1998年度実習報告書作成によせて

大曽美恵子

1998年度日本語教育実習において報告書作成まで全課程に参加したのは7人である。全員が日本語母語話者であり、残念ながら非母語話者の参加者はいなかった。
今年度も実習に協力してくださった名古屋市教育委員会、及び名古屋大学留学生センターの関係各位に心から感謝の意を表したい。また、ティーチングアシスタントとして後輩の指導を助けてくれた本専攻後期課程の院生にも感謝したい。

実習生は例年より少なかったが、その取り組み方は真剣そのもので、回りの者が驚くほどであった。時にはへとへとになるまで実習生の間で議論を戦わしたこともあったようである。しかし、それだけ真剣に取り組んで得るものの少ないはずがない。日本語教育に関することだけでなく、チームで仕事をするときの人間関係のあり方についても、実習生一人一人が貴重な体験をしたのではないかと思う。

数年前から実習の概要に加えて研究報告を書いてもらっている。研究報告のテーマは実習関連であれば、自由に決めてよいことになっている。今年も「実習におけるクラス分けの問題点とクラス分けの留意点」、「指示の出し方について--初級レベルの場合--」、「テキストの問題点--98年度教育実習自主作成テキストから--」、「『理解可能なインプット』と情意変動の相互作用に関する一考察-初級入門期の『こそあ』の指導を通して-」、「模擬授業について」、「テキスト会話に望まれる『フォローアップ』発話」、「実習とチームティーチング」とバラエティーに富んだ内容の報告が揃った。それぞれ、教科書作成、授業、教育実習を考える上で参考になる、地に足のついた、興味深い研究報告である。これらは彼らに続く後進の指導に活用していきたいと考えている。

今年から報告書はWWWにおいて公開することになった。ご一読いただき、忌憚のないご意見をお聞かせいただければ幸いである。