3.5 テキスト編纂

担当:三好

 今回の夏期教育実習では、中上級用のテキストとして、口頭能力の育成に重点を置いたテキストである『ふうりん』を作成した。作成は、『新日本語の中級』(スリーエーネットワーク)を参照に行った。以下、『ふうりん』に関して、内容の概要と作成手順に関して記す。

3.5.1 内容

 『ふうりん』は、日常生活で使う会話ができるようになるという目標のもとで、機能別にシラバスを組んだ。具体的には、以下のような構成である。

第1課 お礼を言う

第2課 謝る

第3課 道を尋ねる

第4課 誘う・断る

第5課 頼む・断る

第6課 不調を訴える

第7課 許可をもらう

第8課 計画を立てる

第9課 文句を言う

第10課 考えを述べる

各課のはじめには、「学習する前に」という項目を設け、「・・・の場合にはどのように表現しますか」という質問をして、学習者の知っている表現を引き出し、レベルの把握をすることを試みた。また、学習の目標と文法項目を明記し、その課で何を学習することを目的としているかを明確にした。各課にはダイアログを平均三つ載せ、同じ場面で対人を変えて、丁寧体と普通体の両方を使えるようにし、スピーチレベルが変わるとどのように表現が変わるかが学習できるよう配慮した。また、男性版,女性版のバリエーションも考慮に入れ、性差による語彙の差や終助詞の用いられ方にも配慮した。

3.5.2 作成の手順

 テキストの作成に関して、第1課・第2課はは片桐、第4課は猪飼、第3課・第8課は森、第5課は村田、第6課・第7課は栗原、第9課・第10課は三好が担当した。(作成の手順に関しては、研究レポート「中上級会話クラスを振り返って」も参照。)

『新日本語の中級』(スリーエーネットワーク)をもとに、ヽ惱する前に、学習目標、3惱項目、げ駭叩↓イ△燭蕕靴い海箸个僚腓忘鄒していった。会話は、基本的には『新日本語の中級』にあるものに従ったが、表現や語彙など、学習者が遭遇しそうな場面を考えて適宜変更していった。また、第3課「頼む・断る」では、名古屋弁を使った会話を取りいれ、当地の名古屋の方言を聞いてわかることができる工夫もした。次に会話の一例を記す。

<例 第3課「頼む・断る」>

*学習する前に・・・友達に日本語を教えてもらいたいです。どうやって頼みますか。

*学習目標・・・何かを頼む際に、理由が説明できる。 相手や場面によって頼み方が変えられる。

*学習項目・・・ことにする、ただVるだけでいい 

会話

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ジョン: あのさ、ちょっとお願いがあるんだけど。

武  : ん?なに?

ジョン: うん。今年さ、日本語能力試験の2級受けることにしたんだけど、自分で勉強するだけだと心配でさ。で、都合のいいときでいいんだけど。

武  : うん。

ジョン: ちょっと日本語教えてもらえんかな?

武  : うーん。日本語能力試験ねー。ちょっと自信ないんだけど。

ジョン: いや、ただ問題週使って一緒に練習してくれるだけでいいからさ。

武  : ああ、そうなんだ。だったら、できるかもしれん。 うん、じゃあ、ぼくでよければ。

ジョン: そう、よかった。じゃ、お願いします。

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 また、8月10日に『ふうりん』のダイアログを録音した。名古屋弁の会話には、名古屋弁のネイティブを起用し、アクセントやイントネーションにも配慮した。


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