2004年度実習報告書作成によせて

日本言語文化専攻日本語教育学講座 日本語教育実習担当

鷲見 幸美

 

 本年度も、名古屋市教育委員会、名古屋大学留学生センターのご協力を賜り、実習生が貴重な日本語教育実習を経験することができた。まず、関係各位に心よりお礼申し上げる。

 

 本年度の実習は、大曾三恵子教授のもと、8名の実習生でスタートした。4月に私が実習担当を引き継ぎ、最終的に報告書をまとめるに至ったのは7名の実習生である。この報告書は、実習生が奮闘した記録である。広く皆様に読んでいただき、ご助言やご批判をいただきたい。また、日本語教育実習にさまざまな形でかかわっておられる方々に、多少なりとも参考になることを、実習生共々願っている。

 

 本専攻における実習は、伝統的に実習生による自主運営である。特に、夏季実習においては、その色が濃い。本年度もその伝統にのっとり、様々な日本語教育経験を持つ実習生が、知恵を出し合って実習に臨んだ。時には励まし合い、時には批判し合い、とことん議論し実習を進めた。実習生にとって、その過程こそが日本語を教えることの奥深さ、及び自らの教師としての課題を認識する過程であり、各々がその過程から多くのものを学んだことが、この報告書からも窺えると思う。

 十年前に本専攻の実習生として教育実習を経験した私にとって、実習生の姿はまさしく十年前の自分であった。十年前の自分を実習生に重ねて見て、実習を再体験させてもらった。そして、「教師として成長したい」「せっかくコースに参加してくれた学習者の気持ちに応えたい」という実習生の強い思い、一人一人の学習者に誠実に向き合い、一つ一つの授業に真剣に取り組む実習生の姿に、教師としての自分を振り返り、身の引き締まる思いだった。日本語教師としての私に、多大な刺激を与えてくれた実習生に感謝している。

 この報告書からは、実習担当者としての私の課題も見えてくる。先述したように、実習生が

自分たちでコースを運営することにより学ぶことは多く、自主運営の意義は大きい。しかしながら、本年度はそれに甘えすぎてしまった感がある。今後より適切なサポートをするために、実習担当者として、何をすべきであり、何をすべきでないのかを見極め、実践していきたい。

 

 最後に、本年度の春季実習まで、長年にわたり実習の場を守り続けてこられた大曾美恵子先生をはじめ、これまでのTA、実習生の皆さんにも感謝の意を表したい。これまでの実習が誠実に取り組まれたものであったからこそ、本年度も名古屋市教育委員会、名古屋大学留学生センターのご協力が得られ、実習が実施できたのだと思う。この伝統を絶やすことのないよう、実習担当者としての責務を果たして行く所存である。

 

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