AET日本語研修


<実習生>

ゼロ初級(Aクラス):斉藤信浩、成田真紀、山本三和子
初級(Bクラス): 浅井美恵子、安斉真生、藤森秀美、吉金卓哉

1.コースの概要

1.1 実習コースの概要

(1) 日程
  1998年 8月10日(月)〜12日(水)、17日(月)〜21日(金)
  上の全8日間、各日午前中2時間ずつ授業を行った。

 97年度の実習との違いを述べれば、今年度の実習では教室活動の他に午後のアクティビティを行わなかったことがあげられる。午前の授業内で各実習生の裁量と工夫により教室外活動を行うことにした。

(2) 学習者
 学習者は、名古屋市に新しく赴任したAETである。AETとはAssistant English Teacherの略称であり、中学校の外国人英語指導助手のことである。AETは、主に中学生の英語コミュニケーション能力の増進を図ることを要求される。また、生活に必要な日本語を学ぶ機会も設けられていない。本実習は、毎年名古屋市教育委員会の協力により、1989年からAET事前研修プログラムの一環に組み込まれているものである。
 今年の学習者、つまり新しく来日したAETの人数及び出身国の内訳は以下の通り。

a. 人数  11名
b. 出身国(人数)  
 アメリカ(7) オーストラリア(2) イギリス(1) カナダ(1)

 尚、学習者の学習歴やプレイスメントなどについては1.3(1)を参照。

(3) 実習方針
 学習者即ち各AETにとって、日本で生活し英語教師として仕事をするために最低限必要な日常会話程度の日本語運用能力を身につけることを目標とする。
 上の目標により、言語の4技能のうち特に「話す」及び「聞く」能力に重点を置くことにした。
 なお、本実習は7名の実習生のチームティーチングであった。この特徴から、実習に関わるあらゆる意志決定を原則として実習生全員によるミーティングで行うことにした。

(4) その他
 実習場所 :名古屋大学言語文化部棟
 受講費(終了パーティー費用): 一人1000円

 

1.2 実習開始までの経過
 実習の円滑な遂行のために、各実習生がそれぞれ準備の担当を受け持った。具体的に、以下のような分担を行った。
 渉外(教育委員会)、渉外(学内)、会計、編集(テキスト及び報告書)、印刷、アンケート、書記
 実習開始までに行った様々な準備のうち、特に下の(1)教科書作成、(2)対外的交渉、(3)オリエンテーションについて記しておく。


(1) 教科書作成
 本実習ではオリジナルの教科書を作成した。実習準備の開始当初から作成することを前提にしていたわけではない。既存の教科書及び昨年度実習の教科書を検討・修正する中で、本実習に適切な教材を作成するに至ったと言える。実習前ほぼ2ヶ月をかけて作成作業を行った。
 教科書作成を通じて、コースデザイン、シラバスデザイン、実習方針などについて実習生同士で議論を活発に行い、明確な意思統一が図れた。


(2) 対外的交渉
 教育委員会との交渉は、常に双方の担当者を通じて、学習者(即ちAET)の基本的な情報収集、実習時期、実習前オリエンテーションの日程決定など、綿密な交渉を行った。
 このような交渉を通じて、対外的な我々の責任をより明確に認識できたと思われる。


(3) オリエンテーション
 学習者のレディネスをなるべく早く把握し、適切なプレイスメントを行うために、学習者の来日後まもなくオリエンテーションを行った。以下はその詳細である。
 日程及び場所: 7月30日(木) 名古屋市教育館(名古屋市中区栄) 新しく来日したAETは赴任までの間この教育館へ通う。
 内 容 : 実習の概要紹介、実習生の紹介、
       プレイスメントのためのアンケート及びインタビュー(1.3(1)参照)

1.3 コース・デザイン

(1) アンケート及びインタビューによるプレイスメント
 コース開始前のオリエンテーション(1.2(3))の中で、学習者のプレイスメントのためにアンケート及びインタビューを行った。以下にそれぞれの詳細を示す。実際のアンケート項目は資料参照。

1. アンケート(記入式)
 学習者の基本的な項目:氏名、国籍、性別、年齢
 日本滞在に関する項目:日本滞在歴、日本滞在に対する不安
 日本語学習歴に関する項目:場所、機関、教科書、時期及び期間、媒介語、文字の学習歴
 本実習の内容に関する質問:日本語が必要となる場面、使用したい場面、興味

2. インタビュー

 目的:学習者の日本語運用能力を(自己申告ではなく)客観的に把握する。

 質問項目:「お名前は?」「どこからきましたか?」「いつ日本へ来ましたか?」など       実習生が全学習者に個別にインタビューし、そのやりとりを録音した。

 上の二つの手段によって学習者のレディネス分析を行い、プレイスメントの資料とした。その結果、次の二つのレベルのクラスに分けた。

ゼロ初級(Aクラス):9名

 日本語学習歴ゼロ又はゼロ相当とみなされるレベル。
具体的には、インタビューにおいて「お名前は?」という質問を理解しない学習者はこのレベルにあるとみなした。
 上の9名とは、コース開始後に2人がBクラスへ移動する前の人数である。

初級(Bクラス):2名

 本実習で作成した教科書の学習項目を習得したとみなされるレベル。具体的には、インタビューの質問にほとんど適切に返答できた学習者はこのレベルにあるとみなした。

(2) レベルごとの準備及び授業
 前項(1)によりクラス分けを行った後、各クラスに分かれて授業の準備を行った。

(3) 終了パーティー
 コースの終了後、学習者、実習生、そして大曽美恵子教授とで昼食程度のパーティーを催した。


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名古屋大学大学院文学研究科 日本言語文化専攻