3.4 テキスト改訂

担当:猪飼

 昨年度のAET実習では『はなび―つかえるにほんご―2002年度版』(以下『はなび』とする。)が使用されていた。本実習で使用した教科書『すいか―つかえるにほんご―2003年度版』(以下『すいか』とする。)、『うちわ―つかえるにほんご―2003年度版』(以下『うちわ』とする。)、『ふうりん―つかえるにほんご―2003年度版』(以下『ふうりん』とする。)の中で、『すいか』と『うちわ』は、ゼロ初級と初級の2冊の教科書を使用するという点で『はなび』を引継ぎ、さらに改訂を加えたものである。『ふうりん』は中上級のクラスのために、実習生が新しく作成したテキストである。
 テキスト改訂は6月上旬から始めた。それと平行して、中上級の新たなテキストの内容も検討していった。最終的にすべてのテキストが仕上がったのは7月下旬だった。改訂したテキストの印刷は7月31日に行った。
 テキストは内容と表記と書式の面から改訂した。『すいか』ではゼロ初級の学習者を対象とするため、本文のひらがなの上にローマ字表記をつけた。初級のテキスト『うちわ』では、ローマ字表記は削除した。全ての課における表記と書式が統一されるようにした。下に改訂の際に留意した点を示す。

<内容>
・ ダイアログの文のうち、会話の流れとして不自然なものは直した。前年度のテキストでは、学習者への負担を減らすために自然さがややそこなわれているものもあったが、自然さを最優先に考え書き直した。
・ USEFLE PHRASESやGRAMMAR NOTESなどにおいて、分かりにくい部分や、欠けている点は付け加えた。

<表記>
★全体について
・ ゼロ初級ではひらがな・カタカナには全てローマ字を併記する。初級ではローマ字は使用しない。
・ ゼロ初級では漢字を使用しない。初級で使用する漢字は次にあげるもののみとし、仮名をふる。
  初級で提示する漢字:時、分、目、日、何、先生、円
  漢字は最低限知っておいた方がいいと判断したものに限って提示し、学習者から漢字を勉強したいとの要望があった場合はさらに漢字を教えることにした。
・ 数字はアラビア数字で統一し、数字には振り仮名をふる。ゼロ初級についてはひらがなでの振り仮名の他にローマ字でもふりがなをふる。
・ 「ひとつ」「ふたつ」・・・はひらがなで表記する。
・ 日本語の文には全て句点「。」あるいはクエスチョンマーク「?」をつける。
・ 初級において文末に「?」を使用する箇所は、疑問の終助詞「か」が使用されていない疑問文、あるいは英語の付加疑問文に対応する終助詞「ね」が使用された確認の文とする。これに対して入門ではひらがな表記の箇所については初級と同様であるが、ひらがなと併記したローマ字表記の箇所については疑問の終助詞「か」が使用されている疑問文についても「?」を使用した。
・ 日本語の分かち書きは文節単位で行う。ローマ字の分かち書きは語単位とする。
・ ローマ字表記の際、接頭辞の後にハイフン「-」は使用しない。

★「DIALOGUE」について
・ 本実習で用いたテキストにおける助詞は無助詞になる確率が高いと思われる箇所では丸かっこをつけて表記した。

★「VOCABULARY」「USEFLE PHRASES」について
・ 動詞は「ます形」とする。
・ イ形容詞は「です」をつけない。
・ ナ形容詞は「な」がついた形とする。
・ 同義語はスラッシュ「/」で示す。
・ 反義語は両矢印「⇔」で示す。

★ 「GRAMMAR NOTES」「REFERENCE」
・ 文法説明は英語で表記するが、英文の中に日本語の語句が含まれる場合、ゼロ初級ではそれをローマ字で表記し、初級ではひらがなで表記する。
・ 例文における「EX.」「(1)」「A:」などの位置関係は次に示すとおりとする。
Ex.
(1) A:
    B:

 <書式>
・ DIALOGUEの英訳は左端をそろえる。
・ DIALOGUEのタイトルについて、日本語のタイトルは左端、英語のタイトルは右端をそろえる。
・ 英字のフォントはTimes New Romanとする。日本語はMS明朝とする。
・ RELATED WORDS & PHRASESのリストは太字で表記しない。
・ 見出しの網掛けについて、VOCABULARYとUSEFUL PHRASES以外は短い網掛け、それ以外はページの幅と同じ長い網掛けとする。
・ DIALOGUEの上下に黒の太線を引く。この線と網掛け部分との間には行スペースをおかない。
・ 入門のひらがなに併記するローマ字は、分かち書きの各文節の下に配置する。
・ GRAMMARとGRAMMAR NOTESを後者に統一する。
・ 「。」のあとに文が続く場合は半角で1マス空ける。
・ DIALOGUEにおける場面のト書き(例:John is looking at a shirt.)は行頭を名前の最初の一文字目とそろえる。動作のト書き(例:Pointing to the menu)は名前と「:」の後に書く。時間の経過はト書きとはせず、「* * *」のようなアスタリスクとスペースで示す。
・ DIALOGUEのタイトルは文ではなくフレーズとする。
・ DIALOGUEにおける英訳は、それと対応する日本文と対応させて改行などを行う。
・ DIALOGUEの分かち書きは半角スペースで、それ以外の分かち書きは全角スペースで示す。
・ 英訳のスラッシュは前後を半角1マスずつ空けるが、日本語のスペースは空けない。
・ イラストを挿入し、改ページを適当な場所で行えるように調整した。
 
 これらの規則に従い、6名の実習生が分担して教科書の改訂を行った。書式や表記は、昨年度のテキストを参考にすることで統一を試みた。しかし最終的に完成したものにも若干の誤植が含まれている。なお巻頭と巻末の資料は昨年度使用されていたものを使用した。
 テキストの英語はネイティブスピーカーにチェックしてもらった。DIALOGUEの英語訳については直訳ではなく意訳とした。ただし意訳との間にずれが大きいものについては、丸かっこの中に直訳も掲載した。
 本年度のテキストの改訂の中で最も時間と労力を費やしたのが会話文の見直しであった。しかし、授業でもテキストを有効活用することができたため、時間をかけて改訂した甲斐があった。特に、中上級では、作成したテキストとテープに沿って授業を進めていくことができた。


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