比較文学論a・b

担当教官:渡辺美樹(火・4,文総522)
オフィスアワー:金(10:30〜12:00)

比較文学論a
講義題目:原作は何処へ
目的・ねらい:
 文学作品は文学的伝統の中で作られていくものであることを具体例を通して理解することを目的とする。一つの作品は時代とともに異なる解釈を受け、さまざまな翻案作品を生み出すことになる。映画も含めた翻案作品と原作との関係を読み解くことでこの目標を達成する。実際の作品の分析を通して、文学作品が文学的伝統の中で作られていくものであることを理解できるようにする。
授業内容:
 まず前半においては、小説、能、映画という三つのジャンルの翻案作品の中で、中世説話「羅生門」がいかに扱われているのかを考察する。後半では、小説、映画、アニメにおける説経説話「さんせう太夫」の解釈を考察し、それらに対して原作が持つ意味を探る。ただし受講者の人数等によって講義内容や講義方法を変える可能性もある。
教科書: なし
参考文献:授業中に指示する
履修条件:映画については各自自分で見ておくこと

成績評価:期末レポート

比較文学論b
講義題目:原作か映画か
目的・ねらい:
 比較文学論aの続きとして、文学作品は文学的伝統の中で作られていくものであることを具体例を通して理解することを目的とする。映画も含めた翻案作品と原作との関係を読み解くことを通して文学作品が文学的伝統の中でいかに作られていくかを理解できるようにする。
授業内容:
 この授業では、溝口健二監督の二つの映画化作品『虞美人草』と『西鶴一代女』を題材として取り上げ、最終的に映画は原作をどのように解釈しているのかを考察する。まず前半の授業では、夏目漱石の『虞美人草』とその批評を読み、作品の問題点を明らかにした上で、映画がその問題点をどのように扱ったのかをみていく。後半の授業も前半の授業と同様の手順で行い、井原西鶴の『好色一代女』とその批評に目を通した上で、映画がどうのように原作を脚色したのかを考察する予定である。
教科書: なし
参考文献:授業中に指示する
履修条件:各自映画を見ておくこと。『虞美人草』についてはYouTubeの動画サイトにある。最後の2分程度が欠落しているが、完全なものは現在確認されていない。


 

スケジュール(予定)

比較文学論a
1:4月16日 オリエンテーション
2:4月23日 『今昔物語集』巻二十九「羅城門登上層見死人 盗人語語第十八」、巻三十一「太刀帯陣売魚姫語第三十一」

3:4月30日  芥川龍之介『羅生門』
4:5月7日   芥川龍之介『羅生門』の批評の現状
5:5月14日  芥川龍之介『藪の中』  
6:5月21日   芥川龍之介『藪の中』の批評の現状
7:5月28日  切能『羅生門』と鬼退治
8:6月4日   黒澤明監督『羅生門』
9:6月11日  説経「さんせう太夫」
10:6月18日 中世の説経語りについて
11:6月25日  森鴎外『山椒太夫』
12:7月2日  森鴎外『山椒太夫』の批評の現状
13:7月9日  溝口健二監督『山椒太夫』
14:7月16日  藪下泰司監督『安寿と厨子王丸』
15:7月23日  討論

比較文学論b
1:10月1日 オリエンテーション
2:10月8日 夏目漱石『虞美人草』を読む 1
3:10月15日 夏目漱石『虞美人草』を読む 2
4:10月22日 夏目漱石『虞美人草』を読む 3
5:10月29日 夏目漱石『虞美人草』の批評の現在 1
6:11月5日 夏目漱石『虞美人草』の批評の現在 2
7:11月12日 溝口健二監督『虞美人草』
8:11月19日 「女主人公は誰か」
9:11月26日 井原西鶴の『好色一代女』を読む 1
10:12月3日 井原西鶴の『好色一代女』を読む 2
11:12月10日 井原西鶴の『好色一代女』を読む 3
12:12月17日 井原西鶴の『好色一代女』の批評の現在
13:12月24日 溝口健二監督『西鶴一代女』
14:1月14日 「女の一生と語りについて」
15:1月21日 討論