教室内のインターアクションの客観的分析の試み

三谷閑子


1.はじめに
 1980年代以降、外国語教育では、コミュニケーション重視、教師中心から学習者中心への比重の転換が新しい傾向として現れた。このような考え方が発展、定着する中、現在はこれまでの文法能力を教えることのみに終始していた教師主導型の教室ではなく、活発なインターアクションが行われる教室が目指されるようになっている。ことに、運用能力をつけるための会話の授業では、インターアクションは重要だとされている。
 夏期の教育実習では、筆者は入門(0初級)クラスを担当した。このクラスでは、実習期間が短いこともあり、文法よりも会話中心とし、生活に必要な日本語の学習をねらいとした。本稿では、自分の行った授業で実際にどのようなインターアクションが行われていたかを客観的に分析し、どのようなインターアクションが学習者に役立つものであったかについて考察したい。
 筆者は会話中心の授業をすることにはまだあまり慣れていないため、客観的に自分の授業を観察し、その特徴をつかんで今後につなげる必要があると考えている。

2.インターアクションの定義と先行研究
 近年、言語教育界では、「教室で何が起こっているのか」という実際の現象を実証的に観察・分析する研究が重要になってきている。このような研究はクラスルームリサーチと呼ばれており(小池他 1994)、インターアクションは、この研究分野でよく用いられている語である。
インターアクションの解釈には以下のように広義のものと狭義のものとがある。

(1)縫部(1991)
 縫部(1991)は、インターアクションの定義として次のように述べている。「インターアクションとは、人と人との間で取り交わされる心理的接触と相互交流の総体である。(p.14)」縫部によると、コミュニケーションはインターアクションがなければ成立しないが、コミュニケーションがなくてもインターアクションは存在し得る。従って、インターアクションの内容と質が、コミュニケーションの成立に関わる重要な要素である。この定義では、インターアクションは人格の交流までも含む広い意味で捉えられている。
 このような解釈のもとで外国語の授業分析をしようとするのに、Moscowitz(1971)の「外国語相互作用分析システム」(Foreign Language interaction analysis (Flint) system)や、Fanselow(1987)の授業分析システム「FOCUS」(Foci for Observing Communications Used in Settings)がある。

(2)Long (1983)
 Long(1983)は、インターアクションを意味交渉(negotiation of meaning)として捉える。Longによると、人間は円滑にコミュニケーションをするために、(1)明確化要求、(2)確認チェック、(3)理解チェック、といった3種類の意味交渉を日常的に行っている。(1)は、相手の発言が明確でなかったり理解できないときやよく聴こえないとき、発言を明確にするように要求すること、(2)は、相手の発言を自分が正しく理解しているか確認すること、(3)は、自分の発言を相手が正しく理解したか確認すること、である。
 Long1983)は、インタラクション仮説 [1] を唱え、インタラクションの重要性を指摘した。また、その他の先行研究では、意味交渉によって会話的調整が行われると、学習者の理解度が増したことが報告されている(Pica et al,1987, Ushimaru 1993)。

3.本稿での授業分析の目的と方法

 本稿の目的は、縫部(1991)のインターアクションの定義に基づき、筆者の行った授業の客観的な分析を試みることである。分析手段は、分析が比較的容易であると思われるMoscowitz1971)のFLint systemの分析表[2]と分析方法の一部を使うことにする。

具体的な分析方法としては、まず、ビデオに録画した授業を文字化したトランスクリプトを作る。このとき、トランスクリプトには教師や学習者の発話・動作・教具などをできるだけ書き込む。次に、FLint systemの分析表を見ながら、教師と学習者の発話行動に分類記号をつける。

3.本稿での授業分析の目的と方法
 本稿の目的は、縫部(1991)のインターアクションの定義に基づき、筆者の行った授業の客観的な分析を試みることである。分析手段は、分析が比較的容易であると思われるMoscowitz(1971)のFLint systemの分析表 と分析方法の一部を使うことにする。
 具体的な分析方法としては、まず、ビデオに録画した授業を文字化したトランスクリプトを作る。このとき、トランスクリプトには教師や学習者の発話・動作・教具などをできるだけ書き込む。次に、FLint systemの分析表を見ながら、教師と学習者の発話行動に分類記号をつける。

4.FLint systemの特徴
 FLint systemでは、授業中のインターアクションは、教師の発話・学習者の発話・沈黙/混乱・笑い、の4つに分類される。この4つにはさらに下位項目がある。教師の発話行動は間接的と直接的の2つに分けられる。間接的行動とは、学習者を尊重し、学習者の自発的行動を促すものであり、直接的行動は教師主導の行動である。
 FLint systemでは,教師の行動が間接的になり、学習者の自発的発言が増え、教師および学習者の外国語使用が多いほどよいと考える。FLint systemが考えるよい外国語授業の特性としては、具体的には次の10点が挙げられている。
(1)教師も学習者も外国語使用が圧倒的に多い。(2)初級段階でも母語使用は非常に少ない。(3)教師の話す量が少ない。 (4)学習者の参加を促し、誉めたり励ましたりすることが多い。
(5)教室内の雰囲気が暖かく、受容的である。(6)教師が微笑したり、冗談を言うことが多い。
(7)教室内に笑いが多い。(8)学習者は授業参加への意欲を示し、自発的な発言が多い。
(9)学習者の行動が批判されることは滅多にない。(10)誤りの訂正をやさしく行う。
また、理想的な外国語教師の外国語使用は95%以上、間接度が2以上であるとしている(Moskowitz 1976)。

4.分析の観点
  分析の観点は、FLint systemの分析観点、Long(1993)の意味交渉、筆者の考えたものから成る。
(1) 教師、学習者全体
  ・授業中、教師がどれだけ発話しているか。
  ・授業中、学習者がどれだけ発話しているか。
  ・教師と学習者の間で意味交渉は行われていたか。

(2) 教師
  ・教師の発話行動は、直接的、間接的、どちらが多いか。
  ・直接的発話行動、間接的発話行動それぞれの内訳はどうなっているか。
  ・教師の指示は、指示(Gives Directions)、パターンドリルに関する指示(Directs Pattern Drills)のどちらが多いか。
  ・教師の質問は、答えが予期される質問と、どんな答えが返ってくるか予期できない質問のどちらを多くしているか。
  ・教師の学習者への当て方はどのように行われていたか。
  ・訂正やフィードバックを適切に行っていたか。

(3) 学習者
  ・教師への質問があったか。
  ・教師への応答の種類にはどんなものがあったか。繰り返し、パターンドリルの解答、自由発言、のうちどれが多かったか。

(4) 授業全体の雰囲気

5.授業分析を行う対象とする授業について

  入門のクラス: 学習者8名 男女比(男性6人、女性2人)
                 国籍 (アメリカ 5人、 イギリス 2人、 スコットランド 1人)
                 日本語学習歴 一人を除いて来日前の学習歴無し [3]

授業日: 実習2日目 816日(金)2時間目(50分)
当時間の導入項目: よく使うカタカナ語の食べ物の名前、数え方(ひとつ、ふたつ、〜よっつ)、
              これ/それ/あれ、〜をください/おねがいします。N1とN2 

6.分析結果  
 (1) 教師、学習者全体
・授業中(42分)の教師と学習者の発話比

    表1 

 

発話数

教師

119

学習者

80

 発話数はターンの数を数えた。また、授業50分のうちの最後のグループタスク5分(レストランでの注文)は、各グループ内でのターン数がわからないのでここでは取りあつかっていない。なお、「笑い」と教師が板書したり絵を貼ったりしている間の「沈黙」は除外してある。
  
・教師と学習者の間で意味交渉は行われていたか。
 教師からの理解確認チェック(「わかりますか。」は2回、学習者からの教師への明確化要求(「もう一度、お願いします。」など)も2回あった。学習者間の会話練習で意味交渉がどの程度行われたかは、録音できていないため不明である。
   
(2) 教師
・教師の発話行動は、直接的、間接的、どちらが多いか。

    表2

間接

36

直接

83

・直接的発話行動、間接的発話行動それぞれの内訳はどうなっているか。

   表3 間接的発話行動の内訳

Deals with feelings(気持ちを受け止める)

1

Praise or encouragement(誉めたり励ます)

1

Jokes (冗談)

1

Uses ideas of students (学習者の言ったことを利用する)

10

Repeats students verbatim(学習者の言ったことを繰り返す)

5

Ask questions(質問する)

18

「質問する」が一番多く、次に、「学習者の言ったことを利用する」、「学習者の言ったことを繰り返す」が続く。

   表4 直接的発話行動の内訳

Gives information(情報を与える、説明)

45

Correction without rejection(拒絶的な態度をとらずに訂正する)

1

Gives direction(指示)

19

Direct pattern drills (パターンプラクティスに関わる指示)

18

  教師の指示は、指示(Gives Directions)とパターンドリルに関する指示(Directs Pattern Drills)の数はほぼ同じである。情報を与えたり説明したりすることが一番多い。
  
・教師の質問は、答えが予期される質問と、どんな答えが返ってくるか予期できない質問のどちらを多くしているか。

   表5 質問(合計18)の内訳

Closed questions(答えが予期される質問)

12

Open-ended questions(答えが予期されない質問)

6

 ・教師の学習者への当て方はどのように行われていたか。
 教師と学習者の間でのやりとりが中心で、学習者同士のやりとりは少なかった。
 ・ 訂正やフィードバックを適切に行っていたか。
 特に大きな誤用はなく、訂正はほとんど行われなかった。

(3) 学習者
 ・教師への質問があったか。
 学習者の方から教師に向けて自発的に行われた発話行為は、8回あった。この自発的発話行為は、学習項目のパターンプラクティスや繰り返しから離れ、学習者がその場の文脈に合わせて自分の考えや気持ちを述べるものである。教師への質問もこの中に含まれると考える。教師への質問(open-ended question)は3回あった。

 ・学習者の反応の種類にはどんなものがあったか。

     表6 学習者の反応の種類

Student response, specific (限られた言語表現の範囲での応答)

30

Student response, choral (何人かあるいは、全員によるコーラス)

19

Student response, open-ended or student initiated(自由な発言)

24

Silence (沈黙)

33

Confusion, work-oriented (タスク作業のためのざわつき)

9

教師が説明を聞いて、わかったときには、「O.K」のつもりで「はい。」と言う学習者が多かった。

(4) 授業全体の雰囲気
 学習者が英語の教師として働くために来日しているため、授業に対しては協力的で学習意欲も高い。この日は一時間目にゲームをしたことや、授業中、教師が媒介語を多く使用していたこともあり、学習者はリラックスしている様子であった。学習者同士も仲が良く、授業全体の雰囲気はたいへん良好であった。


7.考察
 教師の発話数が、学習者の発話数よりも多くなったことの原因としては、導入項目が多かったこと、導入項目のうちで数え方と「これ/それ/あれ」についての説明が長くなったこと、教師がダイアログのスキット2つのデモンストレーションを繰り返しやったこと、授業中のインターアクションが教師と学習者の間のやりとり中心になっていたことなどが考えられる。学習者の発話学習者の授業中の発話を増やすためには、文法項目についての教師の説明があまり長くならないように工夫することや学習者同士のやりとりをもっと取り入れるように気をつけることが必要だと思われる。
 これ/それ/あれの説明が長くなったのは、学習者がややわかりにくそうにしていると教師が判断してフォローアップの説明をさらに付け足したからである。これ/それ/あれを導入するために教師はレストランでの注文の場面のスキットを演じて見せたが、狭い教室内では、話し手と話し手がそれ/あれを使って指す対象物までの距離にあまり差が出ず、そのことがそれ/あれの使い分けをわかりにくくしたようである。筆者は、もっと絵を活用すればよかったのではないかと考えている。「これ/それ/あれ」の導入の仕方は今後さらに工夫していく必要がある。
 教師と学習者間での意味交渉がやや少ないが、それは、この時間の学習内容が「これ/それ/あれ」を除いてはそれほど複雑ではなかったからではないかと考えられる。また、教科書に沿った本格的な授業はこの日が初日であったので、「もう一度」という教室用語を学習者がすぐに使ったことからは学習者の学習意欲が伺える。
 しかし、教師からの理解度チェックはもう少し行うべきであったのではないかという疑念は少し残る。このクラスでは、教師が学習項目について説明や指示をした後では、大抵の場合、学習者が何らかのかたちで理解したかどうかについての反応を示してくれた。(例えば「はい。」など。O.K.のつもりだと考えられる。)そのため、教師は安心してしまい、本当に学習者が理解しているかどうかをしっかり観察しないままに授業を進行させた可能性がある。
 教師の発話行動については、直接的発話行動が間接的発話行動の2倍以上となっていた。その内訳を見ると、まず間接的発話行動では、すべての下位項目の発話をしてはいるが励ましや学習者の気持ちを受け止める発話が少ない。筆者は学習者を励ます気持ちを強く持っていたのだが、それが態度や表情に表れるとはいえ心の中で思っているだけではやはり不十分であった。もっとはっきり口に出して学習者の応答を励ましたり誉めたりすると学習者の意欲がさらに増し、学習項目の理解やより活発なインターアクションへとつながったのではないかと思われる。学習者の気持ちを受け止め、彼らの心理状態にもっと積極的働きかけるべきであった。これはこの授業での特に反省すべき点である。
 また、質問の種類は、答えが予期される質問の方が、答えが予期されない質問より多い。これは、学習者の語彙が少ないために学習事項に沿った範囲内でのパターンプラクティス的な質問を多くせざるを得ないと判断したためだと考えられる。しかし、授業中のインターアクションをコミュニケーションへとつなげていくためには、入門のレベルであっても、答えが予期されない質問(学習者がいくつかの選択肢を持ち、その中から自分で選んで答えるような質問)の回数を増やす工夫をする必要があるのではないかと思われる。入門レベルでは、そのためにいかに語彙を導入するか、あるいは提示するかが工夫の要る部分であろうと考えられる。
 次に、直接的発話行動では、前述したような理由で「説明」が多くなった。指示にはパターンプラクティスに関わるものも多かった。この日は3時間目に自由練習を入れていたので、この日の授業全体ではパターンプラクティスばかり行っていたわけではないのだが、この時間に学習者に与えたタスクはパターンプラクティスが中心となってしまった。50分間にパターンプラクティスが多くなると学習者の活動が単調になり、学習者が疲れやすくなったのではないかと考えられる。教科書の1つの単元を3時間連続授業で行うときの教案を作成するときには、3時間全体の流れも大切だが、各50分間の中での活動の種類のめりはりも忘れず考慮に入れるべきである。その意味で、会話の授業連続3時間分の教案を作るのは難しいと感じた。
 訂正に関しては、この授業では訂正はあまり行わなかった。学習者の誤りには、音声に関するものが少しあった。対処法としては、学習者の発話をもう一度繰り返すかたちで質問の答えの訂正と確認を行い、誤りを指摘するやり方はとらなかった。音声上の問題は、クラス全体活動の中よりも、むしろグループ活動のときに教師が学習者の発話に耳を傾け、個別に対応する方がいいのではないかと考えたからである。授業後のアンケートではこの日は3時間目に自由練習を入れていたので、この日の授業全体ではパターンプラクティスばかり行っていたわけではないのだが、教師の訂正についてのリクエストやコメントは特になかったので、このやり方は学習者に受け入れられたのではないかと思う。
 教師の指示全般について大切だと思われることは、何を指示しているかが学習者にはっきりわかるような明快な指示の出し方をすることである。ビデオを見ていると筆者は、授業活動で次に何をするかについての予告はこまめにしているが、学習者への指示がはっきり伝わっていないのではないかと思われる場合があった。その原因の一つには、話すときの速さや声の大きさにむらがあることが考えられる。媒介語を使うときは、日本語よりも速くなる傾向があり、媒介語を使用した直後の日本語の速さと声の大きさにはむらが生じていることがあった。このようなことにならないよう今後は気をつけたい。また、指示は、なるべく簡単にし、長い文にならないよう、常に意識していることが大切である。ジェスチャーをしながら指示をするのもよいと思う。
 学習者の発話行動では、学習項目に沿ったパターンプラクティスの指示への応答が多かった一方で、学習者から教師への自発的な質問や発話も比較的多く見られた。質問は主に学習者の母語で行われた。その場の文脈に即して自由な発言が多くあったのは、教室内で媒介語を多く使用していたために、学習者が気持ちの上でリラックスしていたことが影響していると考えられる。
 この授業では、教師は説明以外のときにもかなりの割合で媒介語を使用していた。Moscowitz(1971)のFLint systemでは、媒介語を使用しない授業が理想とされるが、筆者は、夏季教育実習のように一週間短期間集中のかたちで日本語学習歴がない学習者に日本語を教える場合には、ある程度の媒介語の使用はやむを得ないと考える。この授業は、実習期間の最初の方に行われた授業であり、学習者の緊張もほぐす必要もあった。また、日本語の語彙が非常に限られているために授業中の自由なコミュニケーションが制限されてしまっては、教師主導型の授業から抜け出せないのではないかという恐れもあった。結果的には、媒介語の使用が教師と学習者の間のコミュニケーションをよりスムーズなかたちで成立させることになったので、入門クラスでの媒介語の使用は適当であったのではないかと思われる。しかし、長期にわたる日本語学習コースの場合には、入門のレベルであっても媒介語の使用は避けた方が、学習者のためになると考えられる。また、短期のコースであっても学習者の語彙や学習項目が増えるに従って文レベルの媒介語の量は、教師がコントロールして徐々に減らす方向に進めていくべきではないかと思われる。

8.まとめ
 本稿では、Moscowitz(1971)のFLint systemの分析表を使って、夏期教育実習の筆者の授業の客観的分析を試みた。FLint systemの分析表には、教師、学習者の発話行動をどのカテゴリーに入れるかについての判断が難しい場合があるという問題点もあるが、授業全体の傾向を客観的に観察、分析するのには役に立った。パターンドリルに関わる発話が教師と学習者に多く見られるのではないかという筆者の予想が当たっていたことも確認できたが、それ以外に学習者の心理に積極的に働きかける発話が少なかったこと、学習者の自由な発話も比較的多かったことなどの予想外の発見もあった。今後は、この分析から知った自分の授業の特徴を基に、活発なインターアクションが行われる教室にするには教師はどうすればよいか、さらに考え工夫していきたい。また、ただ活発なインターアクションだけではなく、外国語の習得を助けるインターアクションのありかたとはどのようなものかについてもさらに研究したいと考えている。


<参考文献>
・中村透子(1996)「日本語クラスにおける教師の要請と学習者の反応」『南山日本語教育』No.3.南山大学大学院pp.51-75
・縫部義憲(1991)「日本語授業の「人間化」の工夫―外国語相互作用分析システムの利用―」  『日本語教育』75号pp.12-23
・深川美帆(2000)「教師の質問と指示についての一考察―初級クラスにおける質問のタイプに注目して―」名古屋大学大学院に本言語文化専攻夏季教育実習報告
・小池生夫監修・SLA研究会編(1994)『第二言語習得研究に基づく最新の英語教育』大修館書店
・Allwritght, D. and Bailey, K M. 1991. Focus on the Language Classroom: An introduction to classroom research for language teachers. New York:Cambridge University Press.
・Long, M.H. 1983. Native speaker/non-native speaker conversation in the language classroom. In Clarke, M. and Handscombe, J.(eds.),207-225.
・Moskowitz, G. 1971. Interaction analysis :a new modern language for supervisors. Foreign Language Annals. 5:211-21.

 

 


 

The FLint System

 

 


TEACHER TALK

 

(1) INDIRECT INFLUENCE

 

1.  DEALS WITH FEELINGS:  In a non-threatening way, accepting, discussing, referring to, or communicating understanding of past, present, or future feelings of students

2.      PRAISES OR ENCOURAGES:  Praising, complimenting, telling students why what they have said or done is valued.  Encouraging students to continue, trying to give them confidence.  Confirming answers are correct.

2a. JOKES:  Intentional joking, kidding, making puns, attempting to be humorous, providing the joking is not at anyone’s expense.  Unintentional humor is not included in this category.

3.  USES IDEAS OF STUDENTS:  Clarifying, using, interpreting, summarizing the ideas of students.  The ideas must be rephrased by the teacher but still recognized as being student contributions.

3a.  REPEATS STUDENT RESPONSE VERBATIM:  Repeating the exact words of students after they participate.

4.      ASKS QUESTIONS:  Asking questions to which an answer is anticipated.  Rhetorical questions are not included in this category.

 

 

(2) DIRECT INFLUENCE

 

5.      GIVES INFORMATION:  Giving information, facts, own opinion or ideas, lecturing, or asking rhetorical questions.

5a.  CORRECTS WITHOUT REJECTION:  Telling students who have made a mistake the correct response without using words or intonations which communicate criticism.

6.       GIVES DIRECTIONS:  Giving directions, requests, or commands which students are expected to follow.

6a. DIRECTS PATTERN DRILLS:  Giving statements which students are expected to repeat exactly, to make substitutions in (i.e., substitution drills), or to change from one form to another (i.e., transformation drills).

7.       CRITICIZES STUDENT BEHAVIOR:  Rejecting the behavior of students; trying to change the non-acceptable behavior; communicating anger, displeasure, annoyance, dissatisfaction with what students are doing.

 

7a.  CRITICIZES STUDENT RESPONSE:  Telling the student his response is not correct or acceptable and communicating by words or intonation criticism, displeasure, annoyance, rejection.

 

 


STUDENT TALK

 

 

8.       STUDENT RESPONSE, SPECIFIC:  Responding to the teacher within a specific and limited range of available or previously shaped answers.  Reading aloud.

8a.  STUDENT RESPONSE, CHORAL:  Choral response by the total class or part of the class.

9.       STUDENT RESPONSE, OPEN-ENDED OR STUDENT-INITIAIATED:  Responding to the teacher with students’ own ideas, opinions, reactions, feelings.  Giving one from among many possible answers which have been previously shaped but from which students must now make a selection.  Initiating the participation.

 

 

 

10.  SILENCE:  Pauses in the interaction.  Periods of quiet during which there is no verbal interaction.

10a.  SILENCE-AV:  Silence in the interaction during which a piece of audio-visual equipment, e.g., a tape recorder, filmstrip projector, record player, etc., is being used to communicate.

11.  CONFUSION, WORK-ORIENTED:  More than one person at a time talking, so the interaction cannot be recorded.  Students calling out excitedly, eager to participate or respond, concerned with task at hand.

11a. CONFUSION, NON-WORK-ORIENTED:  More than one person at time talking, so the interaction cannot be recorded.  Students out-of-order, not behaving as the teacher wishes, not concerned with the task at hand.

12.  LAUGHTER[4]:  Laughing, giggling by the class, individuals, and /or the teacher.

 

e.  USES ENGLISH:  Use of English (the native language) by the teacher or the students.

This category is always combined with one of the 15 categories from 1 to 9.

n.     NONVERBAL:  Nonverbal gestures or facial expressions by the teacher or the student which communicate without the use of words.  This category is always combined with one of the categories of teacher or pupil behavior.

 

 Moskowitz, G. 1971. Interaction analysis – a new modern language for supervisors. Foreign Language Annals. 5:211-21.

 

 

 

 

 

 

 

 



[1] インタアクション仮説(Interaction Hypothesis)とは、インプットを理解可能にする方法はインプットの簡素化、言語内と言語外の文脈、意味交渉によるインタラクションの修正の3種類であるとする説である(小池他 1994)。

[2] 付録資料を参照していただきたい。この分析表は、深川(20012000年度夏季教育実習レポートでも使用されている。筆者は、深川氏と同様、いくつかある授業分析システムの中ではFLint systemが一番扱いやすいと判断した。

[3] 他にもう一人、2週間の日本語学習歴のある学習者がいたが、そのときの学習内容をほとんど覚えていなかったために、学習歴ほとんど無しと見なしてもよしとした。

[4] 本稿では、FLint system分析表の12.e.(目標言語の使用)とn(非言語)は取り扱わなかった。

 

 目次

 研究レポート一覧