります。ドストエフスキーをはじめとする世界文学や音楽、バレエ、建築等のロシアの人々が誇りにしているこの豊かな文化遺産は、我々の前に開かれています。さらに個々の専門分野における欧米とは異なるパラダイムの知の遺産は、昨今のグローバリゼーションの下では貴重なものとなるでしょう。これらの遺産を深く理解するためにはロシア語の知識が必要です。

  5. 授業の特色
     ロシア語の授業は、日本人専任教官1名とロシア人専任教官1名、2人の日本人と1人のロシア人の非常勤講師が担当します。専任教官1名を加えた2人のロシア人教官がいますので、本学のロシア語の授業は生のロシア語に触れる機会が多いのが特色です。
     言文1の授業は、統一の教材、プログラムに従って授業を行います。最初は、ロシア語の文字と発音に早く慣れることが必要です。このため短期間に習得するためのプログラムを用意しています。ロシア語を習得するためにはどうしても文法事項を習得しなければなりませんが、これも初歩的なテキストを読み進む内に自然に習得できるようなプログラムを組んでいます。言文2の授業では、語彙力を増すとともに会話の能力を高めることを目的にしたプログラムを用意しています。  言文1では、TAが付く授業があります。TA は皆さんの授業に関する様々な質問や発音指導等の要望に応えるものですので、積極的に利用して下さい。また2人のロシア人の教官は完全に日本語が理解できますので、ロシア事情やロシア語のことについて疑問があったら質問して下さい。授業以外の時間でも質問等があれば教官の研究室に来て下さい。