名古屋大学教養教育院

 朝鮮・韓国語科 

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担当教官

名古屋大学教養教育院

国際言語文化研究科


朝鮮・韓国語ガイダンス

  1. 使用地域・使用人口

     朝鮮・韓国語を専ら使用する国は、大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)です。韓国の人口は約4,600万人、北朝鮮は約2,000万人で、合計4,600万人のほぼすべてが朝鮮・韓国語を母語としています。この他に、日本、中国、アメリカ、シベリア、中央アジア、サハリンなどの地域に現在約500万人の在外韓国・朝鮮人がいるとされていますが、その一部の人々も朝鮮・韓国語を使用しています。

  2. 言語の特徴

     言語のタイプとしては、日本語と同様、語の後ろに文法的な要素を次々と付け加えることによって文法的な機能を変化させる膠着語と呼ばれるタイプの言語です。日本語との系統関係は証明されていませんが、文の構造は非常に似ており、互いの逐語訳が80%程度はれっきとした文章として通用するほどです。
     音韻的には、単語が子音で終わることのできる閉音節言語です。日本語話者にとっては発音が多少難しく感じられますが英語ほどではありません。
     文字は独自の音標文字「ハングル」を用います。現在、漢字はほとんど使いませんが、漢字語(漢字で表記できる語)は多く、語彙全体の6割近くを占めています。そ の大多数は日本語と共通であり「酸素」「無理」「温度」「気分」「都市」「調査」「余裕」「移民」「注意」などは日本語で読んでもそのまま通じます。て扱いが違いますが、当該学部で、この制度のある人は、是非検討してみて下さい。

  3. 関係の深い専門分野

     朝鮮・韓国語と関係の深い専門分野としては、考古学、日本史、東洋史、東洋哲学、経済学、政治学、国際関係学、言語学などがあります。これらの分野を専攻したい人にとって、朝鮮・韓国語の知識が必須というわけではありませんが、身につけておけば有用でしょう。

  4. 学習の意義・ポイント

     今後の日本に求められる健全な国際感覚を涵養するためには、近隣諸国に正当な関心を持ち理解に努める必要があります。その意味で、朝鮮・韓国語の学習は重要な意義を持つと考えられます。
     言語は単なる「知識」ではなく、それを使って他者との意思疎通を図るための「道具」です。したがって、外国語を習っても使わなければ学習の意義はほとんど失われてしまいます。外国語を使うことの面白さと意義を体験するのに朝鮮・韓国語は最も簡便な言語です。韓国は日帰りの旅行が可能なほど近い国ですから、簡単に現地を体験できます。また、本学には150名近くの韓国人留学生がおりますから、キャンパスでも韓国語を使う機会はいくらもあります。
     中学・高校における外国語教育(英語教育)は基本的に受験教育であり、外国語教育の本来の目的からかなり逸脱しています。その過程で外国語学習の意義や自己の潜在能力の評価が不当に歪められています。その歪みを是正するために朝鮮・韓国語に限らず第二外国語の学習は大きな意義を持っています。
     「近くて遠い国」とは言いながら、WCサッカー大会共同開催などを契機として、近年、日韓関係が大きく変貌していることが感じられます。日本では『シュリ』『JSA』『チング』などの韓国映画が話題を呼びましたし、韓国のテレビドラマも放映されています。韓国でも日本文化の全面開放の運びとなりました。その原動力は若い世代の意識の変化です。今後健全な日韓関係を発展させていくために、その担い手である若い世代の皆さんが朝鮮・韓国語を学習することは大きな力になると考えられます。

  5. 授業の特色

     朝鮮・韓国語授業を担当するのは、日本人専任教員1名と4、5名の韓国人あるいは在日韓国人非常勤講師です。
    言語文化Tの授業は、統一された教材、プログラムに従って授業が行われます。朝鮮・韓国語は発音が多少難しく文字が見慣れないため、入口のハードルが高く感じられる言語ですから、文字と発音をできるだけ効率的に学習できるよう細心の注意を払っています。文の構造や発想は日本語と非常に似ておりますからそれほど負担はありません。煎じ詰めれば、用言の活用に習熟すれば朝鮮・韓国語の文法の学習は終わりです。この特色に注目して、一年次で初級文法から中級文法の半ば位までを習得できるように授業プログラムを組んでいます。二年次の授業や言語文化Uの授業では、語彙力を増すとともに運用能力を高めることを目標としています。
     授業には可能な限り韓国人留学生をティーチング・アシスタント(TA)として採用します。TAが採用できない場合も、ボランティアとして韓国人留学生に発音指導、会話練習などを協力してもらいます。
     毎日Office Hourを設け、教員あるいはTAが個別のニーズに応える課外指導等を行います。韓国人留学生と接する機会としても利用できます。
     第二外国語の学習を知識や教養として矮小化して捉える風潮がありますが、朝鮮・韓国語の授業では、あくまでも「使える外国語」の養成を目指しています。単位さえ取れればいいというような消極的な態度で臨まないことを期待します。朝鮮・韓国語を習い実際に使うことを通じて、国際感覚や価値観、自己の潜在能力に対する評価に有意義な変化が生じれば幸いです。

    (文責:飯田秀敏)