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2004年度 日言文シラバス
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例えば、外国語の学習目的を、単なる学習知や理論知の範囲にとどめるのではなく、あくまで運用能力の涵養をも含めた「技能」の習得に求めるとすれば、そもそも「技能」の体得とは、いかなる意味をもつものであるかを考察するもっとも身近な具体例が得られたことになる。また「技能」習得のプロセス並びに習熟の諸条件についてさらに一般的な知見を深めるためには、スポーツ競技や芸道修行、暗算や記憶術、一輪車の操行運転や楽器の演奏等々、ほとんどありとあらゆる日常生活の現場に、その具体例を見出すことができる。それゆえ、本講義では、考察の対象を必ずしも言語文化にのみ限定するのではなく、さまざまな経験知を手掛かりとしながら、そもそも「暗黙知」(=「身体知」)を身に付けるとはどういうことなのかを、なるべく多角的な見地から検討してみたい。◇参考文献:
教室では、それぞれ個別の主題に関して、各受講者に簡単なレポートを課し、全員の共同討議を中心にすすめる予定なので、主体的に参加する用意のある学生諸君の積極的な受講を期待する。その際、必ずしも特段の予備知識は必要としないが、できれば、以下の参考文献の、少なくとも二、三点については、予め眼を通しておくことが望ましい。
日本は江戸年間を鎖国によって、自国の国体維持、領土保全、権益保護、キリスト教排斥を図った。約270年に亙る鎖国政策は、国内の安定とキリスト教排斥には成功したが、同時に英国を主とする近代化には乗り遅れた。ここで近代化とは、都市化、産業化、新しい政治体制をも含む概念である。
明治維新において政府が腐心したことは、早期の富国強兵、殖産興業であった。そのために西欧の進んだ科学技術、学問体系の摂取、移入に努めることとなった。お雇い外国人はその端的な表れであったが、また同時に多数の留学生を諸外国に送り出し、使節を派遣した。彼らがもたらしたもの、思想、技術、生活様式、そうした全体像を探る試みである。新井白石から福沢諭吉、米欧回覧使節団まで、幅広くその足跡を辿る。
人類の歴史を通じて言語文化は交流によって広められ深化してきました。異文化交流を抜きにしては殆どの言語文化を語ることができません。最近はインターネットが本格化し交流の規模と速度は年々加速化され、文化交流の新しい段階を迎えていることは疑いを得ません。国連の調査によると全世界で一億を越える人々が移民として母語以外の言語を使用して生活しているという事実も明らかになっています。授業では、このような現時点から過去を振り返り、複数文化を生きた明治以降の日本語作家の作品を読みます。明治の夏目漱石や森鴎外から、二葉亭四迷、永井荷風、内村鑑三、新渡戸稲造、津田梅子、野口米次郎、金子光晴、金史良、石原吉郎、金時鐘、李良枝、村上春樹、山田詠美、リービ英雄、柳美里、その他受講者の意見を取り入れて出来るだけ多くの作家に触れたいと考えています。この授業は「言語文化交流論」と名付けられていますが、普遍的な理論の構築を目的にしてはいません。文章を正確に読むこと、具体的事象・出来事を記述することに主眼に置きます。日程などの詳細については最初の日に指示する予定です。単位取得に必要なのは、年に二度ほどの発表、授業中の意見交換への参加、短い読書レポートです。
日本言語文化の諸問題について、大学院生の研究内容に関わる個別のテーマを取り上げ、先行研究を概観しながら、研究方法、分析の視点等を教授する。
日本語教育の現状と問題点を把握するとともに、日本語教育者としての実践的な力、問題意識を養う。◇注意事項:
1) 日本語教育の大枠を捉える:日本語教育事情、コース・デザイン
2) 日本語教育の教材について考える:教材分析、教材作成
3) 日本語教育の指導法について考える:4技能と学習段階
4) 教壇に立つために:教室でのインターアクション、教案作成
1) 既に行った春の実習のビデオテープの一部を視聴し、様々な角度から検討、討議する。そこで各自、自分の長所、短所を探り、実習の課題を見つけると共に、実習の場での研究テーマも考える。◇注意事項: 「日本語教育学原論」「日本語学概論」「日本語教育評価法」「日本語音声学」或いはこれらに相当する科目履修終了者を対象とする。この点に関して質問 のある場合は担当教官に確認すること。
2) 春の実習に現れた一般的な問題を取り上げ、対応策を検討する。
3) これまでの実習報告を検討し、本年度実習の参考とし、実習の場での研究テーマを考える。
4) 各自、実習に向けてニーズ分析を行い、コース・デザインに取り組み、教材を選定あるいは開発し、教案を作成する。同じ所で実習に臨む者はグループで上記の作業にあたる。
5) 模擬授業を行って、実習に備える。
6) 教壇実習を行う。
7) 研究レポートを含む実習報告書を作成する。
前期は、現代日本語の文法を、日本語教育の観点から体系的に捉えていく。特に、日本語学習の初級レベルで扱われる文法に焦点を当て、文法の基礎 知識を身に付けることを目標とする。対照表現論演習 I
後期は、日本語教育の実状を、さまざまな角度から捉えていく。学習者、学習段階、学習内容、教授法、教室活動、教材、問題点等、日本語教育の概 要を理解することを目標とする。
前期は動詞句や名詞句による表現をめぐる諸問題を言語学的、言語教育学的に考察する。具体的には◇参考文献: 必要に応じて授業中に指示する。主としてプリントを使用する。
1) 日本語の時称、アスペクト/動作様態、モダリティ
2) 否定などにまつわる諸問題
3) Thema-Rhema 構造(主題化)をめぐる諸問題
4) 事象の成立と命題の存在
などの中からいくつかの問題点をを選び、それをヨーロッパの言語(英語、ドイツ語、ロシア語など)やアジアの言語(朝鮮・韓国語、中国語、アイヌ語など)と比較して考察を加えながら日本語の誤用分析を行い、言語干渉にまつわる問題を理論的に整理する方法をさぐる。参加者が必ずしも多くの言語を知っている必要はないが(最低日本語とその他の1ヶ国語ができることが必要)、参加者の母語や学習した言語が多様であればそれだけ対照の範囲が広がり、面白いものとなろう。
後期はTAの協力のもとで TPR や CLL など、発想を変えた教授法の実習をする。参加者にとって未知の言語(2003年度もマレー語の予定)を到達言語として選んで体験学習をし、半年でどれくらい覚えられるかの実験をする。ただし、この場合の「どれくらい覚えられるか」というのは、「予習や復習をして、さんざん苦労してどれだけ覚えられるか」ということではなく、「何も苦労しないで、放っておいてどれくらい学習効果をあげられるか」という意味である。
日本語教育の基礎的研究として最も重大な研究エリアの一つと言える日本語習得研究の理解を深めるのがこの講義の目的である。日本語を含む外国語習得研究の論文を講読し、多種に渡る研究の長所・短所を探求する力をつける。文法習得関連の実験研究論文を中心に読んでいくが、言語運用にも着目し、機能言語学の観点からみた言語習得についても勉強する。この講義で学んだことを将来の自分の言語習得研究に役立ててもらえればありがたい。◇使用文献: 教室で順次指示する。
日本語教育で問題となる文法項目を取り上げ、いかにして教えたら効果的であるのかを考える。演習形式で行うので学生の積極的な参加を期待する。必要に応じて英語の論文も読む。留学生は母語の文法についても勉強しておくこと。◇教科書: 森山卓郎『ここからはじまる日本語文法』(ひつじ書房)
第二言語習得研究で得られたデータを,いかに統計的に解析するかを学習する。講義では, SPSS の統計ソフトを使って,統計の理論を基にソフトの操作法を学ぶ。しかし,単なる統計の方法と理論にとどまらず,外国語としての日本語習得研究の実際のデータを事例として取り上げ,最新の研究動向も同時に紹介する。また,論文作成を想定して,(1) SPSS による統計解析に有利なデータ収集法,(2) SPSS の統計解析に適したデータの配列法,(3)特定の仮説検証に最適の分析法,(4) SPSS による分析結果の読み方,(5) 統計解析の結果の図表化,(6) 論文執筆における統計解析の報告の仕方,が受講者に身につくよう授業を進めていく。講義では,以下の12単元の内容を扱う。◇資料: 授業で使用する文献はそのつど配布する。
1. 記述統計・・・日本語の文法テストの結果を,平均,標準偏差,分散などで考察する。
2. カイ二乗検定・・・日本語学習者に対する新しい教授方法の効果を検討する。
3. t検定と分散分析T(一元配置分散分析)・・・日本語能力テストのグループ間比較。
4. 分散分析U(反復測定・共分散)・・・異なる条件の漢字熟語の習得を検討する。
5. 主成分分析(直行・斜交回転)・・・日本語版Can-do Scaleの能力変数を分類する。
6. 因子分析(直行・斜交回転)・・・日本語版Can-do Scaleの能力変数を分類する。
7. 数量化V類1・・・「有る」,「無い」という回答のデータを分類する。
8. クラスター分析・・・日本語学習者の誤りのパターンや母語の影響を考察する。
9. 判別分析・・・音・訓読みの特性を決める特徴を判定する。
10. 重回帰分析・・・留学生の満足度を決定する因子を見出す。
11. パス解析・・・留学生の学習環境における日本語能力の役割を見出す。
12. 時系列分析・・・日本語学習者の継続的な評価から学習の進展を考察する。
(注1: 数量化V類は, SPSS の Base System には入っていませんので,エスミ社の『EXCEL数量化理論』のソフトを使います。)
各種の論文を批判的に講読します。「各種」というのは、受講者自身 がそれぞれの研究分野に応じて読みたいと考える論文を取りあげるから「各種」であるわけです。言語にいくらかでもかかわるものであれば、どんな論文を問題にしてもかまいません。結果的に、言語を広角的に見る眼、いわば応用言語学的能力の養成につながることになるでしょう。とはいえ、「教える者がいちばん多くを教わる」という言葉があるとおり、この授業でいちばん多くを学ぶのは私自身かもしれません。言語習得論
言語能力の解明に関する仮説検証の手法として一般的に採用されている統計手法について概説する。又、統計処理コンピューターソフトSPSSの利用方法についても説明する。◇参考文献:
授業項目
1. Transforming data and creating new variables
2. Introduction to hypothesis testing
3. Measures of association
4. Between-subjects designs
5. Within-subjects designs
6. Regression analysis
記号論について、その歴史・理論・方法論等について勉強します。授業は、概論として講義を2時間行ってから、参加者による発表形式で、主な理論・研究者について学習します。後期は、各自テーマを決めてもらって、それぞれ発表してもらいます。細かいことは、第1回目の授業で、参加者と話し合いながら決めていきたいと思います。◇教科書および参考文献: 授業では Winfried Noeth, Handbuch der Semiotik から必要な箇所を抜粋し、その翻訳をプリントにして配布します。また、池上嘉彦著『記号論への招待』岩波新書258を各自用意して第1回目の授業に持参してください。
対照言語学的見地から言語を考える際の一つの枠組みとして、いわゆる文法化理論を取り上げ、この理論を援用した多義性分析について議論する。例えば英語の be や have が本来の繋辞や所有の意味の他に、受身や完了の助動詞としても用いられること、 must が義務と推定の意味を併せ持つこと、 see が「見る」と「理解する」の意味を併せ持つことなどは、他の多くの言語にもそれと並行する事実が認められる現象である。文法化理論では、こうした様々な言語に見られる普遍的な特徴を、主に歴史的な観点に基づいて、出来る限り統一的に取り扱うことを目指す。授業では、前期には、まず文法化理論とは何かを受講者の皆さんに知っていただき、日本語を中心とする文法化関連のいくつかの研究例を題材として、この理論の特質について検討する。その上で、さらに後期には、英語をはじめ、受講者の皆さんがそれぞれ得意とする日本語以外の言語にも射程を広げたいと思う。なお、隣接領域である認知言語学的な研究の手法にも、随時触れる予定である。◇教科書: 特に使用しない
文化背景の異なる人々が共生するにあたって、どんな創造があり、どんな誤解や衝突が起こり得るか、コミュニケーション能力として何が必要か、経験学習を通して実践的に学び、事例や文献を通して総合的に考察する。授業中の共通補助言語として主に英語を使い、各自が持てる能力を駆使し工夫して共通理解を図ることを実際に経験する。◇参考文献:
授業は次のような形式で行う。
1.経験学習:疑似体験や、ロールプレイ等を通して、異文化接触の様々な形やそれによって起こる事象を経験し、考察する。
2.事例考察:異文化接触によって起こる事象の事例について、参加者同士の経験を共有しながら考察する。
3.理論学習:異文化接触や異文化コミュニケーションに関する文献を通して、体系的に理解、考察する。
本講義では、社会言語学的観点から見た朝鮮語の諸問題を主として取り上げる。おもなテーマは次の通りである。◇教科書: ハンドアウトを配布する
1.社会言語学の対象と方法
2.朝鮮語概説
3.言語と呼称
4.言語と規範
5.言語と変種
6.社会言語学と「外国語」教育
7.社会言語学の意義など
開始までに各自で朝鮮語の概略についての基本的な知識を得ておくことがのぞましいが、その有無によって講義の理解には支障がないように配慮する。冬休みに集中講義で行う。評価は主としてレポートによる予定である。
昨年度に引き続いて、比較文化的なものの見方、比較文化的な研究とは何か、という基本的・原理的な問いに立ち返り、具体的な対象について論文を書く側の立場から、一緒に考えてみたいと思います。比較文化(比較文学も含む)を論じる方法はいくつかあり、それぞれのテーマ(研究対象)設定と関心の方向に応じてもっとも相応しい方法を選ぶ必要があります。方法はあくまでテーマとの関連で決定すべきもので、テーマに先行して存在するものではありません。まず自分にとって興味深い対象をしっかりと選び、その対象がどのように面白いのかをよく考えてみるならば、論じ方は自ずと絞られてくるはずです。その意味で、「比較文化学原論」という講義も、原理的なところから出発して多岐にわたる展開可能性を持っているわけです。◇教科書: 特になし
授業は一部ゼミ形式を取り入れ、比較文化的な視点から書かれた博士論文や著作をモデルとして分析しながら、テーマと方法との必然的な関係を参加者自身が体得できるようになることをめざします。
授業の構成は次のとおりです。
1) それぞれの参加者が、関心のある(関係のある)領域やテーマで書かれた比較文化論(博士論文あるいは著作)を1冊選ぶ。
* 対象とする論がどのような方法を用いて何を分析しようとしているのか、
* それがどこまで成功しているか、どのような視点が不足しているか、
* 自身の関心(テーマ)から見て、その論をどのように発展させることが可能か、
などについて、要領よくかつ批判的にレポートする。
2) 同じ論文について、もう一人別の参加者(なるべく関心が重なる人が望ましい)にもレポートしてもらう。
3) 二人のレポート内容について参加者全員で議論し批評する。
4) 採りあげた論文の総評および補足、関連分野についての講義
ヨーロッパの近代演劇史の延長上にありながらその流れから脱却を試み、新しい演劇の方向を示したドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトと彼の戯曲制作、特に「教育劇」に多大な影響を与えた日本の古典演劇、能、歌舞伎等との接点をもとに、両者の異なった文化的背景を考察する。一方ではヨーロッパにおける演劇論の変遷、他方では日本の能に代表される禅の美学及び芸術論(世阿弥の能芸論)を学び、両者を比較検討し、それらの類似点または相違点等がヨーロッパと日本文化の比較で普遍性を内包しているかなどを考えていく。比較文学論
現実と非現実の境界侵犯をすることで発生する物語を前期は、空間的位相の側面から捉えて論じていきたい。別世界、庭園、家、森といった空間形象を取り扱う予定である。主に扱う作品は、J.R.R.Tolkien『指輪物語』、上橋菜穂子 『精霊の守人』シリーズ、Philippa Pearce『トムは真夜中の庭で』、梨木香歩『裏庭』、F. Hodgson Burnett『秘密の花園』、萩原葉子『閉ざされた庭』、Margaret Mahy『危険な空間』、Charlotte Bronte『ジェイン・エア』、大江健三郎『M/Tと森のフシギの物語』、泉鏡花『高野聖』、『龍譚 談』、『眉かくしの霊』を取り上げる予定である。後期は、テーマ別に捉えて論じる予定である。ジェンダー、食、歴史性、アーサー王伝説といったテーマ別に様々な作品を扱う予定である。佐藤多佳子『ハンサム・ガール』、山中恒 『おれがあいつであいつがおれで』、Janni Howker「刈り込み庭園」、芥川龍之介『奉教人の死』、森鴎外『ヰタ・セクスアリス』、宮沢賢治『夜鷹の星』、『注文の多い料理店』、小野不由美『屍鬼』、Bram Stoker『ドラキュ ラ』、大江建三郎『万延元年のフットボール』、『同時代ゲーム』、Joan Aiken『ウィロビー・チェイスのオオカミ』、Susan Cooper『コーンウォール の聖杯』、夏目漱石『夢十夜』等を扱う予定である。ただし、学生の人数等によって授業の仕方を変更する事もありうる。◇教科書: なし
「言葉」は人間が歴史的に作り上げた文化である。一つの「言葉」を歴史的に、或いは異文化の「言葉」との比較を通じて考察すると、その背景にある人間観、世界観の変遷や相違に気づかされる。授業の前半は講義形式で、主として中国語と日本語に見られる「同形異義」の漢語表現を取り上げて、その背後にある人間観、世界観の相違を考える。後半は参加者がそれぞれ関心のある「言葉」を選び、西洋と東洋、中国と日本、古代・中世、近世と近・現代などの比較を通じて、その「言葉」の背景にある人間観、世界観の変遷や文化的相違を考える。◇注意事項: 参考文献・辞書等については、必要に応じて紹介する。
昨年度は文化人類学、民俗学による韓国研究の学説史を概観した。今年度は、植民地時代から80年代までの日本の人類学者による韓国研究に大きなウエイトを占めてきたシャーマニズム(巫俗)を取りあげる。20世紀の初頭、韓国の巫俗に接した西洋人の宣教師たちは“shamanism”という語でその行為を説明しようとした。韓国の巫俗をいわゆる「原始宗教」と考えたのは日本の人類学者も同様である。それらに対して韓国の民俗学者は、巫俗こそが仏教・儒教以前の民族の伝統文化の<核>であるという対抗言説を立ち上げた。解放後の韓国の民俗学界における巫俗研究は、外国人によって歪められた自画像を修正しようとする、一種の文化運動でもあったといえる。しかし、その研究はナショナリズムと容易に結びつくため、日本の民俗学と同様の「一国民俗学」の弊害に陥りやすい。今日、蓄積された膨大な研究成果を整理し、それらを海外に向けて発信しようとするには、再び“shamanism”という支配的な概念と格闘しなければならない状況である。◇テキスト:
この授業では、韓国人研究者が英語で発表した2冊のテキストを読み進めながら、 native anthropologist がいかにして自文化を表象するかという問題についても考えていきたい。なお、昨年度後期の韓国滞在中に撮影した映像資料もあわせて紹介する予定である。
比較日本文化学の諸問題について、大学院生の研究内用にかかわる個別のテーマを取り上げ、先行研究を概観しながら、研究方法、分析の視点等を教授する。
(1) 狙い◇注意事項: 意味論、認知言語学の基礎知識がない人は、以下の文献を読んでおくことが望ましい。
意味論の以下のテーマに関して、基本的な考え方・研究方法を学び、言語事実に基づき現代日本語を分析し、仮説を提示・検証する能力を養う。
(2) 主な内容
1.意味論の基礎
意味研究の意義/語と語の意味関係/語の意味の内部構造(成分分析・意義素論など)/意味分析の資料
2.認知言語学(認知意味論)の基礎
言語の基盤としての認知能力の諸相/認知言語学の意味の考え方
3.類義表現
類義語の分析/類義文の分析
4.比喩:意味拡張の仕組み
比喩とは/メタファー(隠喩)・シネクドキー(提喩)・メトニミー(換喩)/比喩の認知的基盤
5.多義語
多義語分析の課題/多義語分析の方法/多義語のモデル(ネットワークモデル・現象素・統合的モデルなど)
6.慣用句
慣用句の特徴/句の字義通りの意味と慣用的意味の関係
前期は、日本語音声の単音レベルと韻律レベルでの特徴を音声学的に観察し、いろいろな言語を母語とする日本語学習者の音声上の特徴を分析するための基礎的な力の養成を図る。後期は、実際に音声分析をおこない各母語話者の特徴を検討する。その後、音声教育の方法についても問題点を検討していく。◇参考文献:
形式的、理論的な研究の課題となっている事柄についての知識と、実際に日本語を教える際に役に立つような知識の両面にわたって考察して、言語学的に考える力を身につけていくことを目指したいと思います。◇教科書: 益岡隆志『日本語文法の諸相』くろしお出版 2000年
授業では、生成文法および形式意味論の枠組みで行なわれた日本語研究に関して、代表的な研究をいくつか取り上げて解説することと、下記教科書を受講者に順番で発表を受け持っていただいて読み進むことを交互にやっていこうと考えています。
形式的・理論的な研究に関しては前提知識は要求されませんが、配布する参考文献には英文のものも含まれる予定ですので、英語で書かれた論文を読む能力が要求されます。
<目的>◇主要図書: Coulthard, M. (1985) An Introduction to Discourse Analysis (Second edition). Longman. 『談話分析を学ぶ人のために』(吉村昭市・貫井孝典・鎌田修訳)世界思想社. 1999年
1)Birminghamグループの談話分析に関する研究を概観し、談話の言語学的な分析の手法について学び、それをもとに日本語の授業を分析してみる。
2)日常会話の仕組みについて学び、それをもとに日本語の接触会話を実際に分析してみる。
3)談話分析の観点から日本語の会話教育を考える。
<主要トピック>
・談話研究と言語教育
・談話研究とコミュニケーション能力
・談話分析の言語学的アプローチ
・日本語教室談話の言語学的分析
・日本語会話の仕組み
・接触会話の分析
・教科書会話の分析と日本語教育
<授業方法>
講義、クラス発表、クラス討論により授業を進める。
<評価方法>
・前期:試験
・後期:研究レポート(評価方法については授業中に相談する。)
教育評価に関する基本的な知識を身につけ、日本語教育の現場で役立つ評価技術を獲得する。教育における評価の位置づけ、評価の意義・目的、方法、種類、その特徴と限界等、日本語教育での実際に合わせて検討する。また、具体的なデータを使った演習問題で、データ処理の方法とその解釈について学習する。関連論文を読み、研究デザイン・統計的手法についても分析・検討する。◇教科書: 配布資料「日本語教育におけるテストと評価」
日本語教育を行う上で基礎となる文法・語彙項目(主に類義表現)を取りあげ、具体例をあげながら分析・考察する。◇参考文献:
また、日本語教科書、文法解説書などを取り上げ、その中で文法・語彙項目がどのように扱われ、記述されているかを整理・検討し、日本語教育への効果的な応用、特に実用的な語彙・文法指導の方法を探る。
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